今回はこのメタウォーター上場にあたりどんな会社であるか、また成長産業として水産業は今後どのようになっていくのかも踏まえてみていきたいと思う。
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メタウォーターとはどんな会社なのか

メタウォーターは、浄水場・下水処理場、ごみ処理施設・リサイクル施設等の機械・電気設備の設計や建設に関わる事業、及び、これらの機械や電気設備のメンテナンスや補修、運転管理等の事業を行っている。子会社は15社、関連会社が9社で構成されており、従業員数は1,541名(2014年10月31日現在)、日本全国に約40か所の事業所等を配置している。

平成26年3月期(連結)における売上高1,054億円(前期1,123億円)、営業利益81億円(同84億円)、当期純利益41億円(同51億円)である。

主な顧客は自治体であり、2,000以上の施設に設備を納入、70以上の施設で維持管理・運転管理を行っている。海外展開はアメリカ、オランダ、韓国、ベトナム、カンボジアに事務所を配置している。

主要株主は日本碍子 <5333> と富士電機 <6504> だ。上場前の現段階ではそれぞれが750万株ずつ(株式総数に対する所有株式数割合37.5%)を保有している。

理由として、メタウォーターは日本碍子、富士電機システムズの水環境部門だったためだ。平成19年4月にそれぞれが吸収分割しNGK水環境システムズ、富士電機水環境システムズとなり、翌、平成20年4月1日に両社が合併し、商号をメタウォーターに改め、総合エンジニアリング企業としてスタートした。

メタウォーターは水処理を手掛ける企業においては国内大手だ。同業他社としては東レ <3402> の子会社である水道機工 <6403> (2014年3月期売上高161億円)、総合水処理の最大手である栗田工業 <6370> (2014年3月期売上高1,781億円)等が挙げられる。ちなみに水道機工はメタウォーターと国際航業は相互に業務提携をしており、上下水道事業において戦略的パートナーシップを築きあげている。

水市場は今後の成長産業である

日本ではほとんどの地域で蛇口をひねれば、飲み水が出てくる状況が当たり前になっているが、世界に目を向ければこれが画期的なことなのである。水処理を手掛ける日本企業各社は、特にアジア新興国に進出し、水問題の解決をビジネスにしようとしている。

人口増で世界の水需要は拡大し、アジアの水ビジネス市場は2020年までに欧州を上回り世界最大になる見込みであり、将来的には大きな市場が日本からそう遠くないところに出現する可能性があるのだ。

日本総合研究所によると、「アジア・大洋州の水ビジネス市場は20年に約900億ドル(約9兆3千億円)と10年間で3倍に増える」と予想されている。

今のところ、水ビジネスと言えばフランスのヴェオリア・エンバイロメントや同じくフランスのスエズ・エンバイロメント、アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)が市場を席巻している。ここにいかに食い込むことができるかということが日本勢の課題だ。

市場が熱いだけにチャンスをものにできた時の果実は大きい。水ビジネスは装置や設備を設置した後にメンテナンスや維持・運転管理で長期的に関わっていけるところが魅力ともいえる。メタウォーターも中長期的に見た場合には大きく化ける可能性もある。

年末にかけての新規上場銘柄において注目しておきたい企業の1つだ。

(ZUU online)