( フランク・グーン氏 撮影=ZUU online 編集部)

2015年12月14日、総合不動産デベロッパーとして事業展開しているリード・リアルエステートは、シャングリ・ラホテル東京にてマレーシアの不動産の魅力を紹介する「マレーシア ジョホーバル不動産開発販売セミナー」を開催した。

同セミナーでは、リード・リアルエステート社の業務パートナーであるBERINDA社CEOのフランク・グーン(FRANK S.K.GOON)氏や副代表が、新しい不動産投資や住宅不動産等を紹介した。なお、同社はシャングリ・ラ ホテルグループ等を展開するThe Kuok Group の中で、マレーシア ジョホールバルを拠点とするグループ傘下の開発事業会社だ。The Kuok Group は、これまでにマレーシアで6万個の家屋を建造しており、加えて、4つのショッピングモール、3つのオフィスビル、2つのゴルフコースも手掛けてきた。

また講演者には、マレーシアの生活に精通しており、BRINDA社のアドバイザーを務める藤村正憲氏が登壇した。以下では、講演者が当日に語ったマレーシア ジョホールバルの魅力や、今回のセミナーの様子を紹介していく。


2018年開通予定

「シンガポール - マレーシア間」の地下鉄が不動産価格を上昇へ

The Kuokグループが、ジョホールバルにおいて手掛けるプロジェクトが、2006年からスタートした「タマンモレク(Taman Molek)」「タマンポンデロッサ(Taman Ponderosa)」の2つ。どちらもマレーシア政府における優先開発地域「イスカンダル開発地域」にあり、ジョホールバルはシンガポールと地理的にすぐ隣に位置している。

ジョホールバルにおいて何よりも大きな特徴は、2018年に開通予定の地下鉄である。これにより、シンガポールとマレーシアがつながり、多くの人がシンガポールから訪れることが予想される。「現在、シンガポールの不動産価格はマレーシアに比べて約10倍。これは、ジョホールバルの不動産価値に大きな影響を与えるだろう」とのことだ。

マレーシアにおけるもう一つの優先事項が「教育」。マレーシア政府は、ジョホールバルに教育特区を設け、世界中から教育機関を誘致。インターナショナルスクールから日本人学校、イギリスの有名な中高一貫校「マルボロカレッジ」なども揃っている。


大成建設も携わる「タマンモレク」の魅力

"ジョホールバルのウォールストリート"と呼ばれる「タマンモレク」は、今、ジョホールバルで進められている中で一番重要なプロジェクトである。シンガポールに近く、また、ジョホールバルで最も賑やかなエリアの近くでもある。タマンモレクは非常に洗練されており、付近には18もの銀行があり、外資の銀行が多くの支店を開いているとのこと。

そして、同社が手掛ける物件「モレクパイン(Molek Pine)」は、MPと呼ばれ、1から5まであるとのこと。中でも、MP4は、The Kuokグループと大成建設という2つのブランドに支えられているプロジェクトだるとのことだ。MP3・MP4は、窓からはシンガポールの街並みや噴水がライトアップされるといった景観が楽しめることを紹介した。

1989年に開発がスタートしたタマンモレクの面積は200万8000平方メートル。すでに5000ものプロジェクトが完成している。タモンマレクは、日本人の方に向けた街づくりがなされており、2013年7月のMP3オープニングセレモニーには、200人ほどの日本人に出席いただき、フジテレビや日本テレビ、NHKの取材も訪れたとのことだ。


世界一住みたい国「マレーシア」の魅力とは?

藤村氏は、日本人のライフスタイルにあったマレーシアの魅力を語った。同氏は2010年より、Kuokグループと「リトルジャパン」のプロジェクトに関わっており、日本人の住みやすい「まちづくり」というものをコンセプトにしているとのことだ。

マレーシアは8年連続で日本人にとって一番住みたい国に選ばれており、日本人に人気のリタイアメント先となっている(ロングステート・アイランド調べ)。同氏は、いくつかの国を拠点にもって自分のライフステージに合わせたところで生活をしていく、「移住で実現、理想の生活」の魅力を語った。

シンガポールは、ビジネスの進出先として非常に注目を浴びており、シンガポールをいかに活用していくかというのがビジネス戦略上重要になってくる。しかし、現実的なところでコストの高さが問題とであると指摘し、そこで、車でシンガポールからすぐ渡っていけるというジョホールバルに注目しているとのことだ。

また、「物価が安い、英語が通じる、親日的であるなど、日本人にとって住みやすい環境がマレーシアにはある」とし、シンガポールの便利さを享受しながら、生活コストを抑えて暮らしていけると魅力を語った。

そして、「The Kuokグループが手掛けているモレクエリアは、90年代から開発を進めています。マレーシアはマレー系と中華系とインド系という人口構成になっており、中華系、華僑が一番経済力があるエリア。マレーシアも中華系が一番経済的に裕福であり、ジョホールバルというのはシンガポールのすぐ隣であるため、華僑が非常に元気な街です。さらに、ジョホールバルの中では圧倒的に富裕層が安心して住めるエリア」と語った。


The Kuokグループがジョホールバル開発に力を入れる理由

藤村氏は、「The Kuokグループは、ジョホールバルで圧倒的に信頼を得ています。その理由の一つが、創業者のロバート・コック氏がジョホールバル出身ということにあります。同氏は現在、香港に住んでいますが、マレーシア、ジョホールバルの街という街を非常に大切にしており、世界的な大富豪になって大財閥を築きました。同氏が、生まれ育ち、ビジネスを最初に始めたジョホールバルという街に恩返しをしたいというふう考えています。そのため、いかに住む人が快適に暮らせるか、物件に住む人が、いかに快適に暮らせるかということを追求しているのです」と、The Kuokグループがジョホールバル開発に力を入れる理由を語った。

ジョホールバルには、日本人がどんどん増えていく中で、日本人向けビジネスもどんどん立ち上がっているとのこと。モレクエリアの中で様々なお店を出すところもあり、日本人が日本の中小企業進出を後押ししやすい環境を作っているというメリットも語った。

実際に、マレーシアに拠点を持つというときには、ビザの問題もあるが、マレーシアのMM2Hというビザの仕組みがあり、これは月々の所得の証明というものを政府に出して、一定額の預金をすれば、10年間滞在できるというビザが出されるとのこと。これは非常にビザの取得に関してはハードルが低いとしたうえで、MM2Hを取ると、雇用されて働くことはできないが、学校に行ったり、会社のオーナーになることもできる。

マレーシアのメリットを最大限に生かしつつ、シンガポールのメリットもどんどん活かせる、そんなジョホールバルに拠点を置いてみることのメリットを語った。