保険なのに貯蓄もできる「貯蓄型保険」というものがあります。銀行の定期預金などと比べて、どのくらい効率よく貯蓄できるのでしょうか。

保険は人生の3大出費の一つと言われるほど高額な買い物です。加入する前にはメリット・デメリットをしっかり確認しておきたいですね。貯蓄型保険の種類からそれぞれの特徴、注意点などを解説します。

貯蓄しながら保障もできる貯蓄貯蓄型保険

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(写真=Monster Ztudio/Shutterstock.com)

「貯蓄型保険」とは、名前に保険と入っている通り、万が一に備えた死亡保障があり、さらには将来に向けての貯蓄もできるという、両方を一つの商品にまとめた保険商品のことです。

死亡したら保険金が出ますが、満期まで元気でいられたり、途中解約した場合でも返戻金が支払われ、掛け捨てにならずお金を受け取れる仕組みになっているます。保険のパンフレットに返戻率103%、108%、110%などと書かれているのは、大抵この貯蓄型保険。それらの数字は、解約したときに支払った保険料の103%、108%、110%が戻ってくるという意味です。

返戻率のよい商品は、 銀行の定期預金の利率より少し高くなっていることが多く、定期預金より利率がいい というのが、一番のメリットでしょう。ですが、なぜそんなことができるのでしょうか?

それは、保険会社は預かった保険料を、日本国債を中心に外国債券や株式などで資産運用しているからです。本来は価格変動のある金融商品を、元本保証で持つことができるという考え方もできますね。

ですから、10年や20年以上などの長期間、銀行預金などに置いておくつもりなら、「少し利率の良い定期預金」という感覚で預けておくのもいいかもしれません。また、詳しくは後で述べますが、大抵の場、途中解約は不利になりますので、契約したら満期まで簡単にはお金を引き出せません。これをメリットと捉えなら、強制的に貯蓄をしたい人にも向いているといえます。うまく活用すれば、堅実にお金を貯める手段になるかもしれませんね。

デメリットは、 契約時に利率が決まってしまう ことです。10年、20年とたつうちに、世の中の金利は、もしかしたら上昇するかもしれません。そんな場合でも、契約時の低いままの利率で満期まで持つことになるのです。

将来、インフレになるかもしれないと予想する人は、お金を長期間固定せず、毎年、または数年ごとに見直しができるような運用を自分でしたほうがよいでしょう。

貯蓄型保険も種類はいろいろ、どう選ぶ?

①商品の特徴を知ろう

先に述べた通り、貯蓄型保険とは「死亡保障」などの保険としての機能があり、さらに、支払った保険料を積み立てておくことで、満期や解約時にお金を受け取ることができる保険商品のことです。例えば、 「終身保険」「養老保険」「学資保険」 などが有名ですね。

簡単に説明すると以下のような特徴があります。

  • 終身保険=一生涯続く 死亡保障があり 、途中で解約しても 返戻金がある
  • 養老保険=一定期間の 死亡保障があり 、満期には 死亡保険金と同額の満期保険金 が支払われる
  • 学資保険=子供の年齢に合わせて 給付金を受け取る ことができる

その他、最近では、「低解約返戻金型終身保険」「年金保険」「外貨建保険」などを利用する人も増えているようです。これらがどんな保険なのかは、後ほど詳しく見ていきますが、いずれも低金利のなかで、少しでも効率よく貯蓄をしたいというニーズから利用されている金融商品です。

②目的と期間を決める

貯蓄の方法を考える前の前提として、まずは 目的と期間を決める ことが大切です。その内容次第で、どんな金融商品を使うのが有効なのか分かってくるからです。

また、それぞれの保険会社にも得意分野のようなものがあります。似たような商品を取り扱っているようでも、運用が上手で積立保険の利率がよい、ガン保険に力を入れている、保険料が安いなど、会社ごとの特徴があります。

複数の保険に入る場合は、1社だけで全てに加入せず、いろいろな保険会社の商品を見比べて、目的ごとに選ぶとよいでしょう。少々手間はかかりますが、後々、後悔しないで済みますよ!また、 貯蓄型保険は途中解約すると元本割れする商品が多い ので、無理なく支払い続けられる金額にしましょう。

③ 保障vs貯蓄性、どちらがメインか

賢い活用の仕方は、まず、 死亡保障と貯蓄、どちらを主軸にしたいのか を決めます。

例えば、貯蓄は自分で資産運用しているから死亡保障をメインに置きたい場合は、掛け捨ての定期保険でもいいという考え方もあります。なぜなら、毎月の保険料が全く違ってくるからです。仮に、30歳女性が死亡保障500万円の保険に入る場合、掛け捨ての定期保険であれば毎月の保険料は1000円未満、終身保険であれば1万3000円ほどと、10倍以上の差があります。

一方、貯蓄性を重視して、強制的にお金を積み立てたいという人には、銀行などの定期預金と同じくらいか少しお得に貯蓄ができる終身保険がいいでしょう。中途解約が不利になるという点を逆に活用すれば、特に向いています。ただし、いろいろな特約を多く付けると、満期まで継続しても元本割れになる場合があるので注意してください。

ここからは、貯蓄性重視タイプの方のために、近年の流行りの商品を解説していきましょう。

「低解約返戻金型終身保険」はこんな保険

保険代理店や保険ショップに行くと、貯蓄型保険として、最近は「低解約返戻金型終身保険」を勧められることが多いようです。長い名前ですね。この保険は、契約してから保険料を払い込む期間は「低解約返戻期間」として、中途解約の返戻率は70%ほどしかありません。

ただし、払い込みが満了になれば、返戻率が100%、120%、130%と一気に高くなる仕組みです。さらに、すぐに受け取らず据え置いておけば、返戻率は年々高くなっていくのです。

「低解約返戻金型終身保険」のメリットとデメリット

メリットは、これまでの終身保険よりも、 保険料払込期間の解約返戻率を低くするかわりに、保険料が割安に設定されている ことです。また、終身保険ですので死亡保障は手厚くなっています。保険料払込期間中に契約者が死亡した場合は、解約返戻金よりも大きな金額の死亡保険金が遺族に支払われるのも特徴の一つです。

デメリットは、途中で解約すると大きく元本割れすること。このため、 保険の見直しがしにくい、急にお金が必要になっても現金化しにくい という点にも注意が必要です。保険料の払込期間は、大抵20年、30年と長期にわたります。金額は無理のないよう、慎重に決めましょう。

このようなタイプの保険を選ぶ場合は、すぐに引き出せる貯蓄は別に準備しておく必要があります。また、終身保険としての死亡保障があるため、健康状態によっては加入できないことがあることも注意してください。

現役女性の例としては、自分が死亡したときの葬祭費用や、老後資金を準備するために活用するケースが多いようです。払込満了後は年金として受け取ることもできます。途中解約すると損することを逆手にとって、強制的に貯められるのもメリットと考えられますね。

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(写真=REDPIXEL.PL/Shutterstock.com)

「個人年金保険」はこんな保険

「個人年金保険」とは 、公的年金を補てんする私的年金という位置づけ の商品です。保険料の払込期間満了後、60歳や65歳などの契約時に定めた年齢になると年金が支払われます。 個人年金保険は、年金の受け取り方によって以下のように種類が分かれています。

  • 5年、10年などの一定期間で受け取ることができる「 有期年金
  • 一生涯にわたって受け取ることができる「 終身年金
  • 万一の場合は遺族に支払われる「 確定年金

「個人年金保険」のメリット・デメリット

メリットは、万が一、契約者が死亡した場合は積み立てた金額分が遺族に支払われます。もう一つ大きなメリットは、所得税の「個人年金保険料税制適格特約」を付加した場合、一般の生命保険料控除とは別枠で、 「個人年金保険料控除」という所得控除が受けられる ことです。

所得控除とは、その年に払った保険料の一部を所得から差し引くことにより、所得税と住民税を軽減できる制度です。支払った保険料に応じて、最大で所得税4万円、住民税2万8000円の所得控除を受けることができます。この場合、仮に税率が10%であれば、所得税4000円+住民税2800円で合計6800円の節税効果があります。

ただし、保険料払込期間が10年以上(一時払いは対象外)、年金の受取開始が60歳以上かつ10年以上あることなどの条件があります。また、終身保険のような死亡保障はないので、加入時に健康状態の告知は必要ありません。

デメリットは、 途中解約すると元本割れの可能性が高い ことです。また、定額年金の場合は受け取る年金額が決まっていますので、インフレには弱いことも理解しておきましょう。

「外貨建保険」はこんな保険

「外貨建保険」とは、 保険料を外貨で運用する保険 のことです。保険の種類は「終身保険」「養老保険」「個人年金保険」などの貯蓄性の高いものが多く、運用通貨の種類はアメリカドル、オーストラリアドルが多くなっています。

「外貨建保険」のメリット・デメリット

メリットは、支払う保険料を計算するときの予定利率が外貨の金利で決まるため、 低金利の円建てで加入するより割安で有利になる ことです。保険料は予定利率が高いと割り引かれて安くなるのです。また、金利の高い外貨で運用することで、円建てより貯蓄性が高いといえます。そして、円安になれば為替差益が出ます。

一方、一番のデメリットは外貨建て商品ゆえの 為替リスク です。いくら貯蓄性が高くなるといっても、あくまでも外貨ベースでの話。一般的には、保険金や解約返戻金は日本円で受け取りますが、金額は為替の影響で大きく変動します。保険商品によっては、毎月支払う保険料も為替で変動するため、計画が立てにくいのです。

全てが為替次第となれば、解約すると大きな元本割れとなる可能性は低くありません。また、次のような外貨取り扱いの際には、 為替手数料などの諸経費がかかる ことも把握しておきましょう。 ・保険料を支払うとき(円→外貨)
・保険金や解約払戻金を受け取るとき(外貨→円)
いわば、メリットがデメリットにもなることが、外貨建保険の特徴です。

保険金や解約返戻金を受け取るのは、通常で考えると数年先になるでしょう。すでに投資などで外貨建商品を利用していて、為替にも詳しいという人には向いているといってもいいかもしれません。

けれども、積立利率以外の要素が大きく、払込保険料、満期の保険金、解約時の払戻金の計算が難しくなるため、為替について詳しくないという人は、避けておいたほうがいい保険です。

あなたが向いている貯蓄型保険はどれか?

同じ貯蓄型保険といっても、内容は様さまざま。ここで、現役女性の場合でまとめてみましょう。

  • 万が一の葬祭費用とともに 老後資金を積み立てたい 人=低解約返戻金型終身保険
  • 税制のメリットを活用したい 人=個人年金保険
  • 為替の知識 があり、将来にわたる円安を予想している人=外貨建保険

これらを参考に、加入する保険を選ぶときは、各商品の比較検討を十分にしたうえで決めましょう。疑問に思ったこと、分からないことはそのままにせず、取り扱い保険会社の担当者に尋ねるなどして、理解と納得のもとに選ぶことが大切です。

深川美幸
大手証券会社、外資系投資信託運用会社などに勤務後、出産・育児に専念するため退職。2016年より、株と投資信託を中心にした女性限定の資産運用セミナーを主宰。ファイナンシャルプランナー(CFP)

(提供: DAILY ANDS

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