今回のテーマの一つは「勝つ投資家はどこが違うのか?」というものです。そして、100人を超える勝てる投資家に取材して私が気づいたポイント、それが「投資と情報の関係性」でした。

今回、上記のテーマに関して、何度かに渡ってお届けしたいと思います。

【参考:東南アジア株式シリーズ】

成長する東南アジアの恩恵を享受する~各国市場の特徴と注目銘柄[マレーシア・インドネシア編]〜
成長する東南アジアの恩恵を享受するVOL2~各国市場の特徴と注目銘柄[シンガポール・ベトナム編]〜
成長する東南アジアの恩恵を享受するVOL3~各国市場の特徴と注目銘柄[フィリピン・タイ編]〜

【参考】

お勧め情報収集術〜金融機関発行のレポートの読み方1〜
お勧め情報収集術~アナリストレポートと決算短信の比較や、業績動向の読み方など!〜
意外と知られていないビジネスネタの宝庫〜アナリストレポートの入手法〜
意外と知られていないビジネスネタの宝庫の続き〜各社アナリストレポートの詳細比較〜


◉勝てる投資家は、その情報の事実でなく「影響力」を気にする


ご存じの通り、現代は超過密な情報社会です。ある説によると、石器時代と比べると現代社会に暮らす人々の「情報処理」の量は数万倍にも及ぶのだそうです。また、現代のnewsweek一冊は、17世紀のイギリス人が一年間で収集する情報量に相当するともいいます。

そんな情報過多の時代のマーケットですから、当然ながら、その「情報」に左右されます。私が記者になりたての頃に驚いたのは、コモディティ市場の銘柄である「とうもろこし」や「大豆」などに関してです。この両相場が動く一要因として「天候」があります。「アメリカの畑に雨が降った」というニュースだけで、これらの価格は高騰するのです。逆に、翌日に雨が晴れたと言えば、もちろん価格は下落します。

でも考えてみてください。実際に、アメリカのその畑の上で雨が降ったなんて、日本の投資家で目にした人はいるでしょうか?ほとんどいないと思います。そして、それが大豆やとうもろこしにどのぐらいの影響を与えるかを自分で考えられる人がどのくらいいるでしょうか?農作物の専門家じゃないと、それを予想することは難しいでしょう。

つまりこれは、勝てる投資家にとって、「実際に雨が降ったかどうか」や「それが農学的にどのぐらいの影響を及ぼすのか」なんてことは、ほとんどどうでもいいということを指しています。勝てる投資家にとって大切なのは、その確からしい情報が、「正しいメディア」を通じて流れてきたかということなのです。ここにおける「正しいメディア」とは「多くの投資家に影響力を持つメディア」ということになりますね。