ニュースで話題になることも多い、さまざまな新薬。がんや認知症などの特効薬を生み出すべく、世界中の製薬会社が競って研究開発を行ってくれているのは、とてもありがたい話です。健康という視点からも、投資の対象としても興味が尽きない製薬会社の会社情報ですが、一体どのような視点で見ればよいのでしょうか。

日々生まれてくる新しい薬

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(写真=PIXTA)

日本製薬工業協会サイトによると、現在、医療の現場で使われている医薬品の99%近くが、50年前には存在していなかったものとのことです。新しい薬が生み出され、認可を受けて発売されるまでには、長期間の研究開発と試験が必要とされると言われるにもかかわらず、それだけ日夜新しい薬が生まれ続けているわけです。

こうした製薬業界は、投資先としても魅力的だと言えます。そもそも嗜好品と違って、薬は景気が悪くなったからといって使う機会が減るという品物ではありません。こうした必需品を扱う業種の株式は、景気動向に関わらず比較的安定していることから、「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれています。

高齢化社会の進展によって薬の需要はますます高くなるため、今後も市場の拡大が見込めます。しかも、がんや認知症、HIV/AIDSなど、予防や治療が難しく、より効果の高い薬品が切実に求められている病気もたくさんあります。これらの病気に対する特効薬が開発されれば、一気に株価が上がることも考えられるでしょう。

ディフェンシブ銘柄は製薬会社の他に、交通機関、食料、電気やガスなどのインフラや生活必需品を取り扱う会社の銘柄を指します。一般的に景気に左右されにくく、安定した株価を維持することが多いため、不景気に人気が出やすいのも特徴です。また、株価の変動が少ない分、配当目的で安定したインカムゲインを得たいと考えている人にも向いている銘柄と言えます。

リスクがあることも忘れずに

しかし「ディフェンシブ銘柄」であっても、大きく株価を下げるリスクがないわけではありません。

たとえば、アメリカの政権交代に先立って、「トランプ政権によって何が変わるか」の予測に基づいて、さまざまな株価の変動がありました。「トランプ相場」と呼ばれるこの値動きのなかで、一時、製薬業界の株が(対立候補のヒラリー・クリントン氏が薬価引き下げなどを主張していたものの、トランプ氏はそうした態度を見せなかったこともあって)買われたものの、その後急落しました。

これは、トランプ氏が2017年初め、アメリカの製薬会社の多くがタックスヘイブンである外国に本社を持つことなどを声高に批判し、厳しく薬価の入札を行うようにする旨の声明を発表したためです。

また、昨今の「医療訴訟」の増加に製薬業界も無縁ではありません。例えば日本の武田薬品工業は、特にアメリカでの訴訟費用として、2014年度に3,241億円を計上し、大きな損失を出しています。

さらに新薬の開発に関しても、株式投資で利益を出すことを考えれば、どのような会社がどのような開発を行っているのか、それがどれだけ新規性があるのか、いつごろ製品化される見込みがあるのか(当然それらの情報の大半は秘密)を先読みする必要があります。当然、素人ではなかなか分析し切れるものではありません。もっとも、大局的に見れば魅力的な業界であるかもしれません。(提供: IFAオンライン

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