老後資金として2000万円が必要だとした金融庁の報告書によって、貯金だけではなく株式投資等を通じた資産運用への関心が高まっている。

今まで株をしていなかった人でもこれを機に「やってみようかな」という気持ちになっているかもしれない。株式投資は、身近な企業への投資であるため親しみも持ちやすいものである。

今回は、株に興味を持ち始めたという方に向け、株式投資の基本的な部分を中心に解説していく。

目次

  1. 株はどこで買えるのか?
  2. 株初心者におすすめのネット証券ランキング
  3. 証券会社の選び方
    1. 手数料
    2. 取引ツールの使いやすさ
    3. サポート、投資情報
  4. 口座を開設する
  5. 株式市場は24時間営業ではない
  6. 株の選び方
  7. 買う数、金額を決める
  8. 成行注文と指値注文の違い
  9. 初心者におすすめの投資方法
    1. 順張り
    2. 中長期での投資
    3. 分散投資
  10. 買い注文の成立までが株の購入
  11. 最初は資金どれくらいから始めるべきか?
  12. 焦る気持ちを抑えて、まずは基本から
  13. 株初心者におすすめのネット証券ランキング
  14. 実際に株式投資を始めてみる

株はどこで買えるのか?

「証券取引所」という言葉は、聞いたことがあるという方の方が多いだろう。日本には、5か所に証券取引所があるのだ。

日本最大の取引所で東証と呼ばれる「東京証券取引所」、大証と言われ先物取引が行われる「大阪証券取引所」、東京・大阪に並び3大証券取引所の一つである「名古屋証券取引所」、九州の企業が中心に上場している「福岡証券取引所(福証)」、そして、新興市場であるアンビシャス市場のある「札幌証券取引所」である。

さらに、東京証券取引所ではその中に第一部、第二部、マザーズ、ジャスダックなどがある。そこで、株式の取引が行われているのだ。

ところが、証券取引所に直接赴き株を購入することはできない。証券取引所は、投資家と投資家の間にある存在と考えていただければ、イメージしやすいだろう。

他の投資家が売りたいと思っている株を、証券取引所を通して購入するのだが、その場合には証券会社を通じて買うことになる。さらに日本の企業のほとんどは、株式会社であるがすべての企業の株を購入することはできない。「上場」して初めて、個人の投資家の売買が可能となるのだ。

株初心者におすすめのネット証券ランキング

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ライブスター証券

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※2020年7月現在
※1. 売却注文のみ可能


証券会社の選び方

証券会社での取引初心者が証券会社を選ぶ際に重視すべきポイントについて、下記3つを紹介する。

・手数料
・取引ツールの使いやすさ
・サポート、投資情報

手数料

ネット証券の場合、取引回数が多くなるため、できる限り手数料が安い証券会社を選ぶとよいだろう。

例えば、SBI証券であれば5万円までの約定代金に対して50円(税抜)の手数料がかかる。これは1注文ごとに発生するため、取引回数を多くすればするほど手数料が増えてしまう。またSBIネオモバイル証券では手数料が月額の定額サービスも利用できる。そのため月の取引回数を把握し、自身の投資スタイルに適したネット証券を選択するとよいだろう。

取引ツールの使いやすさ

各証券会社はさまざまな取引ツールを用意している。岡三オンライン証券の取引ツール「岡三ネットトレード」は無料で利用可能。さらにカスタマイズ性が非常に高く、海外指標や為替情報も同時に閲覧可能だ。ネット証券であれば口座解説は無料で行えるので、いくつか口座を開設して実際に取引ツールを利用してからメインの証券会社を選ぶことをおすすめする。

サポート、投資情報

サポート、投資情報は取引ツールと同様に証券会社ごとに異なる。

松井証券ではウェブサイト上の専用フォームであれば24時間問い合わせができる。またパソコンの画面を共有しながら案内される「リモートサポート」も取引初心者にはおすすめだろう。

独自のセミナーや投資レポートを行っている証券会社もあるため、自身でリサーチし実際に体験すれば証券会社を選ぶ参考になるはずだ。

口座を開設する

株式投資を始めるためには、証券取引所との間に証券会社を仲介させることが必要となる。口座の開設自体は無料なので、まずは試しに口座を作ってみるのもいいだろう。複数社での口座開設も可能だ。口座を持っていなければ、株式の取引はできないので口座開設が株式投資のスタート地点と言えるだろう。

銀行の口座を作るように、個人情報等を入力し身分証明書を送付すれば手続きは完了する。最近ではネット上で身分証のアップロードが可能な場合も多く、画面の指示に従って入力をしていけば誰でも簡単に口座を持つことができる。

後日、取引に必要なIDやパスワードが送付されるので、それを使いログインをする。自身が投資に回す資金を、その口座に入金をすれば取引を開始できる状態となる。

各証券会社により、取引画面やチャートツールなどに差があるので、まずは1つの口座を作ってみて、より良いものがないか常にアンテナを張り、より使いやすい証券会社に乗り換えるというのもいいだろう。

株式市場は24時間営業ではない

株式は24時間365日取引が可能ではない。平日の9時から11時30分(前場)12時30分から15時(後場)の5時間が取引可能時間である。祝日や土日、時間外の取引はできない。

最近ではネットでの取引が中心になり、それ以外の時間でも「注文」を出すことは可能である。祝日、土日に買いの注文を出した場合には、翌営業日の9時に買い注文が実行される。

ただし、証券会社のメンテナンス実行時には注文を出せないこともあるので、そうした情報にも気を配っておくことが必要だ。

株の選び方

実際に「株を買う」ためには、どの株(銘柄)を購入するのかを決めなくてはいけない。日本取引所グループの資料によれば、日本の上場企業数は3,713社(2020年5月26日時点)である。その中から、あなたは自分の投資先を選ばなければならないのだ。

銘柄の選び方は、株式投資を何の目的で行うのかにより大きく異なるといっていいだろう。もしあなたが、余裕資金を銀行に預けておくよりは増やしたい程度であれば、値動きの少ない大手企業の安定的な銘柄を選ぶことになるだろう。

しかし、余裕資金を多少のリスクは覚悟の上で大きく増やしたいと思えば、ベンチャー企業銘柄を選ぶのもいいかもしれない。つまり、これは投資家の数だけ選び方が存在するということだ。

そうはいっても、目安が欲しいという方はこれから成長が見込まれる分野の銘柄(テーマ株)や、各種指標を参考にしてみるといいだろう。入門書でも、指標やチャートの見方については詳しく書かれているので、参考にして欲しい。

Q


投資する銘柄の選び方を教えてください。

冨田和成

冨田 和成さん
株式会社ZUU
代表取締役

私が前職時代にお客様へすすめていたのが「医薬品セクター」です。
過去の配当実績を見れば、大手各社は2~3%台のところが多く、金融市場の状況によっては4%台が多くなることもあります。それはそうで、「景気が悪いから薬を飲むのをやめよう」と思う人はまずいません。

冨田和成

冨田 和成さん
株式会社ZUU
代表取締役

私が前職時代にお客様へすすめていたのが「医薬品セクター」です。
過去の配当実績を見れば、大手各社は2~3%台のところが多く、金融市場の状況によっては4%台が多くなることもあります。それはそうで、「景気が悪いから薬を飲むのをやめよう」と思う人はまずいません。


冨田和成
冨田 和成
株式会社ZUU代表取締役

神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野にて起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。

買う数、金額を決める

お目当ての銘柄が見つかったら、次は買いの注文を行うことになる。しかし、ただ「買い」をクリックすればいいというわけではない。各企業の株価が異なっていることは説明するまでもないが、日本の株式の最小購入単位は100株であることが多い。

中には、ミニ株と呼ばれるさらに少ない単位での購入が可能な証券会社もあるが、基本的には100株単位での購入になることを覚えておこう。

その企業の株価は、取引時間中であれば常に動いている。その株価に100をかけた金額が、その銘柄を保有するために必要な最低資金となる。加えて、証券会社への手数料として、一定額を支払うことになる。

買い注文をするためには「どれだけ買うのか」を入力しなければならないのだ。もちろん、基本的には入金した金額以上の取引はできないので、予算の範囲内で購入することとなる。

成行注文と指値注文の違い

株式を購入するためには、成行注文と指値注文を使い分けなくてはいけない。成行注文とは、その時の価格で売買を行う注文方法である。つまり、株価が500円であればその金額であなたは株を保有することになるのだ。

それに対し、指値注文は価格を指定して、その価格になった時に注文が成立する注文方法である。例えば、ある企業の株価が現在800円の場合、「500円になったら買う」と指定して注文を出すのが指値注文である。

実際に株価が500円になった場合には注文が成立し、500円で株式を保有することになる。ただし、その価格に達さない場合には注文は成立しないので、注文を出しただけでは保有することにならないので注意してほしい。

買いの場合で説明をしてきたが、売り注文も同様にその時の価格で売る成行注文と、一定価格まで上昇したら売る指値注文がある。初心者はなかなか指値注文をどこに設定したらいいかわからないという場合も多いだろう。

どちらにもメリットとデメリットはあるが、各証券会社の注文ツールにより、注文方法も異なるので本番取引の前に、自身の使いやすいツールを見つけておくことが大切だ。

初心者におすすめの投資方法

株式取引が初心者である場合の投資方法について、下記3つを紹介する

・順張り
・中長期での投資
・分散投資

順張り

順張りとは株価が上昇している場合に、その流れに合わせて株式を購入する手法。現在の株価がさらに上昇を続けると予想した場合に用いる。

株価が上昇、または下降するタイミングに合わせて売買するため、初心者でも判断しやすく購入しやすい。

中長期での投資

一時的に利益が出た場合やマイナスになった場合でも決済せずに、銘柄の中長期的な成長を見込み、その株を保有し続ける投資方法。
中長期での投資のメリットはリターンが大きくなることだ。また取引回数も少ないため手数料があまりかからないことも特徴である。

ただし株価が下がり続けた場合、利益がマイナスになるというデメリットも。中長期での投資を行う場合はメリット、デメリットを把握した上で行うことをおすすめする。

分散投資

分散投資とは投資先を「国内株式、外国株式、金、債権」などに分けて資産を分ける手法である。

1つの商品に資産をすべて投資した場合、その商品が暴落すると大きな損失を受けることになる。だが、さまざまな投資先に資産を分散させておけば、1つの商品価格が大幅に下がった場合でも資産全体への損失は少なくできる。

分散投資は資産を分散させてリスクを低くし安定したリターンが狙えるため、特に投資初心者におすすめの手法である。

Q


初心者におすすめのトレード方法とその理由は?


三枝裕介さん
『ZUU online magazine』編集長

私が株式投資をスタートしたときには、「初心者は高配当の電力株がよい」と言われていました。ただ、高配当は取れるものの、値動きが小さく、まったくおもしろくありませんでした。トレードスタイルについては、その投資家がどの程度のリターンを望み、どこまでリスクを許容できるかによって変わってくると思います。たとえば、若い世代の人で少額での投資であれば、ある程度リスクを取ったトレードもいいでしょう。若いうちに失敗してもこれから先、いくらでも挽回のチャンスはあるからです。一方、退職金や老後の資金などで運用する場合には、大きな失敗は許されませんので、業績の良い高配当株などで運用したほうがいいでしょう。

()

三枝裕介さん
『ZUU online magazine』編集長

トレードスタイルについては、その投資家がどの程度のリターンを望み、どこまでリスクを許容できるかによって変わってくると思います。たとえば、若い世代の人で少額での投資であれば、ある程度リスクを取ったトレードもいいでしょう。若いうちに失敗してもこれから先、いくらでも挽回のチャンスはあるからです。一方、退職金や老後の資金などで運用する場合には、大きな失敗は許されませんので、業績の良い高配当株などで運用したほうがいいでしょう。


天野秀夫さん
株式マーケット
アドバイザー

誰でもできる「イベントドリブン」です。1日で売買を完結するデイトレードは売買画面に張り付くスタイルが主流です。しかし、一般的な仕事を持つ投資家にとっては、生活面での制約から不可能に近いでしょう。投資後、値上がりをじっくり待つ中長期投資を勧める風潮がありますが、オンライン取引が主流となった今、ネット証券の売買システムを活用しない手はありません。スイングトレードは、トレンドをにらんで数日から数週間保有を投資期間として売買するスタイルで、リスクも比較的限定することができます。この投資スタイルで活用できるのが「イベントドリブン」です。イベントドリブンは企業の経営・業績に影響を与えるイベントが生じた際の株価変動を収益機会とする手法です。個人投資家でも好業績が期待される企業の決算発表や会社説明会をイベントとしてとらえて、このトレード方法を活用するケースは結構多いです。

()

天野秀夫さん
株式マーケット
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買い注文の成立までが株の購入

先述したように、注文が「成立」して初めて、株の購入が完了する。指値注文をしている場合には、指定した価格に達さない限りは注文が成立しないので、注文を出しただけでは株を購入したことにはならないのだ。取引時間中の成行注文であれば、注文を出すとその価格で株を保有することになる。

最初は資金どれくらいから始めるべきか?

いきなり本番の取引をすることはお勧めできない。まずはシミュレーション(デモトレード)等を活用し、十分な知識と経験を積んでほしい。最近では、デモトレードでも実際に存在する銘柄の取引が可能なものもある。

何度でも失敗のできるデモトレードで十分自信をつけ、初めて本番の取引を行ってほしい。最初の資金としては、もちろん用意できる金額は人それぞれだが、一つの銘柄だけではなくリスク回避のために複数銘柄を保有できるくらいの資金を用意してから始めるようにしたいところだ。

一つの銘柄だけ保有していては、リスクが大きすぎる。違う分野で、複数に分け購入することをお勧めしたい。

Q


投資初心者はいくらから運用を始めたらいいですか?

冨田和成

冨田 和成さん
株式会社ZUU
代表取締役

大まかな目安をあげるなら、年収1年分は貯蓄に回し、それ以上は投資に回す。仮に投資に失敗したとしても、FXでレバレッジをかけるなど、よほどハイリスクな投資を行うか、金融危機のときのような非常事態が起こらない限り、負けてもせいぜい投資額の半分くらいでしょう。
そこで手を引けば、1年分の貯蓄も残っているので、いきなり生活に困窮する可能性は低いはずです。

冨田和成

冨田 和成さん
株式会社ZUU
代表取締役

大まかな目安をあげるなら、年収1年分は貯蓄に回し、それ以上は投資に回す。仮に投資に失敗したとしても、FXでレバレッジをかけるなど、よほどハイリスクな投資を行うか、金融危機のときのような非常事態が起こらない限り、負けてもせいぜい投資額の半分くらいでしょう。
そこで手を引けば、1年分の貯蓄も残っているので、いきなり生活に困窮する可能性は低いはずです。


冨田和成
冨田 和成
株式会社ZUU代表取締役

神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野にて起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。

焦る気持ちを抑えて、まずは基本から

株式投資の基本的な部分を解説してきたが、まずは入門書を1冊購入し何度も読み返すことが何より必要なことになる。そこで知識を得たら、次は経験を積むためのデモトレードだ。そこで始めて本番取引へと進むことができる。

「早くやってみたい」という気持ちもあるかもしれないが、いかに下準備をしたかが、その後の投資人生に関わる部分になる。ぜひ、時間をかけてじっくりと学んでいただきたい。(ZUU online編集部)

株初心者におすすめのネット証券ランキング

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