衆議院解散と消費税増税延期

11月18日、安倍晋三総理が首相会見で衆議院の解散と、消費税率10%への税率引き上げの延期を表明した。景気の回復が思ったように進まないことから、2015年10月に予定されていた消費税10%の引き上げを予定通り行うかどうか判断を迫られていた。

今回の衆議院選挙においては、消費税10%への引き上げを1年半先送りし、2017年4月からとすることに対して国民に信を問う形となる。ここ最近の急激な円安への対策や地方活性を軸とする経済対策などが、与党公約の柱となるだろう。その1つが「住宅エコポイント」だ。国交省は3年前に行った「住宅エコポイント」制度を再開することを検討し始めたと報じられている。所得制限を設けず最大30万ポイントを付与する案が浮上している。


経済刺激策として再浮上「住宅エコポイント」

ここで「住宅エコポイント」について簡単におさらいしておこう。「住宅エコポイント」制度は過去2度行われている。1度目はエコ住宅の新築に関して平成21年12月8日~平成23年7月31日に建築着工したもの、エコリフォームに関しては平成22年1月1日~平成23年7月31日に工事着手したものを対象に行われた。

2回目は「復興支援住宅エコポイント」という名称でエコ住宅の新築に関して平成23年10月21日~平成24年10月31日に建築着工したもの、エコリフォームに関しては平成23年11月21日~平成24年10月31日に工事着手したものを対象として行われた。

窓の断熱改修工事と外壁、屋根・天井又は床の断熱改修工事が対象となっており、これらと共にバリアフリー改修や太陽熱システム、節水型トイレなどの住宅設備(復興支援住宅エコポイントの場合にはリフォーム瑕疵保険への加入、耐震改修も含まれた)を行った場合にはこれらもポイントの発行対象となった。

1回目の「住宅エコポイント」制度はエコ住宅の新築で1戸当たり30万ポイント(太陽熱システムを利用した場合には上限32万ポイント)、エコリフォームでは1戸当たり上限30万ポイントが発行され、2回目の「復興支援住宅エコポイント」では、エコ住宅の新築で被災地においては1戸当たり30万ポイント、その他の地域では1戸当たり15万ポイント(太陽熱利用システムを設置した場合、それぞれ20,000ポイントを追加)、エコリフォームでは1戸当たり30万ポイント(耐震改修を行った場合には追加で15万ポイント)が発行される仕組みだった。


住宅の『本当の買い時』は?

首都圏マンション販売戸数は9カ月連続で減少を続けている。だが、消費税増税が先送りされ、「エコポイント」が発行されるとなると、消費者の購買意欲は高まる事が予想されるため、不動産業界にとっては朗報だろう。住宅への軽減税率導入も噂されている。

また、住宅ローン金利は過去最低基準にある。住宅金融支援機構の「フラット35」の金利は、返済期間25年以上、融資率9割以下の条件で1.650%~となっており史上最低となった。

すでに、消費税が8%に増税にされたことによる負担をある程度緩和するために2014年4月より、収入が一定以下の購入者のために「すまい給付金」制度が導入されている。加えてエコポイントが発行されることが決定されることになれば、まさに「買い時」だろう。
一方、こんな話もある。消費税が3%から5%になったのは1997年4月であるが、建築会社エンドウ・アソシエイツのレポートによると翌98年には東京23区の新築マンションの平均価格は5.9%、坪単価で6.3%下落している。

2017年に10%まで増税された後の景気がどうなるか分からないが、過去の例を見ると実は増税後の方が買い時かもしれない。

(提供:不動産 online)

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