(データ提供=エコノミックインデックス) (データ提供= エコノミックインデックス

人工知能の技術を使ったビッグデータ分析サービス「EIセンチメント」を活用し、日経平均株価の変動に影響を与えた市場心理を探る「EIセンチメント + ZUU online サーベイ」。2016年9月第二週のキーワードトップ10を紹介する。

EIセンチメントは、エコノミックインデックスが独自のビッグデータ分析サービスとして提供するもので、日経平均のように日々変動する数値指標に対して、あらかじめ指定したキーワードが同一期間にTwitter上で出現した回数との相関を解析し、数値指標の変動要因を明らかにする。

それではトップ10キーワードと影響力を見てみよう。同社が算出したデータをもとに、ZUU online編集部で「なぜそのキーワードの影響力が高かったのか」を検証してみた。

個人消費拡大のボトルネック?「非正規」「子育て」「引きこもり」が上位

順位 キーワード 影響力 出現回数
1 非正規 11.82 3,612
2 北朝鮮 11.33 17,415
3 子育て 9.81 6,136
4 労働 5.38 12,205
5 相続 3.92 1,186
6 不動産 3.86 5,316
7 引きこもり 3.36 4,023
8 景況 2.68 136
9 衆院選 2.63 507
10 ジャスダック 1.90 44

(データ提供= エコノミックインデックス

「非正規」主体の有効求人倍率上昇は個人消費の拡大には寄与しないとされる。

こうした中、「職安窓口の職員も非正規」、「非正規の年収、200万円に届かず」といった新旧の話題が盛り上がり、7日(水)には「非正規の年金加入後押し 厚労省、企業に助成金拡充」という現状追認策が発表されたことから、日経平均の下降タイミングで影響力が高まった。

2位の「北朝鮮」は、8月から頻発したミサイル問題に続けて核実験実施との報道があったことで、前日比でやや上昇した日経平均に冷や水を浴びせる格好となった。

3位の「子育て」は、突飛な子育てノウハウとその反論の双方が拡散し、介護と子育てのダブルケアという家庭負担に関するニュースが話題となり、根強いネガティブ要因として表れた。

週半ばの7日(水)には、次のいくつかのニュースがそれぞれ日経平均の下降タイミングで連動した。「労働」は政府が残業規制強化の検討開始、「不動産」はバブル期を上回る不動産融資拡大、「引きこもり」は内閣府調査による推計54万人の引きこもり、「景況」は米ISM非製造業景況感指数の低下--である。

週初めの5日(月)、「衆院選」は民進党の代表選挙に関連して早くも次期衆院選を占うニュース、「ジャスダック」は新興市場の動向が、それぞれスコアをとった。

8日(木)の「相続」は、民進党の代表選挙に際して騒動となっている二重国籍に付随した話題に現れ、欧米先進国でも一律でない政治家の資格に関する議論が、前日から持ち直した日経平均と連動した。

日経平均がようやく1万7000円台に届いた今週、無理やりでも将来への光明を探し出そうとするなら、国内経済の「非正規」、「子育て」、「労働」、「不動産」、「引きこもり」からは個人消費拡大のヒント、国際経済の「北朝鮮」、「景況」、「ジャスダック」には産業イノベーションのヒントがそれぞれ内在しているように見えるが、「相続」と「衆院選」という国内政治から、明るさを感じ取るのは極めて難しいこともよく分かった週である。(ZUU online編集部)


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