消費者物価
(写真=PIXTA)


コアCPI上昇率は3ヵ月連続のマイナス

総務省が11月27日に公表した消費者物価指数によると、15年10月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比▲0.1%(9月:同▲0.1%)と3ヵ月連続のマイナスとなり、下落率は前月と変わらなかった。事前の市場予想通り(QUICK集計:▲0.1%、当社予想は▲0.2%)の結果であった。

食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前年比0.7%(9月:同0.9%)と上昇幅が縮小、生鮮食品の上昇率が大きく高まった(9月:前年比3.6%→10月:同9.6%)ことから、総合は前年比0.3%(9月:同0.0%)と2ヵ月ぶりの上昇となった。

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コアCPIの内訳をみると、電気代(9月:前年比▲6.5%→10月:同▲5.7%)、ガソリン(9月:前年比▲19.5%→10月:同▲19.2%)は下落幅が縮小したが、ガス代(9月:前年比▲8.2%→10月:同▲8.4%)、灯油(9月:前年比▲25.1%→10月:同▲27.4%)の下落幅が拡大したため、エネルギー価格の下落率は前年比▲11.8%と9月の同▲12.1%からほぼ変わらなかった。

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原材料価格上昇の影響などから値上げが続いている食料(生鮮食品を除く)が前年比2.2%(9月:同1.9%)と上昇ペースがさらに加速した。

コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが▲1.16%(9月:▲1.18%)、食料(生鮮食品を除く)が0.49%(9月:0.41%)、その他が0.57%(9月:0.68%)であった。


物価上昇品目数の割合は引き続き6割を上回る

消費者物価指数の調査対象524品目(生鮮食品を除く)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、10月の上昇品目数は342品目(9月は351品目)、下落品目数は135品目(9月は124品目)となった。

上昇品目数は前月から若干減少したが、上昇品目数の割合は65.3%(9月は67.0%)と引き続き60%を上回っている。下落品目数の割合は25.8%(9月は23.7%)、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は39.5%(9月は43.3%)であった。

食料(生鮮食品を除く)は7割以上の品目が上昇し、特に値上がりが目立っているが、トイレットペーパー、ポリ袋などの日用品、宿泊料、テーマパーク入場料、月謝類などのサービスでも幅広い品目で値上げが行われている。

コアCPI上昇率は前年比でマイナスとなっているが、品目数でみれば上昇品目数が下落品目数を大きく上回っており、物価上昇の裾野は広がっている。

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