長期的な原油価格の低調を予測していた米ゴールドマン・サックスが改めて、「原油価格が(10月8日の週から)下落する」との見解を示した。

昨年の6月下旬から下落しはじめた原油価格は、わずか半年で104ドル台から52ドル台まで急落。今年初めには40ドル台まで大幅に落ち込んでいた。

原油安の主な原因として、昨年11月にOPEC(石油輸出国機構)が減産見送りを決定したことに加え、シェールオイルの開発ブーム、需要の減少、新興国や欧米における景気減速などがあげられている。


「価格の上昇は一過性。原油安の根底の問題は解決されていない」

リスク資産に多大なる影響を与えるとして注目されているFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ問題だが、9月のFOMC開催後に利上げ時期が来年まで持ち越されるという期待が高まり、2日以降は9%の上昇が見られている。

米労働省から先月発表された雇用数の増加もプラスに働いたものと思われる。しかしゴールドマンは「こうした急上昇は一過性のものであり、原油安の根底にある問題は解決されていない」という見方をしている。

新興国専門の株式インデックス「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」も7%を上回る上昇を示しているが、「新興マーケットは一時的な恩恵を受けるだろうが、利上げの延期は米国と発展途上国の経済状況に対する中央銀行の不安を示唆している」と需要の下降傾向が続くことを主張している。


「減産が手遅れになれば、原油価格は20ドルまで下落しかねない」

サウジアラビアに代わってスイング・プロデューサー(生産量を調節して価格を安定させる役割)を務める立場にある米国は、ベンダーとの提携により格安で石油掘削ができることを理由に、現在も大量の原油を生産しつづけている。

そのためゴールドマンは9月の調査報告で「減産が手遅れになれば、原油価格は20ドルまで下落しかねない」との懸念を示していたが、「2015年度下半期の原油生産量が1日25万バレルに減少し、2016年を通して同生産量にとどまる」と予想している。(ZUU online 編集部)

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