為替相場見通し,ドル円水準
(写真=PIXTA)

ドル円予想レンジ 110.50-114.65

「Abe's talks with Nobel laureates signal delay to sales tax rise(安倍首相とノーベル受賞者の会談は増税延期の合図)-。これは3/22の英経済紙一面だ。安倍首相は「国際金融経済分析会合」に著名な有識者を招聘し来年4月予定の消費増税是非を求めている。

2年前に増税延期。で、円は…

消費税再増税を巡って政府・与党内で実施派と延期派の対立が報じられているなか、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は従前通り、消費税率引き上げに対して慎重にすべきとの考えを示した。

ここで注目すべきポイントは、同氏は以前よりデフレ脱却途上における我が国に対して昨年4月の消費税増税も強く批判していた2014/11/6にも、安倍首相に増税延期の必要を説いている点だ。それから12日後の11/18夜に安倍首相は緊急記者会見をした。

2015年10月から予定されていた消費税率10%への引き上げを17年4月に1年半先送りし、11/21に衆院を解散する考えを表明している。起因はポール・クルーグマン氏といっても過言ではない。

安倍首相に求められるドル円水準

増税見送りの決断に対して安倍首相の手持ちカードは「一票の格差是正」「金融緩和」「財政出動」、そして国民に信を問う「解散総選挙」。7月予定の参院選と併せて「ダブル選挙」というシナリオも成立するだろう。

ジョーカーは2014年12月の衆議院選挙において安倍首相は自ら"アベノミクス解散"と名付けていたこと。つまり今回、解散総選挙に及んだ場合は2017年4月の消費増税に耐えうる経済が実現するとしていた前回時の言責も問われる可能性から「株高・円安」は必須とも読み込める。

日本企業の3月決算に伴う海外収益の円転(リパトリエーション)がピークアウトを迎えたことで、3/28週は円買い圧力の後退に対して国内機関投資家の総動員強化で外貨買い円売り攻勢が高まる局面とも言えるのではないか。3/21週はFRB幹部らの発言で4月の米利上げ期待が数%ながら萌芽したのも追い風だったが、2009年以降、毎3月は全て月足陽線であることに留意している。(今月の始値112.345を終値が上回れば陽線)

3月期末「4日間」勝負

下値焦点は日足一目均衡基準線・転換線参考で112.50、前出の今月始値水準112.345。下抜けると3/23-24安値112.13-28が意識される。維持失敗となると3/22安値111.37が脅かされるだろう。上値焦点は3/15-16高値113.83、114.18超。日足一目均衡表雲下限114.65、2/16高値114.86到達を4/1米雇用統計結果も含めて期待視。

週間為替相場見通し3-28

武部力也
岡三オンライン証券 投資情報部長 兼 シニアストラテジスト