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株好き主婦のインタビュー前編

「株は情報戦じゃなかった」主婦が見た金融の真実

株で稼いでいる主婦がいる、という情報を聞きつけてDAILY ANDS編集部が訪れたのは都内屈指のおしゃれタウンです。

カフェにたどり着くと、ゆったりとした紺色のカットソー姿の葉子さん(仮名、49歳)の姿が。夫と犬2匹と一緒に暮らす専業主婦だそうですが、2016年の株の投資成績はなんとプラス20%になるといいます。

一体どのようにしてそんなに稼げるようになったのでしょうか?

お話を伺ってみると、かつて証券会社に勤めていた女性が、一度、株の世界から離れたあと、あらためて株取引の世界に戻ってきて気が付いた「金融の本当の姿」が見えてきました。

目標は年間でプラス40%

株, 主婦, インタビュー
(写真=DAILY ANDS編集部)

くすい:いま、1日の過ごし方ってざっくりどんな感じか教えてください。

葉子:午前9時から午後3時までの「場中」と呼ばれる時間帯(株式市場が開いている時間帯)はパソコンを見れる環境にいたいと思ってます。なので自宅にいるとか、できるだけパソコンの周辺にいますね。午前11時半から12時半って、株式市場にもお昼休みがあるんですけど、その間にお買い物に行く感じです。午後3時回ってからは、出かけたりします。1日の間で株にかけている時間は、平均すると数時間って感じですかね。

くすい:いま、投資の目標ってだいたいどれくらいなんですか?

葉子:年間で40%って思っているんですよ。

くすい:100万円投資をしたら40万円儲けるってことですね!それは実現したらすごいです!

葉子:2年たったら資産が倍になるという計算です。

くすい:いいですね〜。

葉子:ところがどっこい、去年はプラス20%だったので……。途中までは40%まで行っていたんですけど、年末に20%まで落としてしまって。年末ちょっと余計なことをしてしまいました。

くすい:今までの成績ってどんな感じですか?

葉子:2013年、2014年がプラス50%くらい、一昨年が正直言うとトントンに近くて、2016年が20%くらいですね。

くすい:いま、持っている資産はどういうものがありますか?

葉子:金融資産全体で考えると、現預金と株と確定拠出年金がそれぞれ3分の1ずつです。

くすい:株についてはどういう投資方針なんですか?

葉子:基本的に私は、世の中でスイングと呼ばれるような手法をしています。たとえば今日仕掛けたら、数日間あるいは数週間のうちに決済をするってスタイルが主ですね。

くすい:「スイング」って短期売買に入るんですか。

葉子:そうですね。短期です。デイトレより長いと思っていただければ。

くすい:スイングトレードに落ち着いた理由は何ですか?

葉子:あんまり期間が長いのは、気長すぎてつまらないんですよ。ただ、仕事をしていて忙しいならそのほうがいいと思うんですけど、私はやっぱり株式を売買するのが好きなので、あんまり気長なのはちょっと飽きちゃうんですね。我慢できないんですよ。じっとしていられない。かと言って、デイトレは、たまにやろうかなって思ってやったりもするんですけど、せわしなさすぎるんです。で、ちょっとまた違った技術が必要なので、画面もふたつ必要だとか。そして、疲れるしストレスもたまるので、結局のところ自分の性格と生活スタイルと、勉強してくるなかで一番自分はこれがしっくりするなっていうのがやっぱりあるんですよ。それが合ってないと、結果が出せない。私の場合、落ち着くところが私はそれがスイングだったんです。

くすい:どういうふうに銘柄を選ぶんですか?

葉子:株の売買をするときの大きな手法って大きく2つあるんですけど、ひとつがテクニカル。ひとつがファンダメンタルズって呼ばれる手法です。それをミックスしている人もいれば、どっちかだけに特化している人もいる。ファンダメンタルズはその会社の業績や資産を見て今「買い」かどうかを判断する方法。私はテクニカルの手法を取っていまして、ひたすらチャート(株価の動きを表したグラフのこと)を見て売買の判断をしていきます。銘柄もチャートの形をひたすら見て、これいける、これいける、これいける、これは待ちっていうのを自分で選んでいくんです。チャートソフトを使って。

葉子さんの取引画面。この日は2万円のプラスが出ていました(写真=DAILY ANDS編集部)
葉子さんの取引画面。この日は2万円のプラスが出ていました(写真=DAILY ANDS編集部)

バブル期の証券会社でキャリアをスタート

くすい:そもそも葉子さんが株を始めたキッカケって何だったんですか?

葉子:本当に一番最初に株を買ったのは、就職したときです。大学卒業後、証券会社に入社して、三菱電機の株を買ったんです。でもトレードというほどのことは大してしていなくて、資産運用というつもりも一切なくて。本当に株をやってますって言えるようになったのは、たぶん2010年くらいからですね。

くすい:証券会社に入社して株を買ったきっかけというのは何だったんですか?

葉子:私は1988年入社なんですね。昭和63年。バブルの頂点まで残り2年のときに入社をしているんですね。当時、インターネットなんてなかったので、いちいち電話で株価を聞いたりする時代です。証券会社の玄関というか、表に電光掲示板があって、株価が表示されていました。よく株価が暴落したりするとニュースで、その前で立ち尽くしている方がいらっしゃいますよね。あの電光掲示板のことです。

くすい:ありますね。掲示板の数字がまっかっか、みたいな。

葉子:そうです。あれの大きいのがそれぞれの支店にあったんですよ。それが毎日どんどんどんどん株価が上がっていた時代だったので、振り返ると株価が上がっているみたいな感じ。買わずにいられないというか、そのときは下がることって考えてないので。お客さんも買っている、会社も買っている、仕事でも売り買いをしているっていうと、買える権利があるんだったら買ってもいいんじゃないかって感じですよね。それは私ひとりの話ではなくて、先輩も買っていたし同僚も買っていたし、みんな株をやっていたという時代です。三菱電機を選んだのは、父の勤め先だった、というただそれだけです。

くすい:いい時代ですね〜。そのあとどうなったんですか。

葉子:あっという間に1年、2年が終わって、そこでばーんってバブルがはじけました。そのあとが大変で、結局、私は証券会社に通算7年弱いるんですけれども、そのうちの5年間は不良債権処理みたいな感じですよね。最初の1、2年の浮き足立ったところからごろんって状況が変わって、本当にありとあらゆる事件も起きました。

くすい:株価が下がっちゃうと証券会社って売り上げも下がるんですよね。会社の雰囲気とかも変わりそうです。

葉子:当時、どんどんどんどん株価が下がっていくんです。私たちが1〜2年で売ったものや、先輩たちが販売してきた投資信託が、ものの見事に下がり出すんですよね。それまでお客さんが「お願いします、販売してください!」って言っていた、年利30%近くもあるような人気の投資信託が、例えば100万円だったのが80万円になり、70万円になり、ひどいものだと30万円になってしまうものもありました。そうは言っても、新たに投資信託を販売していかないと手数料が稼げない。そのノルマがあるっていうのを何年か過ごしていくうちに、自分が疲弊してしまって、最後はもうできませんって言って辞めました。私、入社2年目の冬のボーナスが人生最高のボーナスでした(笑)。

くすい:そのあとも資産運用はしていたんですか?

葉子:いえ、全然してなかったですね。結局、証券会社のときは最初に買った三菱電機ぐらいで、あとはほぼしてなかったですね。株価が下がってきてしまったのもありましたし、当時、ボーナスもほとんど出なくなっていましたのでお金もなかったんです。

専業主婦になって出会った、株の基本

くすい:証券会社を辞めたあとはどうなりましたか?

葉子:いったん実家に戻って、仕事をせずに暮らしました。その後、銀行や外資系の保険会社で働いて40歳のとき、外資系の保険会社で同僚だった人と結婚したんですね。そこから専業主婦になって、今に至ります。

くすい:主婦になってから株をやろうと思ったんですか?

葉子:主婦になるまでの間も、証券会社にもともといたので、なんらかの形で株はちょびちょびっと持っていたんですよ。NTTドコモの株だとか、富士通だとか、たまにちょっとやるってことはしてたんですけど、鳴かず飛ばずだったので、そんなに数をやるわけでも一生懸命やるわけでもなかったですし、当時インターネットでできたりもしなかったので、ほぼほぼしてなかったのに近いんですね。

くすい:本格的にやり始めたきっかけは何だったんですか?

葉子:入口はものすごく不純でした。私20年近く金融業界でどっぷり仕事をしていたので、ぽこっと専業主婦になったときに、何をしたらいいかわからなかったんですよ。しかもそのときは夫の転勤で今まで暮らしたことのない地方にひょっこり行って犬2匹と3人になり、あれ、どうしようかなって。そうしたら知り合いの方がカルチャースクールにでも行ったらって、チラシをいっぱい持ってきてくれたんです。ダンスだ英会話だっていろいろあるんですけど、どれにも興味がわかなくて、唯一、株の学校のカルチャースクールにちょっと興味がある、ほかのことには興味がない、じゃあこれに行ってみようかって行きだしたのが入口でした。

くすい:そこではどういうことを教わったんですか。

葉子:いわゆる基礎のき、ですよね。株式市場ってこんな動きをしていますとか、四季報の読み方とか。

別に内容だけで目からうろこになるわけでもないんですけど、講師をしてくれてた女性の方が開口一番、「株は持っているだけでリスクです」って言ったんです。当時、「は?」って思いました。それまでの私は証券会社の感覚が抜けていなかったので、株のお話をするって言ったら、もりもり儲けようよとか、私たちが証券会社で使っていたセールストークのようなものだとか、あとはおいしい株の話だとか、おいしい話をするもんだと私はてっきり思っていたんです。ところがけっこうまじめな顔をして、「株は持ってるだけでリスクです」って毎回言うんです。

くすい:その言葉に当時はびっくりした、と。

葉子:そうですそうです。最初ちょっとふまじめに聞いていたんですよね。証券会社の人たちって株の売買するのに株の勉強をしなきゃいけないなんて思ってないんですよ。元同僚に私が株の学校に行ってるって言ったら、「えー、なんで株の学校に行くの?行かなくったっていいじゃん」、って言われるくらいです。

でも、自分たちがわかってると思ってることは、株の投資をするうえで必要な知識ではなくて、株式とか投資信託を販売するための営業スキルだったんだ、ということにそこで気がつきました。勘違いしちゃってたんですね。だからカルチャースクールレベルの、本当にかいつまんだ内容だったんですけど、チャートの話にしても、四季報のことについても、そういうふうに見るんだったんだとか、そういう使い方をするものだったんだとか、言葉は知ってるけど意味はまったく知らなかった。

そういう自分のなかのあれ?あれ?あれ?っていうことをカルチャー教室の中で気がつきました。かつて私が聞いたことのないフレーズというか、これは私が今まで見てきた世界とちょっと違うと感じて、もしかしたらここで教えてくれることをちゃんとやったら、今まで鳴かず飛ばずで結果が出せなかった株式投資が、結果が出せるんじゃないかなって思って、じゃあお金払って勉強しよう、と思って本格的に株の学校に通って勉強することにしました。

「おいしい株情報」ではなく、チャートで判断

くすい:どれくらい通ったんですか。

葉子:在籍してたのは、OBOG会も合わせると4~5年ですね。

くすい:株について勉強して、実際にこうして結果も出せるようになって、投資に対する考え方は変わりましたか?

葉子:ちゃんと、株って技術なんだなっていうのはすごくわかりましたね。計画的には増やせないですけれど、続けても大丈夫だなっていう自信と、利益はコントロールできるものなんだ、とは思いました。

くすい:それまではできないものだと思ってたということですね。

葉子:戦略を練ってとか、技術でとか、は思ってなかったですね。株って情報戦だと思ってたんですよ。証券会社の感覚で。いち早くその情報をつかんで、それで買ってったり売ってったりするものだと思い込んでいたので。

チャートって分析するものだと、そもそも思ってなかったんです。ローソク足は知ってましたし、上がった下がったとは言っていたけど、何をもって上がったとしていたとか、そういう根拠はまったくなかったんです、実は。それを知らなきゃいけないとも思ってなかった。それが大事なことだと知らなかった。

くすい:いち早くおいしい株情報を得た人が勝つんだと思っていたんですね。

葉子:そうですそうです。上司からこの銘柄いいよって言われたのが、いい銘柄なんだって思っていたので、だから当時はマネー雑誌もよく見てましたし。どこかにおいしいネタないかなっていつも探してました。

くすい:今はもうそうじゃないってことがわかっちゃったんですね。

葉子:「おいしい株情報」のようなものは、チャートを見るきっかけにするだけで、本当にいいかどうかはチャートを見てからね、っていう感じになりました。情報の使い方が変わりましたよね。

なので、証券会社を上手に利用すればいいと思っているんです。やはり、チャートに表れる前のネタを持っているのは彼らなので。ただ彼らは手数料が欲しいから、ほんとはその銘柄の一番いい買い場は1カ月後だったり、あるいは1カ月前だったかもしれないのに、今日のネタとして使って、今日、今手数料をもらおうと思ってるから、とんでもないところの値段で入ったりすることがあるんですね。

(写真=DAILY ANDS編集部)
(写真=DAILY ANDS編集部)

情報収集はあまりしません

くすい:今、情報収集のためによく見ているものはありますか?

葉子:チャートはとにかく見ますけど、いわゆる情報ってそんなに取りにいかないですね。

くすい:えっ、そうなんですか。たとえばですけど、日経新聞を読むとか……。

葉子:それはですね、決算のときとか、あと政策で金利が変わりそうなとき、世の中が大きく動きそうなときだけはちょっと見ますけど、ほぼ見ていないですよ。

くすい:たとえばアメリカの大統領選があるみたなときとかだと、見なくてもいいんですか。

葉子:企業決算のたとえば、どこの会社がどういう発表したっていうのは拾っていったりしますけど、未来の予想に使うようなものっていうのは、あえて情報を取らないようにしています。予想したところで、まず答えが出ないことですし、仮にどっちかに賭けたとしても、相場がそのように動くとはまったくもって限らないので、意味がないんです。

アメリカ大統領選挙のときは、トランプさんなのかクリントンさんなのかってことは考えずに、いつ決戦だよね、ということはここで相場が動くよね、動いたときには値幅ってどれくらい動くよねっていう、その計算はしますけど、どっちだろうとは考えない。あと、人の意見は聞かない。

くすい:先入観みたいなのが入っちゃうからですか。

葉子:もちろん、重要なことを言ってくださってる方もいらっしゃるんですけど、8割方必要のない意見だと思っているので、かえって雑音だから読まない。

くすい:インターネットとかで、ツイッターでこういう人をフォローしてるとか、あるいはブログでこういうブログをよく見てるとか、そういうのはありますか。

葉子:たとえば自分と相場観というか、同じような手法でやっていて、まともなことを言ってるなって思っている人は何人かいるんですね。この人たちの日々の意見というか、言ってることは参考にします。基本的にはブログを見ています。

くすい:投資先を選ぶときはチャートを見て最終的には決めると思うんですけど、チャートはどれくらいの期間見るんですか。1年のチャートを見るのか、2年のチャートを見るのか。

葉子:私の場合なんですけれども、私はとりあえず、月足っていう10年ないし20年の長いチャートを見るんです。その銘柄が今長いチャートの時間のなかで、どれくらいの位置にいるのかっていう確認と、たとえば今1000円してる株価も900円を底値にしてこの1年間上がってきているのか、過去1年くらいの値動きのなかで、上昇しだして、あるいは下降しだして向きを変えてから何カ月目にあたるのか、時間がどれくらい経過しているのかを、とりあえず月で見るんですよ。それで、ああこんな感じか、と把握する。そこから週足と言って、1週間ごとのチャートを見て、買いにヒットしそうな形のものだけをそのなかから探して、週足で状態のいいものを見つけたなかで、はじめて日足に落として、そこのなかで私は結局スイングなので、その日の値段で仕掛けます。

くすい:ちょっとずつちょっとずつふるいにかけて減らしていくみたいな。

葉子:そうです。まずは大きな流れをとらえる、状況を確認する、本当にざっくりとした財務状況っていうか、過去の決算、買いで考えたときは、ずっと毎年毎年売上が伸びているとか、経常が伸びているってそこだけは確認して、ふるいにどんどんどんどんかけていって、最終的に日足を見て、日足で売買をする、という感じです。

楠井:投資をまだしてないけど、興味があるみたいな女性に伝えたいこととかありますか?

葉子:実際、やるかやらないかは別として、興味は持って欲しいなとは思うんですよ。というのも……(後編に続く)

くすい ともこ
DAILY ANDS編集長。北陸の地方紙で5年間記者として勤務後、Web編集者に。「無理のない範囲でコツコツ」をモットーに資産運用を実践中

(提供:DAILY ANDS

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