特集「財務諸表」の読み方 特集「保険」 広告特集「M&A/事業承継」 特集「本を読む。」 DC特集
備える(年金・退職金・保険)
Written by DAILY ANDS 216記事

お金のプロに聞く!(上)

これなら分かる!「確定拠出年金」がお得と言われる理由

確定拠出年金, 分かりやすい, 制度
(写真=DAILY ANDS編集部)

2016年もあとわずか。この1年間、資産運用に関するさまざまな言葉が話題となりましたが、金融知識が乏しいDAILY ANDS編集部のKは、いまいち理解できなかった単語がいくつかありました。

分からなかったことをスッキリさせてから、新年を迎えたい!というわけで、慌ただしい師走の某日、お金の専門家であるマネーコンサルタントを訪ねました。

その名も「今さら聞けないこの単語、徹底的にお金のプロに聞く!」シリーズ。インタビューの様子を3回にわたってお届けします。

初回のテーマは「確定拠出年金」。いまいち分からなかった仕組みから説明して頂きました。

【今さら聞けないこの単語、徹底的にお金のプロに聞く!シリーズ】
上:これなら分かる!「確定拠出年金」がお得と言われる理由
中:「ふるさと納税」この手順ならできるかも!初心者向けに徹底解説
下:税金ナシ!NISA活用法と、お金のプロがコッソリ教える「お得」情報

今回、解説していただいたのは…

今回、金融用語について解説いただいたのはマネーコンサルタントの頼藤太希さんです。

(画像=頼藤氏・DAILY ANDS編集部)
(画像=頼藤氏・DAILY ANDS編集部)

頼藤 太希(よりふじ たいき)さん

Money&You代表取締役、マネーコンサルタント。 外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事したのち、2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。執筆、書籍の出版・監修、講演などを通じて日本人のマネーリテラシー向上に努めている。一生涯のお金の相談パートナーが見つかる場『FP Cafe』を運営。日本証券アナリスト検定会員。ファイナンシャルプランナー(AFP)。近著に『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)。

──確定拠出年金はよく話題になりましたが、いまいち仕組みが分かりませんでした。そもそも、年金の分類に入るのでしょうか?

頼藤:まず、普通の年金制度は理解していますか?

──65歳になったらもらえるお金、みたいな感じですよね?

頼藤:はい。まず、日本の公的年金制度には大まかに「国民年金」と「厚生年金」があります。国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満のすべての国民に加入が義務付けられています。自営業やフリーランスなどの個人事業主は「第1号被保険者」、公務員や会社員は「第2号被保険者」、専業主婦(夫)は「第3号被保険者」となります。「第2号」の人には、さらに厚生年金も用意されています。

──人によって加入できる年金が……。

頼藤:違うんです。

まず、国民年金というのは、20歳以上60歳未満の国民が加入を義務付けられていて、納めなければいけない保険料は年収に関わりなく一律で決められています。

一方の厚生年金は、自分の収入に応じて納める金額が変わってきます。ざっくり言うと、収入の約15%を会社と折半して納めています。つまり、自分で払っているのは年収の7.5%くらいですね。そして将来もらえる金額というのは、あなたが納めてきた保険料に基づいて決められますよ、という制度になっています。国民年金は老後に受け取れる金額が「年間78万100円」(※1)で一律なんです。

※1 20歳から60歳までの40年間(480カ月間)、保険料を納めていた場合の満額の数字(2016年12月現在)。加入期間や保険料納付期間によって変わる。

──国民年金の受給金額って、年収高い人がいっぱいもらえるとかそういうことじゃないんですね。

頼藤:そうなんです。

──厚生年金はもらえる金額が人によってだいぶ違うと。

頼藤:そうです。年収と、加入している期間によって変わります。

国民年金と厚生年金の両方が受給できる「第2号」の会社員と公務員は、年金を結構もらえている方なんです。それに比べると、「第1号」と「第3号」の人たちは、国民年金だけで生活をするのは難しいですよね。1年間に最大で78万円100円(※1)しかもらえないですから。

だから「自分たちで老後の年金を用意しましょう」ということで設けられたのが確定拠出年金です。

(写真=DAILY ANDS編集部)
(写真=DAILY ANDS編集部)

──確定拠出年金はDCとも略されますよね。

頼藤:DCは「ディファインド・コントリビューション(Defined Contribution plan)」の略です。確定拠出年金というのは、英語の「ディファインド・コントリビューション・プラン」を和訳した言葉です。

さらに、「iDeCo」(イデコ、個人型確定拠出年金の愛称)っていうのは、 「ディファインド・コントリビューション・プラン(Defined Contribution plan)」に「インディビデュアル (individual)」をつけた言葉なんです。

──なるほど。

頼藤:確定拠出年金は、企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)の2種類があります。自営業の人たち(「第1号」)と専業主婦の人たち(「第3号」)が加入できるのはiDeCoの方です。

国民年金や厚生年金は、将来もらえる金額が決まっていますよね。だから別名、確定給付型年金と言われるんです。一方で確定拠出年金というのは、拠出する金額が確定しているという意味なんです。

「拠出」って漢字にするとわかりづらいんですけど……英語の「コントリビューション」ってどういう意味だと思います。

──コントリ…ビューション…?

頼藤:コントリビューションは、「貢献」「寄付」「寄与」などという意味です。

──そうだったんですね!

頼藤:英語で覚えた方が分かりやすいですよね。

──「ディファインド」は「確定している」だから、貢献が確定しているってことですか?

頼藤:そうです。では、「貢献が確定している」ってどういうことでしょうか。

確定拠出年金は「ディファインド・コントリビューション・プラン」だから、自分でお金を積み立てます。自分がまず毎月いくら積み立てるかを決める。毎月3万円なのか、1万円なのか。それだけは確定しています。だけど、将来もらえる年金というのは、決まっていないんです。それはなぜかというと、確定拠出年金というのは、自分で運用をするからです。

毎月年金のために積み立てる金額をどの金融資産に振り分けるか、定期預金なのか、保険なのか、投資信託なのか。それを全部自分で決めるんです。ちなみに確定給付年金は、会社が決めます。

で、そういう風に自分で運用先を決めるから、人によっては投資信託に100%入れたりする。うまくいけば将来めちゃくちゃ年金がもらえるケースもありますし、逆に失敗しちゃって、すごく減っちゃったりするケースもある。一方、積み立てたお金を100%、定期預金で運用すれば、積み立てた金額がめちゃくちゃ増えるということもないけど、大きく減ることもない。

──なるほど。分かりやすい!ではどうして2016年話題になったんですか?

頼藤:なんで話題になったかというと、2016年までは「第1号」の人と、「第2号」の一部の人しか確定拠出年金に加入できなかったんですよ。それが2017年からは、日本国内に在住している20歳以上60歳未満の人は、全員加入できるようになります。

──なるほど。加入できる人が増えると言うことですね。それだけで話題になったんですか?

頼藤:というのと、確定拠出年金って実は節税できる制度なんです。

──節税?

頼藤:はい、掛け金が全額、「所得控除」の対象になるんです。

──出た!「控除」っていう言葉自体がもう難しいです……。

頼藤:所得控除を理解するには、自分の給料からどれくらい税金を払っているかを知るといいですね。

まず給与収入っていうのは自分たちがもらっている金額なんですが、例えば、年収500万円とかっていうのが給与収入にあたります。

──はい。

(写真=DAILY ANDS編集部)
(写真=DAILY ANDS編集部)

ここから税金が引かれます。ただ、500万円全部にそのまま税金をかけられたら、すごくいっぱい取られちゃうじゃないですか。例えば、年収500万円で所得税率が20%だったら(※2)100万円も税金払うことになります。500万円も働いたのにそんなに税金を取られたらやる気がなくなりますよね。

※2 所得税率はその人の課税所得金額によって異なり、5%~45%となっています。所得税率が20%なのは、課税所得が330万円超から695万円以下の人。

──確かに。

頼藤:ところで、個人事業主の人たちは売り上げから、お客さまとの打ち合わせでかかった交通費や打ち合わせ費用とか、勉強のための書籍代などを経費で落とせたりしますよね。

こうして売り上げから経費を引いて残った金額に税金がかかる仕組みなんですけど、そうすると、サラリーマンは不公平に感じませんか。自分たちも仕事のためにスーツを買ったり、勉強のために書籍を買ったりしますから。

だからサラリーマンの人たちも給与収入に基づいて、ある一定の金額については、経費として認めていいっていう制度があるんです。

──なるほど。

頼藤:このように「経費として差し引く」ことを「控除」と言うんです。控除っていうのは、差し引きますよっていう意味です。

サラリーマンだと、「給与所得控除」っていう制度があるんですけど、例えば年収500万円の人だと、154万円を差し引く(控除する)ことができます。

これは500万円収入があったとして、154万円の部分に関しては、税金を払わなくていいですよ、という意味です。要するに346万円に対して税金をかけるようにしてあげましょう、ということです。

その「控除」にもさまざまな種類がありまして、例えば「扶養控除」。子どもを育てるにはお金が必要じゃないですか。なのに税金をいっぱい取っちゃうと、子どもを育てられなくなっちゃいますよね。なので、扶養しなければいけない家族がいる人は、稼いだお金のうち一部は税金をかけないであげましょう、というわけです。

こうして、どんどん税金を払わなくて済むようにしてくれるのが、所得控除です。

──なるほど!分かりやすいです。

頼藤: 扶養控除とか、医療費控除とか、そういうのを全て給与収入から差し引いて「課税所得」っていうのを計算するんですね。で、この課税所得に税率がかかっているというわけです。

──配偶者控除はどうなんですか?

頼藤:配偶者控除っていうのは、奥さんが専業主婦だったり、パートをしていたりしても、収入が103万円以下だったら、夫の課税所得から38万円を差し引きます、という制度です。

──38万円。

(写真=DAILY ANDS編集部)
(写真=DAILY ANDS編集部)

頼藤:38万円って結構大きいんですよね。たとえば所得税率が20%の人だったら、38万円に20%をかけたら、7万6000円。配偶者控除の適用を受けたら、7万6000円分の所得税を払わなくていいことになるんです。

でも今、その配偶者控除という制度を見直すという話になっています。最初は、配偶者控除自体を廃止する、という可能性もありました。でも、制度が廃止されたら、今まで対象だった人は納める税金が増えて、手取りが減ります。それは困る、という意見が多かったので、廃止の話はいったんなくなりました。

今のところ、対象となる人が「収入103万円以下」から「150万円以下」にしよう、など、対象となる人の条件を変更する案が有力です。収入が150万円になるまで働いても、配偶者控除を受けられますよ、ということです。

最初、「配偶者控除廃止」の可能性があったときは、多くの家庭に影響が出るので、すごく注目されましたが、今は廃止されない可能性が大きくなったので、注目度が下がりました。

──なるほど、だから最近「配偶者控除」という言葉を聞かなくなったんですね。そしてちょっと確定拠出年金に戻っちゃいますが、確定拠出年金の積み立て額が所得控除の対象に入っている、ってどういうことですか?

頼藤:例えば毎月2万円、個人型確定拠出年金(iDeCo)に入るって決めたら、1年間では24万円になります。その24万円を、課税所得から引いていいですよ、その部分については税金払わなくていいですよ、っていうことになるんです。

──ということは、確定拠出年金の積み立てる額が多ければ多いほどいいってことなんですか?

頼藤:そうですよね、「やればやるほどお得」って思いますよね。でも、確定拠出年金は人によって積み立てられる上限額が決まっているんです。うまいですよね(笑)。編集部さんの会社に企業年金はありますか?

──ないです。

頼藤:でしたら、iDeCo(個人型確定拠出年金)には月2万3000円までしか加入できません。

──だから2万円とか言ってるのか、みんな。

頼藤:もっとやりたいですよね。でも、みんながたくさんの金額を確定拠出年金に積み立てちゃったら、国の税収が減ってしまいます。だから、制限を設けているんですよ。

──確定拠出年金がすごく良い制度と言われる理由はわかってきました。でも、確定拠出年金って、自分で資産をどの金融商品に振り分けるか決められるんですよね。もし、資産を全部投資信託で運用しちゃったら、マイナスになっちゃうこともあるんですよね。

頼藤:あります。

──そう思うと、メリットがよく分からないのですが……。

頼藤:確定拠出年金のいいところは「所得控除できる」というところです。そこは確実じゃないですか。

「確実」というのをもう少し詳しく解説します。まず、住民税はどんな人であろうと一律10%が徴収されます。年収が高い人も低い人も必ず10%納めなければいけない、と。

そして所得税。これは人によって税率が変わってくるんです。5%~45%のいずれかになりますが、日本の平均的なサラリーマンですと、課税所得金額が195万〜695万円のゾーンに入る人が多いかと思います。そのゾーンの税率は10%か20%なんですよね。

もし所得税率が10%だとすると、住民税と合わせて税率は20%になります。この人が確定拠出年金に加入したとすると、積み立てる金額の20%は、毎年節税できていくというわけです。

──例えば、確定拠出年金で毎月2万円を投資信託で運用したら、投資信託の額(基準価額)が上がろうが下がろうが、24万円のうちの20%が必ず節税できるんですか?

頼藤:必ずできます。毎月2万円だったら毎年の掛け金の合計が24万円。所得税率と住民税率合わせて20%であれば、毎年4万8000円の税金が減るから、手取りが増えますよね。これは「必ず」なんですよ。投資がうまくいってようが、いまいが。

この4万8000円を、今30歳の人が60歳までの30年間ずっと節税できるのだとしたら、合計の節税額は、4万8000円掛ける30年間で144万円になります。

──普通の証券口座で投資信託を買っているのが損みたいな感じですね。

頼藤:そうですね。投資信託の運用が成功しようがしまいが、確定拠出年金の口座で運用していれば自分の支払う税金は確実に減る。これがやっぱりすごいんですよ。

──うーん。私はまだわかってないんですけど、1年間に24万円を積み立てたら、その中から4万8000円返ってくるっていう認識ですか?

頼藤:ちょっと違いますね。

そもそも自分が確定拠出年金をしなければ、所得税と住民税払っちゃっているんですよ。何もしない状態では。でも、確定拠出年金をすると、一部、税金を払わなくてよくなる。だから税金を取り戻している感覚ですね。

──積み立てた24万円は無傷ということですね!

頼藤:そうです。もし、確定拠出年金の運用先を定期預金にしたら、毎年24万円は確実に貯まります。それを30年間続ければ720万円は老後資産として貯まっている。老後資産を確実に貯めつつ、税金を取り戻せる、という感じです。

──なるほど。では、デメリットはあるんですか?

頼藤:確定拠出年金のデメリットとしては、自分で運用しなければいけない、ということ。あと、60歳まで基本的には積み立てた金額を引き出せないということ、がよく挙げられますね。教育資金や住宅ローンの返済に充てることは無理ということです。

でも、僕はこの2つはあまりデメリットだと思っていません。運用については勉強すればいいだけですし、60歳まで引き出せない点についても、老後のための資金なのでむしろその方がいいかと思います。教育資金や住宅購入資金は別の方法で準備すればいいと思います。

──投資先は、定期預金や保険でもいいんですよね。

頼藤:元本割れしないような定期預金や保険も選べます。定期預金や保険で運用しても、所得控除は受けられます。

どのタイミングでお金が戻ってくるかというと、サラリーマンの方々は年末調整のときです。年末調整がない方は、自分で確定申告する必要があります。年末調整すると12月の給料が多く振り込まれるでしょう。住民税は翌年分から安くなるので、翌年の給料の手取りが増えます。

ちなみに、僕の意見では、戻ってきたお金を使いきってしまったら意味がないと思っています。

──なんで意味がないんですか?

頼藤:所得控除を受けて戻ってきたお金は「確実にもうかる」わけなのに、それを全部使っていたら、お金が貯まらないですよね。

──頼藤さんは、もうかった分をさらに投資に回したほうが、もっとお金を増やせるんじゃないのか、と考えているということですね。

頼藤:そういうことです。もちろん、浮いたお金でリッチな生活を送る人がいてもいいと思います。

──よくわかりました。ありがとうございます!

確定拠出年金のメリットは、税金を一部支払わなくてもよくなる、と言うところ。これはやっておかないと損!ということで、筆者も早速はじめようと思いました。

さて、「今さら聞けないこの単語、徹底的にお金のプロに聞く!」第2弾は、「ふるさと納税」。こちらも2016年、かなり話題になりましたが、いまいちシステムが分かりません……。頼藤さんに手続きの具体的な方法まで伝授して頂きましょう!(中:「ふるさと納税」この手順ならできるかも!初心者向けに徹底解説に続く)

【今さら聞けないこの単語、徹底的にお金のプロに聞く!シリーズ】
上:これなら分かる!「確定拠出年金」がお得と言われる理由
中:「ふるさと納税」この手順ならできるかも!初心者向けに徹底解説
下:税金ナシ!NISA活用法と、お金のプロがコッソリ教える「お得」情報

DAILY ANDS編集部
「人生は投資の連続」をキーワードに、豊かな毎日を送るために役立つ情報を配信します。

(提供:DAILY ANDS

【あわせてよみたい DAILY ANDS】
(PR)日本初「シワを改善する薬用化粧品」が証明。ポーラ・オルビスグループの底力
(PR)婚活よりも「マネ活」ブーム!?モテ女が休日ひそかに通う新習慣とは
「税金を減らして、お金を増やす」という発想、ありますか?お得な制度の実力は
これから注目の「確定拠出年金」。そもそも年金ってどんな制度?
あなたの性格で選ぶ金融商品が分かります

これなら分かる!「確定拠出年金」がお得と言われる理由
ZUU online の最新記事を
毎日お届けします
PREV バファリンの購入で節税? 17年開始「セルフメディケーショ...
NEXT ダイレクト型? それとも代理店型? FPが選ぶ「自動車保険ラ...