一括贈与,特例
(写真=Sodan)

結婚費用は、両親から贈与の特例を利用して300万円贈与してもらいました。結婚式も無事終わって資金がまだ余っているが、他に使い道ってあるのでしょうか。

結婚・子育て資金の一括贈与の特例とは?

結婚・子育て資金の一括贈与、正しくは「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」と言います。その名の通り結婚だけでなく、子育てにおける費用に関しても利用できる贈与の特例です。両親はもちろん、祖父母からの贈与にも利用できます。

結婚に関する費用単体では上限300万円となりますが、子育てに利用する分まで含めると1000万円までの贈与は非課税扱いとなります。

ここでポイントになるのが、贈与税の特例といっても現金を直接受け取るわけではないということです。

信託銀行などの金融機関に贈与用の専用口座を開設し、そこに現金を入れてもらいます。なお金融機関によって、最低預入金額が異なります。大手の信託銀行では1万円以下の小額でもOKのようです。

さて、実際に結婚資金などで利用する場合を考えてみましょう。

信託銀行などの金融機関で開設した口座からその分を払い出すイメージになりますが、実際にお金を払いだす手続きはどうなっているのでしょう。基本的には、領収書を金融機関に提出することでその分の金額の払いだしを受けることになります。

しかしこの場合、一度自身で立替えをする必要があります。カード払いを利用するなど工夫すれば、手持ちの現金が無くても問題ないかもしれませんが、できれば立替えは避けたいですよね。

手持ちの現金が無い場合、請求書(自身での立替が不要)で対応してくれる金融機関もあるようです。

結婚・子育て資金の一括贈与の特例は、1つの金融機関でしか口座を開設することができません。この制度を検討されている方は、必ずいくつかの金融機関のサービスを確認してみると良いでしょう。

余った資金、そのまま子育て資金に利用できる?

前述の通り、この特例は結婚費用だけでなく、子育て費用にも利用できます。残金がある場合、子育て費用に回す際に何か手続きはいるのでしょうか。

答えは「NO」です。特別な手続きなしで子育て資金に回すことが可能です。

では、実際にどんな使い道が、子育て費用として扱われるのでしょうか?大きく分けて、1)妊娠関連、2)出産関連、3)育児関連の3つに分けることができます。

1)出産関連
・人口受精などの不妊治療の費用
・妊婦健診の費用

2)出産関連
・分娩費用、入院費用、検査費用など
・出産後1年以内の産後ケアの費用(6泊分まで)

3)育児関連
・未就学児童の治療費(健診、予防接種含む)
・保育園や幼稚園の費用
・ベビーシッター費用

結婚・子育て資金の一括贈与の特例の注意点

幅広く利用できる子育て資金の一括贈与の特例ですが、いくつか注意点があります。

最大の注意点は、口座の資金を使い切る前に贈与者(ご両親や祖父母)が死亡してしまったケースです。なんと、贈与の非課税制度を利用したはずではありますが、贈与者の死亡時点で、使いきっていない残額が相続税の対象になってしまいます。

そのため、「贈与税は非課税扱いになったけれど、相続税として取られてしまった」ということも起こりえます。

次に各種手数料です。金融機関によっては払い出しタイミングで手数料を取るところもあるようです。せっかく非課税制度を利用しても、手数料が都度掛かってしまっては非課税メリットも薄れてしまいます。

特例の対象がさらに拡充?

不妊治療にかかる薬代、産前産後の母親の医療費や薬代、産後の健康診断の費用等も、子育て資金における一括贈与の特例対象として、政府が改正する方向でまとまっています。尚、こちらの開始時期はまだ未定です。

いかがでしたでしょうか。結婚・子育て資金の一括贈与は、その名の通り、結婚費用はもちろん育児にも利用できる制度です。

再三になりますが、検討されている方は、どの金融機関で口座開設することがベストか、複数の金融機関をチェックすることをお忘れなく。

なお、結婚・子育て資金の一括贈与の特例に関しては、以前もコラムを書いています。ご興味ある方はご覧ください。

関連コラム: 『贈与税』を学ぶ!(結婚・子育て資金における一括贈与の非課税)

執筆者:平原 直樹(ブロードマインド株式会社のベテランファイナンシャルプランナー)
第一種証券外務員を保有するお金のプロ!難しいお金の話を分かりやすく解説します。
(提供: Sodan )

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