今年も残すところあと数ヶ月になりました。プロフェッショナルの1人として、1年間のパフォーマンスが確定してしまうのが少しずつ怖くなってしまっている今日この頃ではあります。今年前半の好パフォーマンスを維持していくことが難しくなってきてはいますが、直近の非常に不確定要素が多く、神経を擦り減らすことの多いマーケットを見ている環境で感じた“投資対象”や“資産分配”を考える上で重要なことを書いてみたいと思います。

一見すると当たり前のことが多いかもしれません。しかし、投資対象や資産分配の基本を考える上で大事な気づきもあるかもしれません。
いくつかに分けてお伝えしたいと思います。

【参考:シンガポールプライベートバンカーシリーズ】

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①為替に対する感覚をしっかり持つ


これほどまで為替というものが大事なものだったのだと再認識される環境は、これまであまりなかったのではないでしょうか。日本にいる投資家は、常に日本円をベースにパフォーマンスを測ることを当然だと思っているでしょう。これは、生活する通貨が日本円であり、その資産配分の偏りを考えると当然のことだと思うかもしれません。
しかし、シンガポールにおけるポートフォリオのパフォーマンスはUSドルで測ることが基本になります。ですから起こりうることとして、「USドルで30%上がっているけど、シンガポールドルにするとそれ程でも、、、」ということが往々にして起こりえます。

今年に関していえば、日本の投資家の方からするとその資産配分が、ただドル(USD)、もしくはユーロ(EUR)を含んでいるだけで、その配分内では20%以上儲かったと言えます。20%以上の値上がりをする投資対象を見つけることは、常時であれば非常に困難です。
これは、為替を、株や債券を買った結果として、ついてくるものという認識ではなく、それ自体を大事な投資対象として改めて能動的に意識させられたと言えます。
それは短期のいわゆるトレーディングということよりも、時間軸をある程度長めに見た上での、投資対象と資産配分に対する自分自身の大局的なビューを持つべきだという意味です。

日々出てくる経済データを気にするだけでなく、日々変化する国際関係、過去の為替を動かした重要なイベントなど、色々と見るべきことは多くあります。まずは意識して流れを追い続ける行為自体が、自分に感覚を植え付ける一番の近道かもしれません。