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(写真=PIXTA)

中年男性が炭水化物を取り過ぎてしまう理由は大きく分けて3つあることが、小林製薬の調査で分かった。

調査は「2016年 中年男性の食生活に関する実態調査」というもので、このほど結果を発表した。

背景としては、国民病の1つと言われるほど患者数の増加が深刻化してきている「糖尿病」に対し、特に食生活に注意を払うべき40〜50代の中年男性に対する注意喚起がある。

この実態調査を基に、中年男性はなぜ食べ過ぎてしまうのか・食べ過ぎと糖尿病との気になる関係・中年男性が健康のため日頃から注意すべき行動とはどのようなものなのか。

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なぜ中年男性は炭水化物を取り過ぎてしまうのか?

取り過ぎてしまう理由の1つはご飯の大盛り。実にアンケートに回答した中年男性の内、約半数がご飯や麺類を注文する際に大盛りにすると回答している。

炭水化物を大盛りにして注文する理由の1つに、ランチのときなどご飯の大盛りやお替りは無料で行えるというようなサービスがあると、お得だという意識が働くことからついつい注文してしまうということが考えられる。

炭水化物を取り過ぎてしまう2つ目の理由が、重ね食べと呼ばれる行為。重ね食べとは、例えばラーメンを注文する際同時に白ご飯も注文して食べる、というように炭水化物に重ねて炭水化物を食べることだ。

これだと炭水化物の取り過ぎだけでなく、栄養の偏りの原因にもなってしまう。

炭水化物の重ね食べをしてしまう原因としては、味の濃い炭水化物メニュー、例えば豚骨ラーメンや味噌ラーメン・焼きそばや肉うどんなどを食べる際は、味の薄い炭水化物メニューとなる白ご飯やチャーハンなどのご飯ものがよく合うという考え方が、一般的な食の好みとして中年男性の間に浸透しているからではないだろうか。

炭水化物を取り過ぎてしまう3つ目の理由が、そもそも中年男性が普段から血糖値のことを気にしていないということ。実はこれが最も問題となる意識だ。

例えば若いころスポーツをしていた人は、当時いくら食べても体重も増えず健康診断の結果も良かったような経験があったかもしれない。

そのような経験を持っている人がその意識を持ったまま中年になれば、自分はいくら食べても健康を維持できるタイプだと誤解したまま炭水化物を食べ過ぎてしまうわけだ。

中年男性が気にすべき隠れ肥満と糖尿病の関係

特に甘いものが好きなわけではないが、炭水化物を取り過ぎてしまうことで健康診断などの数値が悪くなってしまう中年男性の方もいるのではないだろうか。

そのような人に多く見られるのが、隠れ肥満という体の状態だ。隠れ肥満の特徴の1つとしては、皮下脂肪がそれほど多くなく見た目には太っているようには見えないことが挙げられる。

しかし隠れ肥満の人は、食事の中で麺類やご飯もの・パン類などの炭水化物を一度に多く取り過ぎてしまう傾向が強いので、皮下脂肪ではなく内臓脂肪が過剰に蓄積されてしまう。

内臓脂肪の蓄積による肥満は、糖尿病や高血圧・脂質異常症など、生活習慣病に結びつきやすい。

高血圧や脂質異常症などは、内臓系の重篤な病気に直結してしまうのでもちろん注意が必要だが、糖尿病はすぐに症状が出ないことが多く体感しにくい分、普段から食事や運動での対策を立てておくことがとても重要なのだ。

隠れ肥満の中年男性は、食事に気をつけ適度な運動を行うことが大切

隠れ肥満を解消させるには、極端な食事制限や激しい運動などの難しいダイエットをする必要はないと言われている。内臓脂肪は皮下脂肪よりも落ちやすいと言われており、正しい食生活や軽くても継続できる運動などを行うだけでも効果が期待できる。

普段の食事で炭水化物を取り過ぎているのであれば、内容を見直して野菜やタンパク質などもバランス良く摂取するように気を付ける。同時にウォーキングなど継続可能な軽い運動を取り入れるだけでも、隠れ肥満を解消できる可能性は高い。

このように生活習慣の改善に取り組むことで、肥満体型に見えなくても糖尿病になってしまうような危険性を低くすることが可能になるだろう。(藤瀬雄介、スポーツ・ヘルスケアライター)