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知って得する税の知識

不動産の生前贈与が相続税対策に有利ってホント?

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(写真=PIXTA)

平成25年度税制改正により、相続税が増税された一方で贈与税は減税となった。その結果、節税手段として生前贈与に注目が集まることとなったわけだが、生前贈与することができる資産は現金ばかりではない。今回は、相続税対策として有効な不動産の生前贈与について解説する。また併せて住宅取得資金の贈与についても触れるので、贈与する不動産を所持していないという方もぜひ参考にしていただきたい。

不動産を生前贈与するメリットとデメリット

そもそも生前贈与に節税としての効果があるのは、税制改正に伴いそれを想定したさまざまな控除や特例が設けられたためである。その中でも不動産のような価額の大きな財産の贈与に関して活躍するのが相続時精算課税制度だ。

相続時精算課税制度を利用するメリットは、暦年課税制度(通常の贈与)に比べはるかに大きな2500万円という特別控除を受けられることにある。暦年課税制度では年間の基礎控除額が110万円であることを考えれば、その差は比べるべくもない。

しかし、不動産の生前贈与には大きく2つのデメリットがある。まず1点は、相続によって取得する場合に比べ、登記費用などのコストが生じてしまうということ。具体的には、登録免許税が不動産評価額の2%、不動産取得税が不動産評価額の3%程度発生する。もう1点は、相続時精算課税制度を一度選択すると、以後同一の受贈者(贈与を受ける者)との間に発生した贈与はすべて相続時精算課税制度における贈与と見なされ、暦年課税制度による年間110万円の基礎控除が認められなくなってしまうのだ。

不動産の生前贈与を上手く行うコツ

不動産のように大きな財産を生前贈与する際には、前述した暦年課税制度と相続時精算課税制度とを上手く使い分ける必要がある。仮に3000万円という評価額の不動産を贈与するとき、これを一括で贈与してしまうと、3000万円-2500万円=500万円に対して贈与税が課されることとなる。相続時精算課税制度では限度を超えた金額については一律20%の税率が課されるので、この場合であれば500万円×20%=100万円の贈与税が発生する。

こうしたケースにおいては、一括で贈与するのでなく事前に暦年課税制度によって超過分の権利(持分)を贈与しておくという方法もある。年間110万円の基礎控除額を活用し、5年間かけて500万円ないし550万円を贈与すれば、残った価額については相続時精算課税制度の控除内で収めることができる。ただしこの方法を取った場合、今度は毎年の登記費用や相応の手間がかかることを忘れてはいけない。

夫婦間における住宅の生前贈与

ところで、生前贈与と言うとどうしても親や祖父母から子や孫へ行われるものと認識しがちだが、生前贈与に関する特例の中には夫婦間において認められている配偶者控除が存在する。「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」と言って、一定の要件を満たした夫婦間において不動産の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除することができるというものだ。

またこの際、贈与する者は住宅(居住用の不動産)そのものに限らず、住宅を取得するための資金の贈与であっても特例は認められることとなっている。こうした住宅購入資金の援助について特例が設けられているのは、夫婦間だけではない。

住宅購入資金の生前贈与

「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」と言い、両親や祖父母などの直系尊属から、受贈者自身が住まう住宅取得あるいは増改築等の費用に充てるための資金を贈与された場合に、限度額までの贈与税を非課税とする特例がある。具体的な金額は、住宅を取得した契約の締結日や、住宅が省エネ等の基準を満たしているか否かなどで変動する。

これら制度を利用するときにひとつ気をつけなければいけないのは、住宅購入資金に限らず、制度の要件においてその用途が限定されている控除の適用を受ける場合には、確かにその資金が目的のために用いられたものであることを証明する必要があるということだ。

例えば当該制度であれば申請に際し、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅に居住していることなどといった要件を始め、契約等を証明する各種書類を提出しなければいけない。

生前贈与における注意点

生前贈与においては、確かに贈与があったという客観的な証を用意することが非常に重要だ。先に挙げた、暦年課税制度と相続時精算課税制度を併用した生前贈与ならば当然、権利の贈与とは口約束で行われるものでなく都度登記することによって行われることになるし、資金援助であれば入金した証を預金通帳などによって管理することが最低限求められる。

加えて、そうした証明によって晴れて特例や控除の適用を受けることができたとしても、事前の費用計算がおろそかであれば、そもそも節税になっていない可能性も出てくる存在する。これらの制度を自身で理解することがどうしても難しいという場合には、素直に専門家へ相談するのも賢明な判断のひとつだ。

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