相続,不動産,路線価,相続税,土地
(写真=PIXTA)

現在不動産を所持している方や、これから不動産や土地の購入を検討している方は相続について確認しておく必要がある。今回は、相続税路線価による相続税評価額の算出方法や、税制改正による影響などについてまとめた。基礎控除内で収まっているから関係がないと考えていた方も、税制改正によって課税対象となっている可能性が高いためぜひ注意していただきたい。


土地の種類と評価方法

土地の価格にはいくつか種類がある。実勢価格、公示価格/基準地価、相続税評価額、固定資産税評価額、そして鑑定評価額の5つだ。以下、それぞれの価格について簡単に説明する。

1.実勢価格

実際の取引が成立する価格。不動産における時価のことである。取引状況や、公示価格や評価額といったその他価格から推定される。

2.公示地価/基準地価

国交省が、全国に定めた標準地を対象に価格を公示したもの。毎年更新され、実勢価格などへの拘束力は持たないものの、明確な指標の1つとして機能している。

3.相続税評価額

相続税や贈与税の計算を行うため、財産評価基本通達によって評価された価格のこと。あくまでも基本通達に則った評価額であり、実勢価格などとは一致しない。具体的な評価方法については後述する。

4.固定資産税評価額

固定資産税を割り当てるための基準となる評価額。路線価を含んでいない不動産の場合、これがそのまま相続税の計算に用いられる。路線価については相続税評価額の解説と合わせて後述する。

5.鑑定評価額

不動産鑑定士によって定められる価格。実勢価格が流動性の高い評価であるのに対し、こちらは売り手にも買い手にも寄らない正常価格として有用なケースが多い。ただし算定には費用がかかる。

今回は不動産の相続について解説するため、上記の3.相続税評価額について、続けて紹介する。

相続税評価に用いられる相続税路線価とは

相続税路線価(そうぞくぜいろせんか)とは、相続税や贈与税を算定する際の基準となる路線価のことである。路線価とは、路線(不特定多数が通行する道路)に面する土地の、1平方メートル当たりの評価額のこと。この路線価は毎年7月1日に国税局より公表され、誰でも税務署で確認することができる。

路線価の評価には、実勢価格(売買実例価額)、公示価格、鑑定評価額などが関わっており、さらに精通者意見価格などを基にして税務署が定めている。一般に公示価格の8割程度に落ち着くとされ、これを利用することで路線価の発表を待たずにおおよその相続税を計算することが可能。あくまで参考程度ではあるものの、相続時期によっては路線価の発表を待てないケースがあり、こういった方法が存在する。

路線価を活用した相続税評価額の算出方法

路線価がすでに発表されている場合、以下に示す式によって評価額が算定される。

路線価(千円/平方メートル)×面積×補正率=評価額

式自体は単純なものの、最後に乗じている補正率によって相続税評価額の算出はやや複雑になっている。この補正率は基本的に、評価額を上げるものでなく、下げるものである。例えば1面のみ路線価に接している土地の場合、利用効率が悪いため評価はその分低くなり、奥行価格補正率という補正がかけられる。

また土地の形が正方形や長方形といった整形地ではなく、三角地やL字型などの不整形地である場合、不整形地補正率によって補正がかけられる。この不整形地補正率は、国税庁のホームページにある「不整形率補正率表」によって確認が可能だが、表を利用するためには地区区分、地積区分、かげ地割合などを求めなければいけない。

専門知識が無い状態でこれらを算出することは決して不可能ではないが、時間に余裕のない場合などは税理士を頼った方が得策だろう。

税制改正による相続税への影響

2015年(平成27年)1月1日より、改正相続税法が施行された。改正内容としては、相続税の最高税率が50%から55%に引き上げられたほか、基礎控除額が大きく引き下げられた。具体的には、以前は「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」だったものが、「3,000万円+600万円×法定相続人数」に変更。単純に比較しても2,000万円の減額であり、法定相続人の数によってはその差は致命的だ。

不動産を所持する上での注意点

基礎控除額を超える財産を所持している場合には、当然相続税を納める必要がある。現在不動産を所持している方は、その財産の評価額が一体どれほどなのか、正しく認識しておくべきだろう。相続税課税対象内か、対象外か、その差は大きい。

またこれから不動産を購入しようと検討している方は、今後更に税制が強化される可能性についても視野に入れておいていただきたい。

詳しくは専門家へ

本記事では土地、不動産の相続に関わる評価額などについて解説したが、文中でも紹介した通り初心者が手を出すにはいささか複雑だ。正確な評価額を知りたいならば素直に専門家の助けを借り、その上で生前贈与や暦年贈与などといった相続税対策を行うとスムーズではないだろうか。

【あわせて読みたい 「相続税」記事】
今すぐできる有効な「相続税対策」とは? | ZUU online
相続税の基礎控除って何?思わぬ落とし穴も | ZUU online
「相続税ゼロ ≠ 申告しなくて良い」 相続税の怖い点 | ZUU online
土地の贈与税はいくら?控除制度など | ZUU online
税制改正の相続税への影響とは?おさえておきたい要点まとめ | ZUU online