ビジネスシーンでも、カジュアルな場面でも、スーツを着用する際に重要になってくるアイテムがネクタイだ。スーツの胸元、いわゆるVゾーンと呼ばれる場所は、対面した相手の目に入りやすいエリア。ネクタイはその中心にくる、大切なアイテムといえる。私達の身の回りでも学生時代から就職活動、社会人に至るまでの、さまざまな場面で身につけることが多いといえるだろう。

しかし、日頃からなんとなくネクタイを選び、ファッションの一部として使用することが多いのではないだろうか。あるいはスーツとセットのアイテムだからと、仕方なく選んでいる場合もあるかもしれない。

しかし、ネクタイには長さや太さなど、身につけ方一つとっても見栄えの良い方法がある。また、色や柄などのチョイスとコーディネートに気を配るだけで、周りの人への印象を変えられるのもネクタイの隠れた魅力といえる。まずは、ネクタイを身につける際のルールからおさらいしてみよう。

スーツ,ネクタイ
(写真=Irina Braga/Shutterstock.com)


覚えておきたいネクタイのルール

現在の形に通じるネクタイが最初に考案されたのは、イギリスだとされている。「Four  in  hand」と呼ばれる馬車の愛好家たちが、胸元からスカーフを垂らしてお洒落を楽しんだことに由来している。日本ではジョン万次郎がすでにネクタイを着用していたと記録されている。もともと、ネクタイは西洋のビジネス界や社交場でのマナーの一つとして発展してきたもの。だから時と場所、状況といういわゆるTPOに合わせた使い方をすることが求められる。

ネクタイの長さ

ネクタイを締める際の長さには一定のルールがあり、「大剣」と呼ばれる太い側がベルトに少しかかるくらいがよいとされている。本来、スーツはベストを着用するのが正式とされているので、ベストはベルトが隠れるくらいの長さに作られている。だから、ベストの内側に着用するネクタイはベストからはみ出ることのないように、ベルトに少しかかるくらいがよい見栄えになるのだ。

そして「小剣」と呼ばれる幅が細いサイドは、大剣よりも長くならないようにすべきだ。結んで折り返した小剣は大剣の裏側にある「小剣通し」に通したり、もしくはタイピンなどのアイテムを使ったりして、遊ばないように固定する。

ネクタイの太さ

ネクタイの太さは流行によって変化していくが、太すぎず、細すぎずを心がけるようにすることが大切だ。

幅が6センチ以下だとカジュアルすぎるし、12センチ以上では太すぎる。一般的な太さは8.5センチから9センチ程度とされている。もし、それでも迷うようならば、自分の持っているスーツの胸元にくるラベルと呼ばれる場所の太さと、ネクタイの太さを合わせると、見栄えがよくみえるので試してみるとよいだろう。

ネクタイの結び方

ネクタイの結び方にはいくつもの種類があり、生地の厚さなどに応じて変えていく。まず覚えたいのが、最も簡単で基本的な結び方といわれている「プレーンノット」という結び方。中にはこの結び方だけしかしないという人もいるほどだ。ほかには、プレーンノットよりも結び目が大きくなる「セミウインザーノット」、ニット生地のネクタイなど厚手の生地向けの「オリエンタルノット」と3種類程覚えておけば、さまざまなシーンでも困らないだろう。

ネクタイの基本的な扱い方は以上だが、さらに色や柄の選び方にこだわることで相手に与える印象が違ってくる。まずは色による印象の違いからみていくことにしよう。

スーツのネクタイの色別で与える印象の違い

ネクタイの色、あなたの選び方は?

あなたは、普段、スーツに欠かせないネクタイの色をどのように選んでいるだろうか。

自分の好みだから、いつもしている色だからといった理由で決めている人もいるかもしれない。しかし、色彩にはそれぞれ意味があり、人に与える印象が違ってくる。それはネクタイの色に関しても同様だ。むしろ、相対する人の目に入りやすいアイテムのネクタイだからこそ、色が与える印象について考えることが大切になってくる。

ネクタイの色と与える印象の違い

色は色彩心理学というジャンルがあるなど、人に与える印象を左右する力を持っている。では、ネクタイの色の違いにより人に与える印象はどのように変わるのだろうか。

青色系のネクタイ

青色は冷静で知的な印象を与える。また、誠実さというイメージも合わせ持っている。濃い色になると落ち着きを、薄く明るい色になると爽やかさを演出できる。また、気持ちを落ち着かせる効果も期待できるので、冷静に進めたい商談やクレーム対応の際に着用するのが良いだろう。

赤色のネクタイ

赤色は活発さを表し、ビジネスの場ではやる気をアピールすることができるのが特徴だ。明るくなるほどカジュアル感が増し、エンジ系など濃い色になるほど信頼感が増す。周囲に自らをアピールする必要があるプレゼンの場や、商談の場での着用すると効果的な色だ。

黄色のネクタイ

黄色は白を除く有彩色と呼ばれる色彩の中で最も明るい色だ。そのため、元気や若さ、活発さなど、ポジティブな面をアピールするのに最適な色といえる。多くの人と会うミーティングの場や、パーティーなどで着用するのが効果的といえるだろう。

茶色のネクタイ

茶色の与える印象は堅実や誠実さ、信頼感だ。周囲からの信頼を得たい場面や、堅実さが求められる場面で使うといい。新プロジェクトのミーティングや会議の場など、参加者の気持ちや意見をまとめる必要がある場面での使用がイメージできるだろう

緑色のネクタイ

緑色は暖色系と呼ばれる赤系の色と、寒色と呼ばれる青系の色との中間に属する色だ。目に優しい色とされており、安定や落ち着きといった印象を与えることができる。交渉事を落ち着いて進めたい場合などには最適な色ともいえるだろう。

日常に生かす色の印象

色が印象に与える効果に関してお分かりいただけただろうか。海外の選挙シーンやサミットなどでみかける討論やミーティングなどでは、こうした色による効果を上手に利用している場面も見受けられる。

日頃のビジネスシーンでは、同じ系統色のネクタイを着用することで自分のイメージを周囲に演出することができる。しかし商談やミーティング、レセプションなど状況に合わせて着用するネクタイを変えていくことで、活発さや冷静さ、信頼感など色のイメージを効果的にビジネスの場で利用することができる。あなたも明日からネクタイの色を毎日の仕事に活用してみてはどうだろうか。

スーツのネクタイの柄別で与える印象の違い

ビジネスやフォーマルの場ではネクタイの柄の選び方を変えることで誠実で真面目、親しみやすく明るいなど、さまざまな印象を与えることができる。そのためには柄のタイプや、与える印象を理解しておく必要がある。

ネクタイの柄は大きく分けて「無地」「ストライプ」「リバース」「水玉」「小紋」「チェック」の5つのタイプに分けることができる。縫製技術やデザイン技術、機器の進歩などにより、最近ではネクタイの柄も、上記の5つ以外にさまざまなデザインやグラフィックをプリントすることが可能になってきている。しかし、ビジネスの場やフォーマルな場では基本的な5つのタイプから選ぶのが無難だといえる。

無地

一番くせの無いのがこの無地のタイプだ。余計な装飾がない分、色や素材の選び方が重要になってくる。しかし、主張がない分、相手に悪印象を与えることがない。謝罪が必要な場面などに選びたいのがこのネクタイといえる。また、前述の色の効果をストレートに生かすことができるのも、無地のネクタイの特徴だ。

ストライプ

活動的な印象や、知的な印象を与えることができるのがストライプ柄だ。ストライプの柄を狭く、細かい柄にすることでより知的な印象を与えることができる。また、細かいストライプにすることで無地に近い印象を与えることも可能だ。

ストライプの柄にはさらに「レジメンタルストライプ」と「リバース」という2種類のタイプがある。向かって右上から左下に向かう柄がレジメンタルストライプ、左上から右下に向かう柄は「リバース」と呼ばれている。

レジメンタルストライプはもともと、英国の軍隊を識別するために作られた柄と言われている。人によってはそうした事柄を連想することや、堅いイメージを持たれてしまう可能性もあるので、国際的な場や海外の場では他の柄を選択する人もいるようだ。一方、日本の就職活動やビジネスの場では、定番のアイテムとして持っている人も少なくない。場所や状況に合わせてチョイスすることや、リバース柄を活用するなど、上手に取り入れていきたいものだ。

水玉

丸い形が整然と並ぶ水玉柄は、最古のネクタイ柄と言われている。水玉が大きくなればなるほど、柄の主張が大きくなり、カジュアルさが増してくる。大きな柄と小さな柄を持っておくことで、カジュアルにもフォーマルにも対応できる。ベーシックなアイテムとして、1つ持っておきたい柄といえる。

小紋

花形やスクエア形など、小さなグラフィック柄を規則正しく配置したのが小紋柄だ。水玉よりもさらに自由度が高いので、さりげなく自分らしさを演出することが可能だ。図形が規則正しく並んだ柄は、誠実さや確実さなどの印象を与えることができる。水玉柄と同様、柄が大きくなるとカジュアルさが増すので、注意が必要だといえる。

チェック

カジュアルで親しみやすいイメージを与えるのがチェック柄。接客シーンやカジュアルなパーティー、会合などで使いたい柄といえる。初対面の相手の緊張を和らげる効果も期待できるだろう。

以上のように、柄のタイプと大きさを選ぶことでさまざまな印象を与えることができる。色の印象を組み合わせることで、効果をさらに高めることができるだろう。

上記の他にもストライプと小紋を合わせることでスポーティーな印象を与える「ロイヤルクレスト」や、ザクロなど植物の図案を多用しオリエンタルな雰囲気が感じられる「ペイズリー」などさまざまな柄がある。

シーン別ネクタイの選び方

アメリカの大統領は演説の際に見る人の心に訴えかけ、記憶に残るよう、赤い色のネクタイを着用することが多いという。ビジネスシーンにおいても、相手に与えたい印象を考えてネクタイを選択することが必要になってくる。

就職活動

就職活動や転職活動の場合、相手にアピールしたいのは真面目さや誠実さ、やる気などだ。紺やエンジなど濃い色で、実直な感じや前向きな姿勢をアピールしつつ、落ち着いた感じを与えることができる。ネクタイの柄は無地や細かいストライプ、ドットなど、余り派手過ぎないものにすることが大切だ。

新卒での就職活動の場合には、フレッシュさを演出することが必要になってくる。水色や薄い黄色など、明るい色を活用するのもよいだろう。

打ち合わせや商談

打ち合わせや商談などでは、話をまとめることや、前に進めることが大切になってくる。信頼感や知的な印象を与える紺や濃いブルー系で、柄が無地もしくは派手ではないものを選ぶと良いだろう。

ただ、窓口での対応など、不特定多数の人に接する場合にはブルーやグリーン、明るいイエローなど爽やかな第一印象を与える色も良いといえる。ただ、その場合でも柄は無地もしくは控え目な柄にすることが望ましいだろう。

プレゼンテーション

大勢の人に訴えるプレゼンテーションの場では、はっきりした色の赤系の色が良いだろう。また、クリエーティブなアピールをしたい場合には、黄色や紫といった普段使わない色を使用するのもアピールに役立つ。

会議や講演

会議や講演会などは、真面目さや信頼感が大切になってくる。また、話し合いをする中で議題の決議を行うこともあるので、紺色系、濃い緑の他濃い茶色系の色も効果的だ。無地や柄が小さく、主張の小さい柄がよいだろう。

パーティーや会合など

パーティーや会合は気の置けない友人、知人の集まりから公式なものまで、さまざまなシーンが考えられる。フォーマルな集まりでは紺やエンジ、濃い緑など重厚な色と、無地か控え目な柄で信頼感や重厚感を演出することができる。

一方、カジュアルな集まりでは黄色やオレンジなどの明るい色と、チェック柄やストライプ柄などで、会う人に明るさや楽しさを演出したいところだ。前述のロイヤルクレストやペイズリーといった柄のほか、動物やキャラクターをプリントした新しい柄を取り入れることで、より自分らしさを演出することができるだろう。

スーツとネクタイの合わせ方

スーツとネクタイを合わせる時、大切なのはメリハリをつけること。柄や色が重ならないようにすることが大切だ。例えばストライプ柄グレーのスーツに同じストライプのグレーのネクタイを合わせても、メリハリがなくぼんやりとした印象になってしまう。

グレーのストライプ柄のスーツに紺色のドット柄のネクタイ、紺色の無地のスーツにエンジ色のストライプのネクタイなどがわかりやすい例といえる。

スーツとネクタイが同色系ならば、濃淡や柄で違いをつけることで、統一感がありながらメリハリのついた印象を与えることができる。紺色のスーツと水色のネクタイというと分かりやすいだろう。

ご自分のもっているスーツの色を基準にして、落ち着いた感じを演出したければ、同色系統で濃淡や柄で差をつけるとよいといえる。また、印象を強めたいのなら、スーツとネクタイの色を別系統のものに変えるとよいだろう。

カジュアルな雰囲気のパーティーなどでは思い切って明るい色をチョイスするほか、柄をプラスして印象を高めたり、ネクタイの素材を変えてみたりするのも良いだろう。普段のビジネスシーンでは使わない色を選ぶことができるのが、カジュアルシーンでのネクタイ選びの楽しさだ。さらに、中に着用するシャツの柄やデザインを工夫することで、バリエーションを増やすことができるだろう。

ほかにも、季節感を生かしてコーディネートを考えることができる。スーツは当然、季節ごとに着替えるものだ。春夏物のスーツは明るい色や柄で通気性の良い素材を、秋冬物は落ち着いた柄で保温性の良い素材を使うなど、スーツとネクタイの季節感をそろえることもテクニックの一つといえる。ネクタイの素材は、もともとシルクを使ったものが主流だった。今ではポリエステルなど安価で見栄えのあるものや、厚手の素材など豊富なバリエーションのあるものが作られている。

色や柄を組み合わせて自分だけのネクタイを見つけよう

ネクタイの基本的なルールから色や柄ごとの与える印象の違い、シーン別の選び方からスーツとの組み合わせまでを解説してきた。ファッションアクセサリーの一つにすぎないネクタイだが、Vゾーンという顔から近い場所に位置するため、人に与える印象は小さくない。にもかかわらず、日頃はあまり意識した選び方をしない人も多い。

とはいえ、最初から全てのシーンごとにネクタイをチョイスすることは難しいかもしれない。まずは、スーツとネクタイを着用する場面を、カジュアルな場面とフォーマルな場面の2極でイメージをするところから始めてみとよいだろう。そして、フォーマルな場面では紺のレジメンタル柄、カジュアルなシーンではイエローのチェック柄など、お気に入りのものを一つでいいので作ってみるといい。

そして、そこから柄をかえる、色を変更してみるなど、少しずつバリエーションを増やしていくことが大切だ。上司や同僚など親しい人に意見をもらいながら、ネクタイ選びに対する自分のスタイルを作っていこう。そうすれば、いつかあなただけのネクタイとスーツの組み合わせが出来上がるだろう。(ZUU online編集部)

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