コンタクトレス,英国,宇宙,ネーションワイド
(写真=Thinkstock/Getty Images)

英大手協同金融機関、ネーションワイド・ビルディング・ソサイエティが観測気球からコンタクトレス決済にチャレンジ。地上30㎞、氷点下30度の過酷な環境で、見事決済に成功した。

この実験は米決済テクノロジー会社、ファースト・データと共同開発中の決済端末「クローバー・モバイル」向けプロジェクトの一環として行われ、数々の失敗を重ねた後、10月12日にコンタクトレス決済の高度記録を更新することとなった。

宇宙ネットショッピングの時代が到来?

高さ30㎞の成層圏に到達した時点でロボットアームによる決済が行われるようプログラミングされた装置を、観測気球で空に飛ばすという実験を重ねてきたネーションワイド。そのような過酷な環境における実際の決済需要はさておき、決済部門の責任者、ポール・ホーロック氏は「コンタクト決済技術を発展させるうえで、重要な挑戦に成功した」と満足気だ。

ネーションワイドは銀行業務も行う住宅金融組合という特殊な位置づけにあるためか、近年精力的にデジタル化に取り組んできたバークレイズ銀行やロイズ銀行といったライバル英大手に比べると、「どことなく時代遅れ」のイメージを払拭できずにくすぶっていた。
しかし今回のプロジェクトを筆頭に、「テクノロジーがいかに消費者の日常生活に貢献するか」という点に焦点を当て、様々な開発に挑んでいる。「クローバー・モバイル」などの新商品完成を機に、一気にFinTech市場の前線に躍りでるかも知れない。

ネーションワイドの最新データによると、英国ではコンタクトレスカードの発行数が1億枚を突破。取引総額は18億ポンド(約2285億7300万円/前年比230%増)。4回に1回のカード決済がコンタクトレスだ。

「デバイスにかざすだけ」というコンタクトレス決済の手軽さは、瞬く間に消費者を魅了した。筆者自身、つい最近までは暗証番号の入力が当たり前だったにも関わらず、今では入力決済しか受けつけていない小売店などで決済する際、4桁の番号入力すら面倒に感じてしまう。

そう考えると「テクノロジーが人間を怠け者に変えてしまうのではないか」という不安が脳裏を横切るが、そのテクノロジーの発展に努力を注いでいるのも人間である。本来の目的である「生活の向上」が、いつの間にか「怠け脳の探索」にすり替わらない程度に、革命を追い求めて欲しいものだ。( FinTech online編集部

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