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(写真=PIXTA)

与党が大勝した参院選、米国をはじめとした海外メディアの報道は2つの視点に分かれている。

1つ目は、改憲勢力が3分の2超となったことで、改憲についての是非やアジアの地政学に及ぼすリスクについて。

もう1つは、アベノミクスが必ずしもうまくいっていない状況で、なぜ日本は安定与党への圧倒的支持が続いているのかという疑問についてだ。

新華社が「改憲が地域の安定に危険をもたらす」と警告

改憲について各国メディアは、改憲への環境が整ったこと、今後国民投票による憲法改正の可能性があることを大きく報じている。

特に中国やアジアのメディアは、安倍首相は日本を「戦争できる国」にしようとしている、といった論調で不快感をあらわにしており、米国もかねてから改憲についてネガティブな意見が多い。

ロイター通信によると、中国・新華社は改憲が地域の安定に危険をもたらすと警告する論説記事を掲載したということで、「軍国主義の記憶を色濃く残している中国との緊張が増すだろう」としている。

NYTは安倍首相を批判

たとえば米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は参院選よりさかのぼる5月26日、「日本のリーダーは広島の平和主義の教訓をほとんど活かしていない」(Japan's Leader Has Little Use for Hiroshima's Lessons of Pacifism)と報じた。約2年前の2014年5月8日の同紙社説では、国民投票を経ずして解釈によって平和主義憲法を曲解するのであれば、民主主義をないがしろにする行為であると断罪しており、日本の平和主義と憲法改正の矛盾について指摘している。

米国大統領選では、共和党のトランプ候補が「米国には巨額の資金を日本の防衛に費やす余裕はない。日韓の核兵器の保有はあり得る」と、アジアの安全保障は各国で責任を取るべきとの自論を展開している。メディアはこれをまともにとらえてはいないものの、仮にトランプ氏が大統領になれば、憲法改正が日本の安全保障体制、ひいてはアジアの地政学的バランス、見方を大きく変える可能性をはらんでいる。