失業保険,確定申告
(写真=Thinkstock/GettyImages)

仕事を失ったときに受け取る失業保険は、給与所得がなくなったときの生計を支えてくれる収入源だ。失業保険は課税対象なのか、どのようなときに確定申告の対象になるのか、再就職後の確定申告について解説する。

失業保険は課税対象か

失業時の生活を保障するために給付されるお金が、失業保険(失業給付=雇用保険の基本手当)だ。これは非課税となっており、所得税や住民税は課税されない。

失業保険の受給資格

失業保険を受給するには、雇用保険に加入している人の離職である必要がある。雇用保険の加入対象となるのは、労働者を雇用する事業所で65歳未満で雇用された人で、正社員や、31日以上雇用されており(あるいは雇用される見込みがあり)週20時間以上働くパートタイム従業員だ。

この条件を満たしていた人が、離職からさかのぼって2年以内に被保険者であった期間が通算12カ月以上あると、失業保険を受給することができる。会社の事情による離職ややむを得ないと判断される事情による離職の場合は、離職からさかのぼって1年以内に被保険者であった期間が通算6カ月以上あれば失業保険を受給できる。

失業保険でも確定申告が必要な場合

前述のとおり、失業保険自体は非課税なので基本的には確定申告は不要だ。しかし、次の場合には確定申告をする必要が生じる。

年内に再就職できないとき

年末調整とは、天引きされた税額と確定した税額を比較し、過払いになっている場合は余剰分が還付される手続きである。通常は勤務先で年末に実施するが、年末の時点で勤務していない場合は年末調整ができず、過払い分の還付金を受け取ることができない。このような場合には自分で確定申告を行うことで、還付金を受け取ることができる。

失業後に自分で社会保険料を支払ったとき

失業して収入が減額となれば、来年支払う健康保険料や住民税などは少なくなることが多い。確定申告することで減った収入をきちんと申告すれば、来年の支払い額を低く抑えることにつながる。

アルバイトなどで20万円以上の収入を得たとき

失業保険の受給中でも、再就職と判断されない程度ならアルバイトなどの臨時業務に就くことができる。主な給与以外に年間20万円以上の収入を得た場合は、確定申告をすることで源泉徴収によって天引きされた分が返還されることもある。

確定申告の手順

確定申告は次の手順で行う。

1.提出書類を準備する

前年1月~12月分の源泉徴収票と、生命保険や健康保険料などの控除証明書類を用意する。退職時に勤務先から源泉徴収票を受け取っていない場合は、問い合わせて取り寄せる。

2.確定申告書を作成する

確定申告書の用紙は税務署で受け取ることもできるが、国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」で作成することができる。作成後、印刷して最寄りの税務署に郵送すればよい。また、事前登録が必要だが、e-Taxを利用すれば印刷・郵送せずともインターネットを介して確定申告書を税務署に送信することができる。

3.納税・還付

確定申告で申告した金額をもとに税額が決まるので、期限までに納付する。税務署に直接現金で納付するほかに、銀行やコンビニで支払う方法、指定した金融機関の預金口座から振り替え納付する方法、インターネットバンキングを利用して納付する方法、クレジットカードで納付する方法など、さまざまな方法がある。

還付を受ける場合は、口座を指定して振り込んでもらう方法が一般的である。e-Taxを利用して確定申告した場合は約3週間後、その他の方法で確定申告した場合は約1カ月~1カ月半ほど後に振り込まれる。

再就職後の確定申告との関係

年内に再就職した場合は、再就職先の会社で年末調整を受ける。離職した前勤務先の源泉徴収票(年内に勤務していた場合)とその他の必要書類を再就職先に提出しよう。

確定申告すると税金の還付を受けられることも

失業保険の給付金は課税対象ではないものの、いままで支払った税金に過払いがあった場合は確定申告を実施することで還付を受けられる。インターネットで簡単に確定申告書を作成することができるので、手間を惜しまずに実施したい。