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(写真=BigRoloImages/Shutterstock.com)

2017年1月より、個人型確定拠出年金(iDeCo)は、企業型確定拠出年金(企業型DC)が適用される会社員の一部や、農業者年金の被保険者などを除き、原則すべての国民が加入できるようになった。現状の公的年金制度の将来見通しへの不安を解消すべく、iDeCoを利用しようかどうか迷っている人も少なくないだろう。

今回は、「踊る大捜査線」(引用元:©株式会社フジテレビジョン)の青島俊作と室井慎次をモデルに考えることで、iDeCoへの理解を深めていこう。

iDeCoのメリットや概要は?

iDeCoは、加入者自身が掛金を拠出して運用していくという、自己責任で将来に備える年金である。従来は、自営業者や企業年金の無い会社員などごく一部の層のみに加入が認められていたが、2017年1月より、ほぼ全ての現役世代が加入できるようになった。とりわけ、これまではiDeCoも企業型DCも利用できなかった公務員や専業主婦(主夫)なども加入することができるようになった。加入者の属性に応じて拠出する額に限度が設けられているものの、老後の資産形成がより行いやすくなったといえる。なお、国民年金の保険料を納めていない者や、iDeCoと同時加入できる旨を規約に定めていない企業型DCの加入者など、ごく一部だがiDeCoに加入できない場合もある。

iDeCoの税制上のメリットは3つある。

・ 掛金がすべて所得控除の対象となる
・ 運用する際に出る運用収益(利息・配当など)が全額非課税になる
・ 年金として分割して受け取る際は公的年金等控除が、一時金として一括で受け取る際は退職所得控除がそれぞれ適用される

『踊る大捜査線』の青島俊作と室井慎次がiDeCoに加入したら?

それでは、iDeCoで具体的にどの程度の節税効果が見込めるのか、人気の刑事ドラマ「踊る大捜査線」の登場人物、青島俊作と室井慎次を例にみてみよう。

● 青島俊作の場合
主人公である青島俊作は、湾岸警察署に勤める刑事である。iDeCo加入の年齢は、TVシリーズの放映が開始された際の年齢である30歳に設定する。なお、青島の生年月日が、青島役を演じる織田裕二さんと全く同じ生年月日であることは、ファンの間では有名な話だ。シリーズのなかで昇進等により役職は度々変わるものの、60歳までの平均年収を480万円(給与所得控除を引いた課税所得は330万円)、毎月の掛金を1万2,000円、運用利率を年3%に設定してシミュレーションする。すると、年間の掛金額14万4,000円に税率20%(所得税率10%+住民税率10%)を乗じた2万8,800円が1年当たりの節税額となり、60歳まで30年間積み立てると、じつに約86万円もの節税効果になる。また、30年間の積立元金が432万円に対し、約270万円の運用収益が得られるため、将来受け取れる金額は700万円を上回る計算だ。

● 室井慎次の場合
主人公青島のよき理解者である室井慎次は、東北大学出身のキャリア官僚であり、青島より3つ年上である。青島の場合と同じく、室井の誕生日は室井役を演じる柳葉敏郎さんと同月同日である(ただし生まれた年は異なる)。iDeCo加入時の年齢を33歳、平均年収を1,000万円(給与所得控除を引いた課税所得は780万円)、毎月の掛金を1万2,000円と仮定しシミュレーションしてみる。青島も室井も公務員であるため、月単位の拠出限度額は1万2,000円である。青島とは異なり、運用利率を年5%に設定すると、年間の掛金額14万4,000円に税率33%(所得税率23%+住民税率10%)を乗じた約4万7,520円が1年当たりの節税額となり、60歳まで27年間積み立てると約127万円もの節税効果になる。27年間の積立元金が388万円に対し、約437万円の運用収益が得られるため、将来受け取れる金額は約826万円になる。

ここでは2つのポイントに言及したい。まず、青島が30年間で約86万円の節税効果が得られるのに対し、室井は27年間で約117万円の節税効果が得られる点だ。日本は累進課税を採用しており、年収が高くなるにつれて所得税と住民税を合わせた税率も高くなる。iDeCoは掛金額がすべて所得控除の対象となるため、年収が高ければ高いほど節税効果も大きくなる。

もう一つのポイントとして、運用利回りが3%の青島は30年間で元金432万円を約1.6倍に殖やしたのに対し、運用利回りが5%の室井は27年間で元金388万円を約2倍以上も殖やしている。運用利回りは2%しか差がないが、iDeCoは運用収益が全額非課税であることから、複利効果が最大限発揮され、時間が経てば経つほど2%の差が大きな差を生む。

しっかり利用して節税及び老後の備えを

iDeCoは老後の資金に備えるだけでなく、節税効果も高い制度である。原則として60歳になるまで引き出すことができないものの、上限の範囲内で拠出金額を自分で設定し、運用先も自分で選択することができる。

老後のことなどを視野にいれながら、iDeCoを検討してみてはいかがだろうか。(提供: 確定拠出年金スタートクラブ

【注意事項】
※当記事は2017年2月現在の税制・関係法令などに基づき記載しております。今後、税務の取扱いなどが変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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