ヤフースマホ
(写真=ZUU online 編集部)

パソコン向けのウェブサイトで、ポータルとしての強固な地歩を築いてきたヤフー <4689> が、スマートフォン(スマホ)向けウェブサイト界への移住を着々と進めている。インターネットの普及過程で、「ネットの顔」とも位置付けられてきたポータルサイトでも、知名度ナンバーワンのイメージを確立してきた同社がスマホ対応に舵を切るワケとは何か。

今回は、モバイルインターネットの有識者が集うカンファレンス「GMIC」での、ヤフーの村上臣CMOによる講演を基にその理由に迫る。


PCからスマホへ、ヤフーの大移動

インターネットにアクセスする端末としてスマホやタブレットなどのスマートデバイスが存在感を増しており、スマホ向けのウェブサイトも、時を追うにつれて充実してきている。スマートデバイスの普及に伴い、プレゼンスを拡大してきている格好だ。ヤフーもスマホ向けのウェブサイトを立ち上げるなど、さまざまな取り組みを進めている。

村上CMOは、ヤフーのスマホ対応について、「スマホはフリック操作やスクロール表示となっており、無限に(画面の)下側に表示が進むものになっている。ヤフーでもこうした動きを取り入れたスマホ向けのサイトを開発した」と、スマートデバイスの特徴的な動きに合わせた開発を進めてきたことを明かした。

併せて、従来のパソコン向けのウェブサイトのヤフーとスマホ向けのサイトの違いとして、同氏は「クッキー」の有無を指摘。ウェブブラウザからサイトの運営者に送信される各種のデータが含まれており、ユーザーに最適な内容の広告が表示されるように配信先を操作するのに使われる。スマホのウェブサイト網では、クッキーが機能しない。そのため、ヤフーIDへのログインを促す仕組みを拡充しているとのことだ。


ヤフーを知らない10代の登場へ

ヤフーをはじめとしたウェブサイト運営事業者がこぞってスマホ対応を進める背景にあるのは、スマートデバイスユーザー数の急激な増加だ。グローバルに調査事業を展開するニールセンによれば、スマートフォンからのインターネット利用者数は2015年4月時点で4832万人にまで拡大しているという。

他方で、パソコンからのインターネット利用者数は2015年4月で5100万人となっており、スマホからのインターネット利用者数に激しく追い上げられている格好だ。2年前の4月からのユーザー数の推移を見ても、スマホ経由のネットユーザー数は2883万人だったものの、2年間で2000万人も拡大した計算だ。しかしながら、パソコンからのインターネット利用者数は2年前の5728人から減少しており、ユーザー数の開きは縮小傾向にあり、インターネット分野でもスマホの台頭が著しい。