相続対策,保険,加入
(写真=Thinkstock/Getty Images)

相続は突然やってくる。その時になって「もっと早く準備しておけばよかった」と後悔しないよう早めに準備しておくことが大事だ。特に相続では大きなお金が動くので親族間でもめないよう事前の準備は欠かせない。そこで、今回は、相続であわてないための保険の準備の仕方について解説する。

相続税の申告納税期限

相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行わなければならない。そして、申告期限と納税期限は一緒なので、この期限までに原則として被相続人の住所地を所轄する税務署に申告・納税しなければならない。もし、実際に取得した財産の額より少ない額で申告をしたり、申告期限までに申告をしなかった場合には、本来の税金のほかに加算税や延滞税が発生するので注意が必要だ。

また、税金は一括で現金で支払うのが原則なので、相続財産が不動産などの場合、別途現金を準備してくことが必要になる。ちなみに、相続税の場合、申告書の提出期限までに延納や物納の許可を受けると延納や物納も可能となるが、物納の場合、相続した財産を失ってしまうので、財産を維持したい場合には現金を準備しておく必要がある。

なお、相続自体を放棄したい、あるいは、負債があるため資産がある範囲でのみ相続を引き受けたいという場合には、相続の開始があったことを知った日から3か月以内に被相続人の住所地の家庭裁判所に「相続の放棄」 または「限定承認」 の申述をする必要がある。

相続税と保険

(1)納税資金の確保

相続税は現金で納付するのが原則なので、納税資金として保険を活用するということがある。前述したとおり、物納の場合、資産を失うことになるので、先祖伝来の土地を失いたくない場合には現金が必要になる。その点、保険金は現金で支払われるため、これを納税資金として活用すれば、財産をそのまま引き継ぐことができるのだ。

(2)節税対策

次に、節税手段として保険を活用するということがある。保険金は所得税法上「みなし相続財産」とされ、「法定相続人数×500万円」までは非課税となる。法定相続人とは、民法上定められている相続人のことである。なお、相続放棄をした人がいる場合、その人については相続がなかったことになるが、相続税の計算においては相続放棄をした人も含めて計算される。

たとえば、法定相続人の数が3人の場合、1500万円までは非課税となる。預金が1500万円ある場合、1500万円全額が相続税の対象になるのに対し、保険金に形を変えるだけで1500万円も節税できるのだ。ただ、みなし相続財産の非課税制度を利用する場合、保険契約者と被保険者が被相続人で、保険金受取人を相続人にしておかなければならないので注意して欲しい。

(3)遺産分割

また、遺産分割での保険金の活用もある。相続においては、遺言がある場合には遺言に従い、そうでない場合には遺産分割協議によって財産を分配することになる。しかし、相続財産の中には不動産のように簡単には分割できないものも多い。そのような場合、誰がどの財産を引き継ぐかでもめることがある。そのような時に保険金があれば相続争いにならなくて済む。

具体的には、不動産などを相続させたい人に保険金が支給されるようにしておき、代償分割(不動産を取得する代わりに他の人にお金を渡す方法)に利用したり、特定の財産を遺言で分配しておき、相互の調整として保険金を活用することが考えられる。

どのような保険に加入すべきか?

死亡した場合に確実に保険金が支払われることが重要なので、加入するなら「終身保険」がお勧めである。終身保険とは、加入時から死亡するまで保障が続くタイプの保険である。逆に、一定期間が経過すると保障が切れる「定期保険」や「養老保険」は不向きの保険といえる。

また、支払方法については、現預金がたくさんあるのであれば「一時払い」という選択もできる。一時払いとは、保険加入時に保険料を全て一括で支払ってしまうというものだ。一気に財産を移転することができるので、相続対策をすみやかに行うことができるのがメリットだ。

保険金受取人については、相続人を指定しておけば「みなし相続財産」の非課税制度を利用することができるが、配偶者の場合1億6000万円か配偶者の法定相続分相当額までは相続税は非課税なので、配偶者以外の相続人に指定しておいた方がよい。

それから、相続税の節税方法としては「生前贈与」がよく利用されるが、生前贈与を利用して保険に加入するという手もある。贈与税は、年間110万円以下は非課税なので、現金を相続人に生前贈与し相続財産を減らすということだ。この時、契約者と保険金受取人を相続人にして、被保険者を被相続人とする生命保険にしておけば、相続時までお金を引き出すことができないので財産を確保することができる。

ただ、毎年一定額を贈与すると「定期贈与」と認定されて課税されるおそれがあるので、贈与契約書を作成し、贈与時期や金額を変えるなど定期贈与と認定されないための対策が必要である。

このように、相続税対策は事前の準備がとても大切なので、相続であわてないためにも保険をうまく活用して欲しい。(ZUU online 編集部)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)