為替相場見通し,円売り材料
(写真=PIXTA)

ドル円予想レンジ 111.50-113.80

「Yellen reiterates need for rates caution(イエレン議長が利上げの慎重性を再表明)」-。これは3/30の英紙一面だ。

3月中旬以降、複数FRB幹部から俄かにインフレ見通しの見解が噴出。早ければ4月FOMCでの議題に再利上げ案浮上との推測となった。しかしイエレン議長は、インフレ加速が持続するかは定かではないとし、利上げを慎重に進めることが依然適切との認識を示し鎮静させている。

弱気な推測は失望のドル売りへ

イエレン認識は早期利上げの思惑を拡げた複数FRB幹部らの見解を全否定した格好となった。本来は雇用の改善が賃金性向や消費者物価の伸びを押し上げる筈だが、イエレン議長にしてみれば無理をして断続的な利上げに踏み切る状況ではないとの見方なのだろう。結果、米経済の脆弱性を露呈させ、ドル自律高期待の限界を感じる局面となった。

安倍首相の円売り(株高)方程式

3/29に新年度・平成28年度予算が成立。これを受け安倍首相は、日本経済の再生に向けて可能なものから予算を前倒し執行するよう、麻生財務相に指示する考えを示した。3/30には「(追加経済対策について)政府として検討する」とも表明している。

今後を推測するうえで注視したのは、3/23に政府が3月の月例経済報告で景気判断を5カ月ぶりに下方修正したことだ。個人消費と企業収益の弱さを認め、4/1発表の日銀短観はそれを裏付けてしまった。そこで思い浮かぶのが2014年10-12月の①「日銀ハロウイン緩和」②「消費増税延期」③「衆院解散」④「自民党圧勝」である。

2014年9月の月例報告では今般同様、5か月ぶりの下方修正をし、前号でも記したが、有識者からの増税延期提言が起点となった。今般も当時同様に安倍政権の勝利の方程式に円安(株高)の変数が組み込まれるのではないか。国内機関投資家による新年度外債・外株投資は、サクラ咲く頃の円売り材料として推測(ゲス・guess)している。

4/4週のドル円

上値焦点は113円超、3/16-29高値113.82-83。

日足一目均衡表雲下限114.55は114円突破を阻む抵抗体だが、一部ではバーゼルⅢ条項に伴う資本増強や期初に関わる需給がフォワード市場のドル金利上昇を引き起こし、直物相場にもドル買いが及ぶ可能性が指摘されている。一応の留意だ。

下値は112円台前半で維持に失敗すると111.80、3/22戻り安値111.52、安値111.37が焦点として意識されるだろう。

週間為替相場見通し4-4

武部力也
岡三オンライン証券 投資情報部長 兼 シニアストラテジスト