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MUFG Innovation Hubより

AIがディープラーニングで学ぶトレーディング

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(写真=PIXTA)

投資の世界では、10数年前からIT技術が活用されてきた。コンピュータからはじき出された情報を、取引に生かしているのである。2004年頃から、数理モデルに従ってコンピュータが株式売買の発注先や、タイミング、そして数量を決める仕組みである「アルゴリズム取引」の利用も拡大してきた。アルゴリズム取引は先だって活用されてきたコンピュータによる取引だったと言えるだろう。

最近、IT技術をトレーディングに応用する動きが活発化している。その中心にあるのが人工知能(AI)の活用だ。すでに多くの金融機関が、AIを取引にも活用していると言われている。

そこで今回は、AIがどのようにトレーディングを学習していくのか探ってみよう。

ディープラーニングで「トレード」をどう学ぶのか?

AIは「ニューラルネットワーク」を活用している。ニューラルネットワークとは、人間の神経回路の仕組みを応用した技術だ。

AI関連技術の中で最近注目されているのが「ディープラーニング」である。ディープラーニングとは「機械学習」の手法で、ニューラルネットワークを用いて、コンピュータに自動でパターンを見つけさせ学習を積ませる技術である。特に、ニューラルネットワークを導入したことで、従来の機械学習にはできなかった目の付け所となる「特徴量」の検出も自動で行える。

そのディープラーニングはいったい何を、どのように学習しているのだろうか。

株価変動の解析や株式の売買を例に見てみよう。

AIが、より効率の良い取引を学ぶ際に参考とするものの一つが「値動き」だ。株の売買を行うときに必要な情報として「天井」と「底」があり、これを定めて分析させるという方法がある。つまり、株価の動きをAIに解析させて、値動きのどこが天井でどこが底なのかを判別するのである。

具体的には、AIに次のような計算をさせるアイデアがある。ある日の株価を、前後数日の株価を用いて平滑化する。平滑化後の株価が、期間内での他の平滑化した中で最大であれば極大(天井)、最小であれば極小(底)という結果が得られる。さらに、株価と移動平均のかい離率を、さまざまな期間を区切ってコンピュータに計算させる。平滑化や移動平均の計算は多数の期間で行えるが、その中から最適な期間を見つけさせるといったアプローチだ。最も適切な計算期間のパラメータを見つけ出し、より的確に株価の動きを学ばせようという取り組みである。

他にも、AIで株価の動きを予測するためのディープラーニングの技術がある。

AIをトレーディングに活用している大手金融機関は「予測時刻(いつ)」と「予測時間(どれだけ先を予測するか)」の2つの指標について、各々専用のニューラルネットワークを用意しているそうだ。

例えば、予測時刻を13:00、予測時間を1時間後と設定した場合、そのニューラルネットワークは下記の3通りの判定を行うと言う。

・ 株価が0.5%以上上昇するか
・ -0.5%~+0.5%の範囲に収まるか
・ 0.5%以上下落するか

同システムの導入で、投資効率(正解率)が改善しており、実効性もあると見られている。

海外で進展する「ディープラーニング取引」

AIによるトレーディングがどれだけ普及しているかも見てみよう。

市場調査会社Preqinによれば、1,360のヘッジファンドが取引の大部分をコンピュータにゆだねている。データサイエンティストやクオンツと呼ばれる人々が作る、静的なモデル計算に従って行い、合計で2億ドルを運用していると言われているのだ。しかしPreqinによれば、このような典型的なシステムファンドは、必ずしも人間の経験や勘に基づき運営するファンドよりも優れたパフォーマンスを発揮しているわけではないとのことだ。

最近はAIが大量のデータを高速で分析し、AIが自ら投資手法の改善を行う機械学習へ移行しつつある。

また2016年1月には、AIの世界的権威であるベン・ゲーツェル氏がチーフサイエンティストを務める香港Aidyiaが、AIによって株式取引を完全自動化したヘッジファンドを立ち上げた。AidyiaのAIには、遺伝学から着想を得た進化的計算法や、画像を認識したり話し言葉を識別したりするディープラーニング技術が組み込まれている。期待されることは、自動的に市場の変化を認識し、従来のクオンツモデルができない方法でその変化に適応することだと言う。

ディープラーニングによる投資手法が確立されれば、市場のイレギュラーな動きにも的確に対応できる。そうなれば、腕利きのファンドマネージャーやディーラーとAIが競うことになるかもしれない。

AIのトレーディングが実績を積み始めていることを踏まえると、その時代はすぐそこまで近づいてきているのではないだろうか。(提供:MUFG Innovation Hub

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