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(写真=Roman Samborskyi/Shutterstock.com)

投資をする際に参考にしたい指標の1つに、「EPS(1株当たり純利益)」がある。EPSはどのように計算するのか、どのようなときに数値が変化し、株式投資にどのように活用できるのかについて説明する。


EPS(1株当たり純利益)とは

EPS(イーピーエス、Earnings Per Share)とは、日本語では「1株当たりの純利益」と訳される。EPSは、1株当たりの最終的な当期純利益がどの程度なのかを示すもので、企業の収益力を判断する際に活用される。EPSの数値が高いほどその企業の収益力が高いと見ることができ、EPSの数値が低いときは企業の収益力も低いと判断することが多い。

また、EPSは、M&Aにおける株式交換比率を決定する際にも用いる。そのほかにも、企業経営目標や基本方針にEPSの数値を組み込むこともある。

EPSの計算方法

EPSは、当期純利益を発行済み株式数で割って求める。この場合の当期純利益とは、すべての収益から法人税などのコストを支払ったあとの純粋な企業の営業活動による利益を指している。損益計算書では、税引き前当期純利益から法人税等調整額を差し引いた数値を記入する。

例えば、税引き前の当期純利益が3億円、法人税などのコスト合計額が1億2000万円、発行済みの株式数が300万株である企業の場合、

EPS=当期純利益÷発行済み株式数

=(3億円-1億2000万円)÷300万株

=1億8000万円÷300万株

=60円

EPS、つまり1株当たりの純利益は60円と計算することができる。

EPSが増加(減少)するのはこんなとき

では、EPSが増加もしくは減少するのはどのようなときだろうか。

自社株買い、株式併合による発行済み株式数の減少

自社株買いや株式併合によって発行済み株式数が減少すると、EPSは大きくなる。反対に、株式分割や新規上場、転換社債の発行、ストックオプションの支給などによって発行済み株式数が増えると、EPSは小さくなる。

純利益の増加

企業の経営状態が上向きになったり、もともと上向きであったのがさらに良好になったりすると、その期間における純利益は増加し、EPSも上昇する。経営状態が変わらなくても初期投資を回収できると、負債返済にあてなければならない資金が減少するために純利益が増大する。このような場合もEPSが上昇するというわけだ。

株を購入するときのEPSの活用方法

では、実際にどのようにEPSを株式投資に活用することができるだろうか。

有意義な増資をしているかEPSで判断する

企業が成長するためには、一定期間ごとに増資を行い、新規事業の着手や事業拡大を行う必要がある。だが、しっかりとプランニングされた増資でない場合、1株当たりの収益が継続的に低下する希薄化を招いてしまう。希薄化した株式を保有する企業は、投資価値という観点からはあまり高く評価することができなくなる。

だが、増資後にEPSが一時的に下がったとしても、その後上昇曲線に転換するのなら、その増資は有意義であったと判断することができる。そのような有意義な増資を継続的に実行できる企業であれば、株式投資に適した企業と見ることができるだろう。

株価がどの程度まで上昇・下落するか予想する

EPSをPER(株価収益率)でかけることで、株価を計算することができる。例えば、EPSが100円で、PERが5倍である株式があったとする。同業種・同程度の企業規模の平均PERが8~10倍だとすれば、この株式のPERも将来的には8~10倍になる可能性があると考えることもできる。

現在の株価=1株当たりの当期純利益×株価収益率

=100円×5倍=500円

PERが8倍に上昇したときの予想株価=100円×8倍=800円

PERが10倍に上昇したときの予想株価=100円×10倍=1000円

したがって、株価は800円~1000円まで上昇する可能性があると考えることができる。現在保留している株式なら手放すにはまだ早いと考えることができ、まだ購入していない株式であれば株価が上昇する前に購入するほうがいいと判断することができるのだ。

反対に、EPSが100円でPERが12倍である株式の場合、同業種・同程度の企業規模の平均PERが8~10倍なら、この株式も将来的にはPERが8~10倍まで下がる可能性があると考えることができるだろう。

現在の株価=100円×12倍=1200円

PERが8倍に下落したときの予想株価=100円×8倍=800円

PERが10倍に下落したときの予想株価=100円×10倍=1000円

つまり、株価は800円~1000円まで下落する可能性があると考えることができる。現在保留している株式であればPERが下がりきるまでに損切りするほうがいいと判断できる。まだ購入していない株式なら、空売りして株価下落による利益を期待することができると考えることが可能になる。

ほかの指標を計算する際に活用する

EPSを用いて算出する指標は少なくない。例えば、PERは株価÷EPSで求めることができるし、自己資本利益率(ROE)はEPS÷1株当たりの純資産額(BPS)で求めることができる。いずれも、1株当たりの純利益はいくらかということが大切になるので、各指標を投資判断の基準にする場合はまずはEPSを理解して計算することが必要になる。

吸収合併後の株式を購入する際に活用する

M&Aが実施されるとき、株価やその他の評価がまったく同じ企業同士が結び付くということはまずない。そのため、合併する前に株式交換比率を計算しなくてはならないが、この株式交換比率を決定する際にEPSが利用されるのだ。

この株式交換比率とは、Aという企業がBという企業を完全子会社化するとき、B社の株を持つ人に対して1株当たりいくつのA社株に交換できるのかという割合を意味している。B社の株を4つ持つ人に対してA社の株式を1つ割り当てられるなら、株式交換比率は1:0.25と計算することができる。この株式交換比率が妥当でなければ、株価の急激な変動が起こることも予測される。M&Aは、株式の購入・売却の大きなタイミングになり得るのだ。

EPSは投資判断の基準ともなる指標

特定の企業に投資するかどうかを判断する際には、「新規上場」「話題の企業だから」「上昇気流にある業種だから」といった状況が基準になることも多い。また、純利益の上昇や初期投資の回収などの決算収支からも投資するかどうか決定することができる。その中でも他の企業や異なる決算期における同企業を比較する指標として頻繁に用いられるのが、EPSや、EPSから算出できるPERやROEである。

もちろん、EPSだけを投資判断における唯一の基準としてしまうことは危険が伴う。だが、現在のEPSやEPSの推移、それらを読み解くことで導かれる結論、また、国内景気や影響を受ける国の経済状況、企業や商品に対するニーズなどを総合的に見ることで、より掘り下げた投資判断をすることができるだろう。

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