(写真=Thinkstock/Getty Images)
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不動産投資家として著名な”火の玉ガール“こと日野環さんとアルファ・インベストメント社長、上山眞文氏の対談で、日野さんが「それは不動産投資家としてはお金を出してでも聞きたいですね」と身を乗り出したのが、上山氏のある発言だ。

それは「40行ぐらいの金融機関をリストにしてあって、日夜コミュニケーションをとっています。それぞれの手法や情報を得て分析しています」というものだった――。

なぜアルファ・インベストメントは、上山社長は金融機関との間に太いパイプを持てているのだろうか?

条件がよくなくても投資を成功に導く考え方

不動産投資で成功するにはいくつもの課題がある。「いい物件をどう見つけるか」「空室をいかに出さないか」といったことのほかに、「いい条件で融資を引き出すか」ということもある。誰もがいいと認める物件はすぐに売れてしまう。投資家自身にも心配事も問題もまったくない、ということはなかなかない。何の課題も問題もなく投資できることはそうそうないだろう。

しかし上山氏は「条件がよくなくても、考え方次第で投資は成功させられる。たとえば条件の良くない物件でも購入価格を抑えるなど、融資でいい条件を引き出せればいいんです」とこともなげに言い切る。

そんな上山社長に、「なぜ金融機関との間に強固なパイプが築けているのか」を率直にたずねると、「金融機関に足を運んでいるだけですよ」と当然のことのような回答がかえってきた。

聞けば上山社長が自ら銀行や信金に出向き、融資のスタンスについてしっかりと聞いて情報を集めているという。わずか半年程度でおよそ40の金融機関を訪問し、定期的に情報交換をしているという。

とはいえ、相手は地銀の役員や事業本部長クラスというから、彼らも忙しいはず。そもそもアポイントをとることすら容易ではないはずだ。そこは紹介やイベントなどをきっかけにアポイントを地道に獲得したという。

だが「融資のスタンスを聞かせてください」といわれて「はい分かりました」と簡単に話が進むわけではないはずだ。金融機関にとっては融資判断の基準は重要な情報だ。アルファ・インベストメントのように、そうした情報が欲しい会社、金融機関の役員に会いたいと考えている不動産投資会社はたくさんある。いくら知人の紹介でも「なぜわざわざ時間をとってまで面談して情報を伝えなければいけなんだ」ということになる。

ただ情報を引き出すだけではない

この点について秘訣をたずねると、上山社長は「ほかの金融機関さんのスタンスや方針、最新の動向を、ご迷惑にならない範囲でお伝えしているからではないでしょうか」と分析する。

たとえば「◎◎銀行さんはどのエリアに注力しているそうです」「ある信金さんはいまこういう条件だと、このくらいの金利を提案しているそうですよ」といったようなことだという。

これは金融機関にとってもうれしい情報だ。お互い同業でライバル同士でもあり、手の内を明かすような情報交換はしづらいもの。上山社長のような第三者からであれば、なかなか聞けない情報を入手することができるのだ。もちろん、それぞれの銀行や信金には迷惑がかからない形での情報提供にとどめていることはいうまでもない。

「面談中、しゃべりっぱなし(笑)」という上山氏が話すのは、ほかの金融機関の情報だけではない。たとえば金融機関にとって新しい事業、ビジネスにつながりそうなアイデアや手法も提案している。たとえば永住権のない外国人の顧客にどう投資してもらうか。資産管理会社をどうつかうか。地方在住の地銀の顧客に、都心の不動産をつかって節税してもらうスキーム……。

要は「ギブアンドテーク」、「Win-Win」の関係を築けているからこそ、アルファ・インベストメントは、いや上山社長は、わずかな期間で多くの金融機関からの信頼を勝ち得たといえる。

こうして築けたパイプ、ネットワークがあるからこそ、アルファ・インベストメントには投資家にとって有利なあらゆる情報が集まるし、投資家が個人では引き出し得ない融資条件を金融機関から引き出すことができるのだ。まさに上山社長が足とトークで築いたパイプといえるだろう。