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2014年5月15日のMSN産経ニュースによると、投資信託協会が発表した2014年4月の概況では、株式投信の販売額から解約・償還額を差し引くと、7,706億円の流入超でした。資金の流入超は4カ月連続で、NISAの影響と考えられます。今回は、投資信託のなかでも世界に分散投資できる、グローバル投資型に着目します。


グローバル投資のメリット

グローバル投資のメリットは、世界経済の成長力を取り込みながら、経済情勢や為替の影響を分散できることです。国内投信でよく投資されている国・地域について、IMFが公表している現地通貨ベースのGDP成長率(%)を見てみましょう。GDP成長率が高い国は、毎年異なることが分かります。

国名

2009年

2010年

2011年

2012年

オーストラリア

1.6

2.1

2.4

3.4

ベルギー

-2.8

2.3

1.8

-0.1

ブラジル

-0.3

7.5

2.7

0.9

カナダ

-2.8

3.2

2.5

1.7

中国

9.2

10.4

9.3

7.8

フランス

-3.1

1.7

2.0

0.0

ドイツ

-5.1

4.0

3.3

0.7

香港

-2.5

6.8

4.9

1.5

インド

8.5

10.3

6.6

4.7

インドネシア

4.6

6.2

6.5

6.2

韓国

0.3

6.3

3.7

2.0

イタリア

-5.5

1.7

0.5

-2.5

日本

-5.5

4.7

-0.6

2.0

マレーシア

-1.5

7.4

5.1

5.6

メキシコ

-4.7

5.1

4.0

3.8

オランダ

-3.7

1.5

0.9

-1.2

ニュージーランド

1.5

0.2

2.2

3.2

ポーランド

1.6

4.1

4.5

1.8

ロシア

-7.8

4.5

4.3

3.4

シンガポール

-0.8

14.8

5.2

1.3

南アフリカ

-1.5

3.1

3.5

2.5

スペイン

-3.8

-0.2

0.1

-1.6

スウェーデン

-5.0

6.6

2.9

0.9

スイス

-1.9

3.0

1.8

1.0

タイ

-2.3

7.8

0.1

6.5

トルコ

-4.8

9.2

8.8

2.2

イギリス

-5.2

1.7

1.1

0.3

アメリカ

-2.8

2.5

1.8

2.8

ベトナム

5.4

6.4

6.2

5.2


マイストーリー分配型(年6回)Bコース

それではグローバルに投資する投信は、どのようなポートフォリオなのでしょうか。2つのファンドを例に見ていきましょう。まず1つめは、野村アセットマネジメントの「マイストーリー分配型(年6回)Bコース」です。

2014年3月31日における資産別ポートフォリオを見ると、米国債券9.1%、欧州債券19.8%、豪州債券7.6%、ハイイールド債16.6%、エマージングマーケット債17.3%、その他債券1.2%、国内株式15.3%、外国株式8.1%、現金その他5.0%です。

高格付債権と高利回り債券が約37%とほぼ同じバランスで、平均格付はBBB、平均最終利回り3.8%となっています。また、通貨配分は、日本円16.5%、米ドル42.3%、ユーロ21.8%、英ポンド4.7%、豪ドル7.3%、その他先進国通貨1.9%、新興国通貨5.4%です。

そして、ファンドの直近1年の資産別騰落率は、米国債券-0.2%、欧州債券2.8%、豪州債券2.8%、ハイイールド債6.7%、エマージングマーケット債-2.1%、国内株式0%、外国株式14.9%で、為替の騰落率は米ドル3.0%、ユーロ9.4%、豪ドル-7.3%でした。

しかし、ファンドの基準価格(分配金再投資)の騰落率は6.1%となり、上記資産別騰落率は平均化されてプラスの成績になっています。もちろん投資地域、資産の種類、通貨を分散すれば必ずプラスの騰落率になるわけではありませんが、その可能性は高まります。


グローバル3資産ファンド(愛称:ワンプレートランチ)

別の事例を見ていきましょう。三井住友アセットマネジメントの「グローバル3資産ファンド(愛称:ワンプレートランチ)」は、債券、株式、リートへの投資割合を1:1:1とし、好利回りに着目して運用する方針です。
2014年4月の基準価格の変動要因を、債券、株式、リート、通貨別に見ると、国・地域にばらつきがあることが分かります。

上位3ヶ国・地域

下位3ヶ国・地域

債券

イギリス、ユーロ、ブラジル

フィリピン、南アフリカ、インドネシア

株式

アメリカ、イギリス、ブラジル

コロンビア、日本、スイス

リート

アメリカ、オーストラリア、シンガポール

香港、日本、カナダ

通貨

韓国ウォン、イギリスポンド、トルコリラ

USドル、NZドル、インドネシアルピア

このうち株式について見ると、ファンドの株式運用は、グローバル好利回り株式マザーファンドと新興国高配当株式マザーファンドに、およそ2:1の比率で投資しています。
グローバル好利回り株式マザーファンドの組み入れ資産は、国内株式4.0%、アメリカ31.3%、カナダ5.4%、ドイツ5.6%、フランス5.4%、ルクセンブルグ13.3%、イギリス19.2%、スイス3.8%、ノルウェー3.2%、オーストラリア7.0%、シンガポール4.2%などです。

新興国高配当株式マザーファンドは、アメリカ19.9%、チェコ2.1%、ポーランド6.9%、香港8.8%、マレーシア3.6%、タイ3.3%、フィリピン2.0%、インドネシア5.0%、韓国5.2%、台湾12.2%、南アフリカ8.8%です。
結果として、株式を要因とする直近6ヶ月の基準価格の変動は、配当等収益12円、売買益等48円となりました。


セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

3つめはセゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」で、30ヶ国以上の株式と10ヶ国以上の債券に分散投資しています。この投資信託は、S&P500インデックス、MSCIヨーロッパ・インデックス、MSCIジャパン・インデックス、MSCIパシフィック・エックスジャパン・インデックス、MSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動する5種類のストックインデックスファンドと、米国債と米国政府機関債、ユーロ圏各国の発行する国債と政府機関債、日本国政府および政府機関が発行する投資適格債券のインデックスに連動する3種類のボンドインデックスファンドに投資しています。これらのインデックスのなかには、直近1年の騰落率がマイナスのものもあります。しかし、8つのインデックスファンドに投資することで、1年の騰落率は12.89%とプラスになっています。

投資地域を分散すると、景気、金利、為替などの恩恵とリスクを平均化しつつ、世界経済の成長力を取り込むことができます。グローバル投資ではポートフォリオが重要ですが、投資信託のポートフォリオは報告書に分かりやすく表記されています。NISAで投資する候補として、世界に分散投資するファンドを検討してみてください。

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by sayako :2級ファイナンシャル・プラニング技能士のライターです。

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