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米経済への影響や今後の見通し

米国製造業の動向-製造業の不振も、米国のリセッションに繋がる可能性は低い

米国製造業,動向
(写真=PIXTA)

要旨

・米国製造業は、一部自動車関連の生産が好調を維持しているものの、原油価格の下落に伴い、資源関連の生産や設備投資が落込むなど、全体でみれば生産や設備投資が減速している。

・米国製造業の企業収益の落ち込みが、米国内企業減益の大宗を占めているほか、米国の好調な労働市場の中で、建設業を除く製造業の回復が遅れており、製造業の不振が目立つ。

・米国の財輸出、鉱工業生産を世界市場と比較すると、相対的に伸びが鈍化しており、ドル高により輸出競争力が低下している可能性が高い。

・米国製造業の減速に伴い、米経済がリセッションに陥るとの懸念があるが、過去の景気サイクルと鉱工業生産指数の動きをみると、必ずしもリセッションを誘発するとまでは言えない。さらに、米国経済における製造業の重要性は低下しており、リセッション懸念は行き過ぎ。

・米製造業の見通しについては、本格回復が見通せない中、足元では原油安とドル高是正の動きがみられており、短期的には回復する可能性。しかしながら、将来的なドル高基調の持続が見込まれることから、米国製造業の回復は世界市場の回復に劣後しよう。

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はじめに

鉱業も含めた米国製造業の不振が顕著である。米国経済は労働市場の回復を背景に、消費主導の成長が持続しているが、15年10-12月期の民間設備投資(前期比)がマイナスに転じたほか、財輸出の落ち込みから外需が成長の足を引っ張る構図となっている。

これは、輸出関連をはじめ製造業が不振であることを示している。不振の要因としては、原油安に伴うエネルギー関連企業の生産・投資の落ち込みや、ドル高に伴う輸出競争力の低下などが挙げられる。

本稿では、米製造業の主要な指標について最近の動向を確認するほか、米経済への影響や今後の見通しについても整理している。

なお、結論から先に言うと、米国製造業の本格回復は見込めないものの、過去の米景気循環と鉱工業生産の関係や、米経済に占める製造業のシェア低下を考慮すれば、製造業の不振によって米国経済がリセッションに陥るのではとの懸念は行き過ぎであるということである。

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米製造業の現状
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