前回の記事では、 肯定論と悲観論の両方を取り上げました
今回の記事では、アベノミクスに対しての期待も込めて、現在決まっている政策が順調に実施された場合の注目銘柄や、アベノミクスの関連業界についてお届けします。

なお、分量が多くなってしまいましたので、前編・後編に分けさせて頂きました。

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◉アベノミクスの関連業界


前回の記事にて、アベノミクスの3本の矢についてお届けしました。
2013年3月頭の時点で第1の矢である金融緩和や、第2の矢である財政出動については、見通しが立ち始めています。しかし残念ながら、第3の矢である肝心要の成長戦略の結論がまとまるのは、6月中頃と言われています。

そのため、本日は金融緩和と財政出動に絞ってアベノミクスの影響を見ていきます。
雑誌の記事や、金融機関が発行するレポートを総合しますと、以下のような切り口になると思われます。

①金融緩和の円安効果による輸出企業への恩恵

②金融緩和のリフレ効果による金融機関や不動産業への恩恵

③復興促進やインフラ補修などの関連業界への恩恵

④研究開発や設備投資を進めるための減税による恩恵

(今回は①②のみ、次回③④をお届けします。)


①金融緩和の円安効果による輸出企業への恩恵


輸出関連企業は、現段階で最もアベノミクスの恩恵を受けていると言えるかもしれません。金融緩和による円安効果は、輸出関連企業には直接的に好影響を及ぼします。

今後の金融緩和や円レートの確実な予測はできません。しかし金融緩和に合わせて、最近話題となっているローソンやJINのように賃上げを行う企業が増えてくれば、個人消費の増加による、継続的なインフレ・円安効果も見込まれます。賃上げに同調する企業が増えるかどうかは、一つの指標にはなると思われます。

なお円安効果による関連業界は、自動車、電気、インフラ、工作機械、精密機械など多岐に渡ります。

トヨタ自動車(7203)

北米での販売も多い日本の輸出企業の雄と言えます。
三大自動車メーカーの中でも例外的に国内生割合を4割前後に維持しており、円安メリットを受けやすい体質です。

日産自動車(7201)

配当利回りが高く安定的な銘柄です。そのためもし仮に株価の上昇が少なくても、メリットが多い銘柄と言えます。
ただし国内生産割合は3割未満と低く、円安効果の影響は限定的な可能性も高いです。

マツダ(7261)

マツダは乗用車だけでなく、トラックや自動車部品、その他関連部品を製造し世界的に販売しています。
国内生産割合が7割前後と高く、円安効果を受けやすい体質です。

富士重工業(7270)

乗用車に加えてその他関連部品、産業機器、航空機部品を製造しています。また乗用車もスバルのブランド名で取り扱っています。
国内生産割合が7割以上と高く、円安効果を受けやすい体質です。

キヤノン(7751)

配当利回りが高く、株価の大幅な上昇がなくともメリットの大きい銘柄です。

シークス(7613)

工業用および家庭用電子機器、電子部品、 自動車部品の販売企業です。
小型株のため値動き幅が大きく、リスクも高いのですが、キャピタルゲインを狙いやすい銘柄です。

武蔵精密工業(7220)

自動車部品の製造会社で、各製品を北米および南米、アジア、ヨーロッパへ輸出しています。
シークスと同じく小型株のため値動き幅が大きく、リスクもありますがキャピタルゲインを狙いやすい銘柄です。

オリンパス(7733)

小型軽量カメラや医療機器を製造販売しています。
医療・健康産業分野は、アベノミクスの次世代成長戦略のトップにあげられる可能性が高く、特に注目を集めています。