こんにちは。
前回、 成長する東南アジアの恩恵を享受する~各国市場の特徴と注目銘柄[マレーシア・インドネシア編]〜 をお届けしましたH.Tです。

普段はアジアを中心とした投資環境の分析や、レポート作成、投資運用業務などを行っております。

今回も前回に続き、潜在的な成長力で世界から注目を集める「東南アジア市場」を特集したいと思います。前回がマレーシアとインドネシアでしたので、今回はシンガポールとベトナムについて、両国経済の特徴と、注目企業について、お届けさせて頂きます。

【参考】

世界で活躍するプロフェッショナルの条件〜シンガポールでの採用活動を通じて感じる事〜
富裕層を魅了するシンガポール~教育問題・言論の自由…その魅力の裏に潜む影~
他のみんなもはじめてる?〜海外投資の手法のまとめ〜
最近のアジア人富裕層の投資行動について


◉シンガポール


シンガポールは、金融や貿易のハブとして機能している国であり、世界第4位の外国為替取引センターがあります。それゆえに、他の東南アジア諸国に比べると外需依存が高く、リーマンショックの悪影響を強く受けました。結果として、翌2009年のGDP成長率は-0.8%とマイナス成長を記録しました。

ただ、2010年からはエレクトロニクス、医薬品を中心とした製造業が活況を呈し急回復。11年、12年ともにプラス成長を続けています。

ヨマ・ストラテジック・ホールディングス(YOMA SP)

シンガポールの有力不動産会社である同社。ミャンマーや中国など海外において不動産開発や民間住宅不動産の販売等に従事しています。また、不動産開発プロジェクトの企画、建設、管理などにも着手。日本企業との交流も多く、今年2月には、三菱自動車工業などと提携し、ミャンマーでのセールス事業を行うことを発表しています。4月には、同国最大の都市ヤンゴンでのホテル建設を主導するなど、今後も目が離せない企業です。

ゲンティン・シンガポール(GENS SP)

リゾート会社として有名な同社。シンガポール以外に、オーストラリア、北中南米、マレーシア、フィリピン、英国などでカジノや総合リゾートを所有、運営もしています。大手企業ではありますが、高級ホテルやカジノ産業は極めて景気に敏感な銘柄。12年も減収減益となっていました。回復に向け躍進する今年の動向に注目が集まっています。

オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC SP)

シンガポールに上場している巨大商業銀行。業務は、預金、法人・個人向け融資、国際貿易金融、投資銀行業、プライベートバンキング、トレジャリー、証券仲介、保険、クレジットカード、現金管理など多岐にわたります。同行は現在、「OCBCキャンパス」という研修専門施設教育施設を建てたとして大きなニュースになりました。同行の今後の積極的施策に注目が集まります。

キャピタモールズ・アジア(CMA SP)

同社は環太平洋地域とインドにおいてショッピングモールを運営、展開している企業です。日本への参入にも積極的であり、2012年12月期決算は、東京の商業施設を取得したことなどが奏功し、純利益が前期比19.7%増の5億4,600万Sドル(約412億円)と過去最高を記録しています。経営陣は「今後はシンガポール以外にも、中国、マレーシアで賃料収入の拡大が見込める」と述べていることからも、投資対象として見ておきたい銘柄でしょう。

ネプチューン・オリエント・ラインズ(NOL SP)

同社は海上輸送ビジネスを主とする大手海運会社。子会社を通じて、サプライチェーン・マネジメント、倉庫業および物流ソリューションを提供。そのほか、船舶の管理、エンジニアリング、修理も手掛けています。2013年1~3月期決算は、純利益が7,551万米ドルの増益となり、前年同期に計上した2億5,357万米ドルの赤字から黒字に転換しており、経営難を乗り越えています。