1月15~19日の東京株式市場は強含みとなった。日経平均株価は一時2万4000円台を回復する場面も見られたが、同水準では利益確定の売りが優勢となり伸び悩む展開となっている。

今週は日銀の金融政策決定会合(22、23日)が注目される。黒田総裁による記者会見の発言内容等で為替が大きく動く可能性もあるので注意深く見守りたい。

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日経ジャスダック平均が「過去最高値」を更新

大村紙業,株価
(画像=プレスリリースより)

それでは、今回はジャスダック市場の「25日移動平均からの高かい離率」ランキングをみていこう。

(1)大村紙業 <3953> +94.16%
(2)ルーデン・ホールディングス <1400> +85.43%
(3)日本興業 <5279> +55.74%
(4)NFKホールディングス <6494> +54.03%
(5)アサカ理研 <5724> +49.76%
(6)レカム <3323> +48.81%
(7)ヒーハイスト精工 <6433> +48.58%
(8)ラクオリア創薬 <4579> +46.58%
(9)ショーエイコーポレーション <9385> +43.93
(10)SEMITEC <6626> +43.66%

※銘柄、証券コード、25日移動平均からのかい離率の順。

先週19日、日経ジャスダック平均は4169円64銭に上昇し、終値ベースで過去最高値を更新した。上記ランキングの顔ぶれをみると機械が2銘柄のほか、パルプ・紙、建設、ガラス・土石製品、非鉄金属、卸売業、医薬品、化学、電気機器が各1銘柄と幅広い業種に買いが集まっており、大きな偏りは見られなかった。

大村紙業、「ニンテンドーラボ」効果で急上昇

今回は上記ランキングから大村紙業、ルーデン・ホールディングス、アサカ理研をとりあげる。

大村紙業は神奈川県茅ケ崎市に本社を置く、段ボール製品メーカー。仙台から大阪にかけて、自動化した小ロット対応型の工場を展開している。

同社の株価は、先週連日のストップ高となった。任天堂がゲーム機・ニンテンドースイッチと段ボール工作を組み合わせた「ニンテンドーラボ」を4月20日に発売すると発表。段ボール製品の需要が増すとの見方から、レンゴー <3941> などとともに連想買いが集まった。

大村紙業の2017年9月中間の決算は増収増益。段ボールケース、シートともに前年同期を上回り好調だ。2018年3月期の営業利益は前期比6.7%増の4億2200万円、純利益は5.4%増の2億6000万円が見込まれている。

今回の「ニンテンドーラボ」の連想買いについては、投資家の期待感が先走っている嫌いは否めない。とはいえ、景気回復によりネット通販等の荷物の動きが増大する中で、段ボール需要も着実な拡大傾向にあるようだ。

ルーデンHD、訪日客事業や仮想通貨決済で人気化

ルーデン・ホールディングスは東京・新宿に本社を置く内装施工会社。業種は建設業だが、不動産事業も展開している。

今月10日、同社は訪日中国人向けの旅行・不動産事業で中国企業2社と業務提携契約を締結したと発表した。ルーデン・ホールディングスは、第三者割当増資などにより約7億4700万円を調達。訪日外国人の需要に合わせた販売用不動産を仕入れ、開発・運営を行う。

また、17日には仮想通貨「ビットコイン」による不動産決済を開始すると発表。19日には最初の取引として、東京都豊島区の区分所有マンションの決済実施を明らかにした。

株式市場は同社の相次ぐ発表を好感した投資家の買いが先行、今回のランキングで2位となった。

アサカ理研、金価格の上昇で思惑買い

アサカ理研は貴金属の回収事業や洗浄事業、リサイクル事業に取り組む企業。貴金属の回収・リサイクルは「都市鉱山ビジネス」とも呼ばれ、地球環境に優しい事業としても知られている。

最近は金価格が1330ドル台まで上昇するなど活況を呈しており、これを受けてアサカ理研株にも思惑買いが広がっているようだ。

ちなみに、アサカ理研が発表した2018年9月期の連結業績予想は、売上高が5.9%増の88億7600万円、営業利益は88.5%増の3億9300万円、純利益は2.0%増の2億7900万円と増収増益が見込まれている。市場では、貴金属価格の上昇によるさらなる業績の上振れ期待も芽生えているようだ。(ZUU online 編集部)