経済協力開発機構(OECD)による加盟25カ国の実質最低賃金が発表された。実質最低賃金が最も高い3カ国はルクセンブルク(12ドル/約1414円)、フランス(11.5ドル/約1312円)、オーストラリア(10.8ドル/約1232円)という結果に。日本は7.3ドル(約832円)で12位、韓国は6・1ドル(約695円)で13位にランクインしている。

この実質最低賃金は2014年の消費者価格指標と購買力平価説に基づいて算出されたもので、物価や賃金の変動を考慮した実質的な労働報酬を測定している。

実質賃金そのものは各国の景気と連動しているといわれており、そうした観点から見ると最下位のメキシコの実質最低賃金わずか1ドル(約114円)というのは驚きではない。チリも同様、実質GDP成長率の見通しは伸びているが景気の低迷は続くとの見方が強い。

一方メキシコの12倍以上の実質最低賃金を誇るルクセンブルグなどの上位国は、賃金ランキングの常連ばかり。英語圏ではニュージーランドがカナダ、英米をやぶって3位に。

日本は先進国最低レベル 韓国はルクセンブルクの2分の1

2013年の調査結果では593円と韓国よりも低く、先進国内で最低レベルだった日本。今年の実質最低賃金は832円までアップし、最低賃金も国内生産量(GDP)にあわせて毎年3%の引き上げが実施されるようだが、現時点における実際の労働環境はあまり改善されていないようで、正社員とパート勤務の時給の差が約2倍というデータも報告されている。

厚生労働省の2015年の発表によると、地域別に最低賃金が定められている日本で最も賃金が高い3都市は東京(907円)、神奈川(905円)、大阪(858円)。

韓国の実質最低賃金は695円で首位ルクセンブルグの半分。2003年に最低賃金を7.2%引き上げているが、それでも5210ウォン(約484円)と先進国ではあり得ないレベルの低さだ。

欧州が上位に並んだランキング

25位 メキシコ 1ドル(約114円)
24位 チリ 3.4ドル(約388円)
23位 エストニア 3.6ドル(約411円)
22位 スロバキア 3.7ドル(約422円)
21位 チェコ共和国 3.8ドル(約433円)

20位 ハンガリー 4.4ドル(約502円)
19位 ポルトガル 4.8ドル(約548円)
18位 ギリシャ 5.2ドル(約593円)
17位 ポーランド 5.3ドル(約605円)
17位 トルコ 5.3ドル(約605円)
15位 スペイン 5.5ドル(約627円)
14位 イスラエル 5.8ドル(約662円)
13位 韓国 6.1ドル(約695円)
12位 日本 7.3ドル(約832円)
12位 米国 7.3ドル(約832円

10位 スロベニア 7.5ドル(約855円)
9位 カナダ 8.2ドル(約935円)
8位 英国 9ドル(約1027円)
7位 ニュージーランド 9.6ドル(約1095円)
6位 アイルランド 10.3ドル(約1175円)
5位 オランダ 10.4ドル(約1186円)
4位 ベルギー 10.7ドル(約1221円)
3位 オーストラリア 10.8ドル(約1232円)
2位 フランス 11.5ドル(約1312円)
1位 ルクセンブルク 12.4ドル(約1414円)
(ZUU online 編集部)