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序章

低金利が続き、公的年金の支給開始年齢も引き上げられる中、老後生活に不安を抱く人はとても多いです。その影響もあってか、株式投資やFX(外国為替証拠金取引)、Jリートなどの投資信託を行う人が増えており、不動産投資もまた有効な資産運用の1つとして人気を集めています。

不動産投資の場合、購入する不動産(物件)を担保に資金調達ができるので、まとまった自己資金がなくても始めることは可能です。会社員を続けながら不動産投資を始める「サラリーマン大家」も増えています。空室がない限り、毎月安定的な収入を得ることができる不動産投資ですが、いざ、投資物件を選ぶとなったときに困るのは「新築」か「中古×リノベーション」のどちらを選ぶかという問題ではないでしょうか? ここではどちらの物件が高利回りなのかメリット・デメリットを交えながら、解説したいと思います。


新築、強気の家賃設定も購入費用高く利回りは低く

新築物件と中古物件×リノベーションのそれぞれのメリット、デメリットについて見てみましょう。まず、新築物件のメリットですが、最新の設備を備えているので、入居者のニーズに合った物件であることが多く、相場より強気の家賃設定をしても一定の期間は空室率リスクを低く抑えることができます。竣工から2~3年は修繕コストもかからないでしょう。これは一部の優良案件に限りますが、新築の場合、長期空室保証(20年以上)をしてくれる場合もあります。サラリーマンでも年間10~120万程度の税制上のメリットがあるので、場合によっては税金還付を受けられるなど節税効果が期待できます。

反対にデメリットですが、新築物件の価格は、土地の仕入れ価格や販促費用など販売会社の都合によって決まるため、収益力があまり高くないケースが多く、新築ワンルームマンションの場合、実質利回り(年間家賃収入-マンション購入により発生する税金や管理費・修繕積立金、ローン金利による利回りのマイナス分を含む)÷購入価格×100は約3%。ローンを利用して購入するとなると、家賃を全額返済に回しても不足が発生する可能性が高いので、その際は自己資金で賄わなくてはいけません。新築当初は強気な家賃設定ができても、年数が経つにつれ、家賃も設定を見直さなくてはいけなくなります。