EU,英国,ジョージ・ソロス,テリーザ・メイ首相
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「イングランド銀行をつぶした男」の異名を持つ米著名投資家、ジョージ・ソロス氏は、今後英国を待ち受ける運命の新しい側面に目を向け始めたようだ。

離脱に強い反発を見せていたソロス氏だが、英EU離脱決定から2週間が経過した今、「Brexitはより強靭でよりよい欧州を築くための、きっかけになるかもしれない」と発言。

「EUは離脱を望む英国民を罰することなく、教訓とすべきだ」と、転んでもただでは起きない投資家ならではの不屈の精神を見せた。

欧州を再強化するチャンスを活かす

ソロス氏の最新の発言は、世界中の政治家や学者といった幅広い分野で活躍するパイオニアが、それぞれの意見や思想を発信する組織「プロジェクト・シンジケート」のWebサイトに、6月8日に掲載されたものだ。

国民投票以前には「EUの後ろ盾を失えば、英国は悲劇に見舞われる」などの警告を発し、残留を呼びかけていたソロス氏。

しかし数々のネガティブな発言から前進。Brexitを悔やみつつも、英国なき後のEUには大きな転機が訪れ、「欧州全土を再強化する絶好のチャンスとすることが可能」という見解を示している。

チャンスを最大限に活用するためには、「EU加盟国と単独通貨国の境界線を明確にすべき」だが、「非加盟国を蚊帳の外扱いしてはいけない」としており、「EU内部に秘められた巨大な可能性を引きだす必要がある」とコメント。

また英国を離脱に追いやる最大の原因となった移民問題についても、再協議の必要性を強く主張している。

Brexitに誘発されるように、オランダ、フランス、ドイツなどでも、離脱を問う国民投票を要請する声が高まっているが、そうした動きは英離脱決定以前から、すでにあちらこちらのEU加盟国で目立ち始めていた。EUの崩壊を食い止める効果的な手段を投じる必要があることは、誰の目から見ても明らかだった。

その起爆剤が、結果的に「Brexit」という形状で投じられたのだろう。