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(写真=PIXTA)

2016年6月20日、全13回にわたる有識者による議論を経て、厚生労働省から「民泊サービス」の制度設計のあり方について最終報告が公表されました。

今回の検討会における最終答申では、既存の旅館業法とは別の法的枠組みを用意することと並行して、実情に合わせて旅館業法を改正する必要があると指摘しています。

検討会のこれまでの流れ

2015年11月に開催された第1回検討会では、民泊の実態を把握したうえで旅館・ホテルとの競合を含めて検討し、2016年中に結論を得るとしています。

第2回からは、Airbnbを含めた旅館・ホテル業界、旅行業界、マンション管理組合などの関係者からヒアリングし、幅広い視点で「安全性の確保」「トラブル防止」「旅館・ホテル業との公正な競争」「空き家の有効活用や地域活性化」について議論が重ねられました。

第4回検討会で、民泊を「簡易宿所」という位置付けにして、許可制とすることで概ね一致しました。第5回では「簡易宿所」の床面積や帳場の設置義務など、規制を一部緩和する方針でまとまっています。

民泊サービスにおける骨子

民泊の法的位置付けは「簡易宿所」で、「一定の要件」を満たした範囲内で住宅を有償かつ反復継続して宿泊所として提供するものとあります。そして「一定の要件」を超えたものは新制度の対象外で、旅館業法の営業許可が必要となっています。

新制度が法制化されれば、「一定の要件」を満たさない、もしくは超えた民泊は今のようなグレーではなく、明確な黒(違法)になります。この「一定の要件」を満たさないまま営業している民泊は、違法民泊として摘発の対象になる可能性があります。

緩和された規制(2016年4月1日施行)

現行の簡易宿所営業では客室の床面積は33平方メートル以上ですが、10人未満の宿泊であれば1人当たり3.3平方メートル以上に緩和されました。これによって、5人の宿泊人数なら3.3平方メートル×5で、16.5平方メートル以上あれば営業可能になります。

宿泊客を10人未満とする場合、本人確認や緊急時の対応など一定の管理体制が整っていることを条件に、玄関帳場の設置義務が緩和されました。

これらの緩和は既存の旅館業法における暫定的な処置で、検討会の答申では「住宅」を活用した宿泊サービスの特性を考慮した新たな法制度の整備を促しています。

施設管理者の規制

新制度では、住宅提供者は行政に民泊の届け出をすることになっており、施設管理者には以下の義務が課せられます。

・ 利用者名簿の作成・備え付け(本人確認・外国人の場合は旅券の写し)
・ 最低限の衛生管理
・ 宿泊者1人当たりの面積(3.3平方メートル)の遵守
・ 注意事項の説明・住宅内の標語表示
・ 近隣住民などのクレーム対応
・ 保健衛生・警察・税務などに対する情報提供

民泊の形態を「家主居住型」と「家主不在型」に区別し、それぞれに管理者規制が設けられます。

「家主居住型」は住宅提供者を管理者として登録し、「家主不在型」は登録された第三者に住宅提供者が管理を委託することが必要だとしています。不在型でも住宅提供者を管理者として登録することは可能ですが、民泊投資の場合は管理委託者が必要になるでしょう。