英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(以下「THE」という)は、「世界大学ランキング」で高い評価を確立しているが、このほど同誌を刊行しているTES Globalが、日本国内の総合パートナーであるベネッセグループの協力を得て、「THE世界大学ランキング 日本版2017」を発表した。ここではその概要を紹介しておくことにしたい。

日本版の特徴は「教育力」に焦点があてられている点

THE世界大学ランキング
(写真=PIXTA)

「THE世界大学ランキング」は、世界79の国と地域を調査対象に、「教育力」「研究力」「研究の影響力」「国際性」「産業界からの収入」の5つの指標から総合ランキングを算出している。このデータは世界中で大学関係者の分析ツールとして、もしくは学生の大学進学の参考資料として、広く活用されている。

現在、世界には約1万8000にのぼる大学があると言われているが、2016年9月に発表された「世界ランキング2016-17」では、上位5%にあたる980大学がランクインを果たしている。また、国 / 地域別のランクイン数を見ると、日本は前回の41校から69校へと大幅に増加し、英国・米国に次ぐ世界第3位だった。

「研究力」を重視する「世界ランキング」に対し、「日本版」の特徴は「教育力」によりスポットライトを当てている点だ。指標として取り上げられているのは、「教育リソース」「教育満足度」「教育成果」「国際性」の4分野で、各大学の特性が極力鮮明に表されるよう工夫が凝らされている。

「教育リソース」では「どれだけ充実した教育が行われている可能性があるか」を表すために、全体の38%の比重が置かれている。その内訳は「学生一人あたりの資金」が10%、「学生一人あたりの教員数」が8%、「教員一人あたりの論文数・被引用回数」が7%、「大学合格者の学力」が6%、「教員一人あたりの競争的資金(内閣府が競争的資金制度としている文部科学省主管の制度)の獲得数」が7%となっている。

「教育満足度」は「どれだけ教育への期待が実現されているか」を表すために、全体の26%を占めている。その内訳は「グローバル人材育成の重視」が13%、「入学後の能力伸長」が13%となっているのだが、ポイントの根拠はベネッセコーポレーションが高等学校の進路担当教員を対象に実施した「大学に関する印象調査」の結果に基づいている。

「教育成果」は「どれだけ卒業生が活躍しているか」を表すために、全体の20%を占めている。その内訳は日経HRによる「企業の人事担当者から見た大学のイメージ調査」をもとにした「企業人事の評判調査」の7%と、「THE世界大学ランキング」が高等教育機関研究者を対象に「教育力の高い大学」を調査した結果をもとにした「研究者の評判調査」の13%とになっている。

「国際性」は「どれだけ国際的な教育環境になっているか」を表すために、全体の16%を占めている。その内訳は「外国人学生比率」の8%と、「外国人教員比率」の8%だ。この分野では各大学の改革が急速に進んでいる結果、グローバル化に対応する姿勢の度合いが端的に示されている。

総合順位ベスト50 1位東大、2位東北大、3位京都大学