(写真=PIXTA)

ネット通販大手Amazonの日本法人アマゾンジャパンの社員らが労働組合を結成したと発表した。労働組合がどんな組織か、なんとなくは理解しているであろう。しかし、普段接することがなかったり、そもそも会社に労働組合がなかったりするなど、「これまで労働組合とは縁がなかった」という人も多いだろう。労働組合は何をしているところなのか。


春闘などで賃上げを要求 労組は労働者の連帯組織

労働組合とは労働者の連帯組織であり、誠実な契約交渉の維持、賃上げ、雇用人数の増加、労働環境の向上などの共通目標達成を目的とする集団だ。組合員からの意見を集約し、賃上げなどの待遇改善を経営者に求めたり、子育てや介護などのための休みの充実など働きやすい職場づくりを経営者に求めたり、社内の設備や健康管理の取り組みの充実などを経営者と話し合ったりする。

春闘の際、労働者側に立って賃上げを要求する組織として聞いたことがあるだろう。

法律(労働組合法)の定義によれば、「労働組合」とは、「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体」である。


日本では企業別労働組合が中心

日本の労働組合は、当該企業やグループ企業の労働者だけで職種の区別なく構成する企業別労働組合が中心となっている点に特徴がある。しかも組合の数も1つであることが多い。この特徴は、産業や地域、職種などによって組織されることが多い欧米とは異なる。

日本の大手企業の多くでは、ユニオンシップ制が導入されている。ユニオンシップ制とは、経営者が労働者を雇い入れるに際しては、組合員であってもそうでなくても構わないが、労働者は入社後、組合規約で定めた期間内に組合員にならなければならないとする制度である。この制度の存在も、企業別労働組合が多く存在する原因となっている。