投資には絶対はなく「利益」はコントロールできない。しかしある程度はコントロールできるのが「コスト」だ。初心者に限らず投資を成功させたいなら、利益を上げることを考える前にまず、支出を下げること。これは投資の鉄則だ。

そこで多くの個人投資家が投資で利用するネット証券の「取引手数料」について検証しよう。手数料は投資を行う際、あらかじめ経費として織り込んでおく必要がある。

証券会社の努力によって手数料はかなり引き下げられており、1回の取引ごと、1商品ごとの手数料は高くない。しかしチリも積もれば山となる。そもそも預金など手軽な金融商品の金利はほとんど見込めない現在、ATMを時間外に利用するだけで簡単に利息はとんでしまう。

こう考えると手数料を安く、できれば無料にすることは必須だ。ネット証券大手のSBI証券と楽天証券を中心に、ネット証券で手数料を無料にする方法を紹介していこう。

目次

  1. まず証券会社でかかる手数料の種類をおさえる
    1. 取引手数料の種類
  2. SBI証券の手数料体系をおさえる
    1. スタンダードプラン手数料体系
    2. 信用取引 スタンダードプラン
    3. アクティブプラン 現物取引 手数料体系
    4. アクティブプラン 信用取引 手数料体系
  3. SBI証券で手数料が無料になる条件とは
  4. SBIでNISAを利用すれば手数料が無料に
  5. 楽天証券の手数料体系をおさえる
    1. 超割コース 現物取引
    2. いちにち定額コース
  6. 楽天証券で手数料を無料にするには
    1. 信用取引
    2. 貸し株
    3. 投資信託
  7. 楽天NISAでも手数料が無料に
  8. 他の証券会社で手数料が無料になる条件とは
  9. 証券口座を複数持つという道も
  10. SBI証券と楽天証券について詳しく知る
    1. SBI証券関連記事
    2. 楽天証券の関連記事はこちら
  11. 信用取引について詳しく知る

まず証券会社でかかる手数料の種類をおさえる

取引手数料とは、株を売買する際にかかる「売買委託手数料」、お金を入出金する際にかかる「入出金手数料」、取引に使う口座の「口座管理料」などがある。

取引手数料の種類

・売買委託手数料 ……商品の売買でかかる
・入出金手数料……口座にお金を入出金する際にかかる
・口座管理料……口座を持っているとかかる

金額は証券会社によって違うが、ネット証券は店舗を構える総合証券よりも金額が安い。例えば、株式売買手数料は、総合証券会社ではみずほ証券でコールセンター利用の場合は最低2,700円、野村證券では20万円以下で2,808円 となっている。

それに対し、ネット証券ではマネックス証券の場合、10万円以下で100円、楽天証券では10万円までで139円 とかなり金額が低いのが特徴だ。ネット証券では口座管理料が必要ないことがほとんどのため、必要経費が少なく抑えることが可能となる。

SBI証券の手数料体系をおさえる

(画像=SBIポイントWebサイトより)
(画像=SBIポイントWebサイトより)

まずSBI証券の手数料 についてみていこう。SBI証券は現物取引の場合、スタンダードプランとアクティブプランの2種類から選ぶことができる。スタンダードプランは1注文の約定代金に対して手数料がかかる。スタンダードプランで現物取引を行った場合、10万円までで139円、20万円までで185円と金額が増えるごとに手数料も増える。

スタンダードプラン手数料体系

1注文の約定代金 手数料(カッコ内税込)
10万円まで 139円(150円)
20万円まで 185円(199円)
50万円まで 272円(293円)
100万円まで 487円(525円)
150万円まで 582円(628円)
3,000万円まで 921円(994円)
3,000万円超 973円(1,050円)

信用取引 スタンダードプラン

1日の約定代金合計額 手数料(カッコ内税込)
20万円まで 143円(154円)
50万円まで 191円(206円)
50万円以上 360円(388円)

これに対し、1日の取引回数が多くなる方向けなのがアクティブプラン。1日の約定代金合計額に対して手数料がかかるプランだ。アクティブプランで現物取引を行った場合場合、10万円までなら無料、20万円までで191円、30万円までで286円、50万円までで429円、100万円までで762円、100万円以上の場合100万円増加ごとに400円ずつかかる仕組みだ。

アクティブプラン 現物取引 手数料体系

1日の約定代金合計額 手数料(カッコ内税込)
10万円まで 0円
20万円まで 191円(206円)
30万円まで 286円(308円)
50万円まで 429円(463円)
100万円まで 762円(822円)
以降100万円増加毎に 400円(432円)ずつ増加

信用取引の場合は以下のような金額となる。信用取引でも1日の約定代金合計が10万円までの場合、手数料は無料だ。

アクティブプラン 信用取引 手数料体系

1日の約定代金合計額 手数料(カッコ内税込)
10万円まで 0円
50万円まで 239円(258円)
100万円まで 477円(515円)
以降100万円増加毎に 400円(432円)ずつ増加

口座開設料、口座管理料、入出金などには手数料はかからない 。

SBI証券で手数料が無料になる条件とは

SBI証券で手数料を無料にするには、アクティブプランを選ぶことだ。

アクティブプランなら1日の約定代金合計が10万円以下であれば、手数料はかからない。 少額投資が中心の投資初心者や若年層に向けたプランで、約定代金合計が10万円以下であれば何度取引をしても手数料はかからない。投資し始めで手数料を抑えたい人にはうれしいプランだ。この10万円は現物取引と信用取引を別々に計算してくれるのもうれしい。現物取引で10万円、信用取引で10万円の合計20万円までは手数料無料 で投資を行うことが可能になる。他のネット証券でも10万円までは手数料無料になるプランがあるが、現物と信用を別で計算するのはSBI証券のみだ。
>>SBI証券の公式ページはこちら

10万円以下では投資先があまり選べないのではないかと思いがちだが、10万円以下で買付可能な銘柄は、2017年8月17日時点で1,120銘柄ある。株主優待銘柄も287銘柄あり 、これから投資を始めようという初心者には選択肢は十分あるといえるだろう。

SBIでNISAを利用すれば手数料が無料に

SBI証券で手数料が無料になる方法がもう一つある。それはNISA口座を開設することだ。 SBI証券では2014年からNISA口座での取引手数料を無料にしている。

手数料無料となる商品は、成人NISA口座での国内株式取引と海外ETF。国内株式取引は売買代金に関わらず、買付、売却ともに手数料が無料となる。現物株式、ETF、ETN、REITも含まれる。ただし単元未満株取引は対象外だ 。

またNISAの非課税枠は年間120万円まで。投資額が年間120万円を超えるとNISAの非課税枠から外れるため、120万円を超えてからの取引については売買手数料が徴収されるので注意が必要だ。また、信用取引、現引き・現渡しもNISA制度の対象とはなっていないため、除外される。

海外ETFは買付代金に関わらず買付の手数料が無料だ。ただし、海外ETFを除く通常の外国株式取引には委託手数料が適用される。 ただし、こちらも年間の投資額が120万円を超えてからは通常の売買手数料が徴収されることになる。

楽天証券の手数料体系をおさえる

(画像=楽天証券Webサイトより)
(画像=楽天証券Webサイトより)

次に楽天証券の手数料に ついてみていこう。

楽天証券の国内株手数料は超割コースといちにち定額コースから選ぶことができる。超割コースは、1回の取引金額で手数料が決まるシステムだ。現物取引では10万円までで139円、20万円までで185円となり、以降取引金額が上がるごとに手数料も上がっていく。 この金額はSBI証券と同じで、ネット証券でも最安値となるが、楽天証券は手数料の1%分をポイントバックが受けられるという利点がある。
>>手数料1%ポイントバックの楽天証券で投資を始めてみる

超割コース 現物取引

信用取引は約定金額にかかわらず手数料は360円で固定だ。

1日の約定代金合計額 手数料(カッコ内税込)
10万円まで 139円(150円)
20万円まで 185円(199円)
50万円まで 272円(293円)
100万円まで 487円(525円)
150万円まで 582円(628円)
3000万円まで 921円(994円)
3000万円以上 973円(1050円)

それに対し、1日の取引金額合計額に対して手数料が決まるのがいちにち定額コース。1日の約定金額合計が10万円までなら手数料は0円となる。

いちにち定額コース

1日の約定代金合計額 手数料(カッコ内税込)
10万円まで 0円
20万円まで 191円(206円)
30万円まで 286円(308円)
50万円まで 429円(463円)
100万円まで 858円(926円)
200万円まで 2,000円(2,160円)
300万円以上 3,000円(3,240円)
以降100万円増加ごとに 1.000円(1,080円)ずつ増加

いちにち定額コースは、SBI証券のアクティブコースと50万円までの手数料は同額だが、100万円以上では手数料がSBI証券よりも高くなる。しかし、楽天のいちにち定額コースにはデイトレード割引が あり、1日で取引を手仕舞う場合は返済手数料が無料となる。 自分の投資スタイルに応じて選ぶことが大切だ。

楽天証券で手数料を無料にするには

楽天証券を利用して手数料が無料になるのは、いちにち定額コースを選んで1日の約定金額を10万円までに抑えることだ。ただし、楽天証券では現物取引と信用取引の合計金額で手数料が決まる ため、SBI証券よりも投資できる額は少なくなる。

取引金額が多くても手数料を無料にする方法もある。それが超割コースの大口優遇 だ。超割コースで設定された大口優遇の判定条件のいずれかを達成すると、信用取引手数料が無料となり、現物取引の手数料も10万円で139円から90円、20万円で185円から180円と安くなり、手数料の2%がポイントバックされる。大口優遇は一度条件を達成すれば、3カ月間適用となる。 大口優遇の判定条件は以下の5項目。どれか1つを達成すれば大口優遇適用となる。

信用取引

一日の新規建約定金額合計額 5,000万円以上
1カ月の新規建約定金額の合計額 5億円以上
その日15時時点の信用建玉残高 5,000万円以上

貸し株

一カ月の平均残高 5,000万円以上

投資信託

一カ月の平均残高 5,000万円以上

デイトレードを専門で行う方には、いちにち信用コースもおすすめだ。デイトレードだけの信用取引専用の制度で、取引にかかる売買手数料は無料となる。金利、貸し株料も100万円以上の場合は買方金利、貸株料ともに無料。100万円未満の場合はともに1.90%となる。
>>大口優待で手数料割引が受けられる楽天証券の公式ページはこちら

楽天NISAでも手数料が無料に

楽天証券でもNISA口座を開設す ると、現物株式の売買、投資信託(ノーロード)の取引手数料、海外ETFの買付時手数料が無料となる。投資信託はNISA対象銘柄が2,380本以上ラインアップされており、充実した投資を行うことができる。

ただし、SBI証券のNISA口座と同様に、手数料無料となるのは年間投資額100万円まで。投資額が100万円を超えると規定の取引手数料が必要となる。
>>手数料無料の楽天NISAで取引を始めてみる

他の証券会社で手数料が無料になる条件とは

SBI証券楽天証券以外の証券会社で手数料が無料になる条件を紹介していこう。

会社名条件・内容など

ライブスター証券 2017年12月31日までに新規口座を開設した場合、2カ月間手数料が無料になる。 ※現物取引手数料、信用取引手数料、先物取引手数料、オプション取引手数料
マネックス証券 トレードステーション 利用口座を開設すると、口座開設日から翌々月まで取引手数料が無料になる。ただし、プログラム期間中累計約定金額が5,000万円に達すると翌週だい2営業日より通常プランに移行。 マネックス証券 NISA口座を開設すると、国内株式売買手数料、外国株式買付時の国内取引手数料が無料になる。
東海東京証券 2018年3月末までの期間中、国内上場株式(ETF、REIT含む)の単元株取引および新規買い建ておよび新規売り建て、信用建玉決済の各取引に対する株式委託手数料が無料になる。
松井証券 現物取引を行う場合、1日の約定代金が合計10万円までの場合は手数料無料。さらに信用取引口座を開設した場合、開設後6カ月間は1日の約定代金が30万円までの場合は無料となる。
岩井コスモ証券 手数料コースでスタンダードコースを選んだ方で信用取引の日計り取引(デイトレード)を行った場合は取引手数料が無料。1約定の建玉金額が200万円以上の場合は買い方金利・貸し株料も無料となる。 岩井コスモ証券 2017年10月2日から12月29日までの間に証券総合口座を開設した場合、現物株式取引手数料を最大2カ月間全額キャッシュバック。実質無料に。
GMOクリック証券 判定日の大引け信用建玉残高が合計5億円以上、判定期間における日計り信用決済約定代金が合計5億円以上、判定機関における未決済信用建玉残高が平均1億円以上、判定機関における貸株残高が平均1億円以上のいずれかをクリアすると、判定日の翌月第一営業日から最終営業日まで信用取引手数料が無料になる。
制度信用買方金利:1.9%(年率)。
丸三証券 新規口座を開設した後2カ月間は株式取引手数料が無料になる。
立花証券ネットトレード ストックハウス 2017年9月1日から2018年3月30日までの期間中、新規で証券口座を開設した方は3カ月間現物株式の取引手数料が無料になる。
岡三オンライン証券 2017年9月1日から2017年12月29日までに新規で証券総合取引口座を開設した方は、最大3カ月間国内株式の現物取引および信用取引の取引手数料を全額キャッシュバックする。

基本的には新規で証券取引総合口座を開設した方に向け、期間限定で手数料が無料になるキャンペーンが多いようだ。証券会社によって取引金額の上限が定められていたり、期間が違ったりする場合があるので、十分比較した上で選ぶことが大切だ。

約定代金が合計10万円以下であればずっと手数料が無料になるSBI証券、楽天証券も含めて、自分に一番合った証券会社、お得なキャンペーンを選びたい。

例えば毎日何度も取引するデイトレーダーのようなスタイルで投資するのであれば、現物取引と信用取引の約定代金を別々で計算してくれるSBI証券のアクティブコースが一番得になりそうだ。

逆に大口の投資をするなら、楽天証券で大口優遇を受ければ信用取引の取引手数料が約定代金に関わらず無料となる。さらに現物取引のキャッシュバックもあり、割引率も大きい。

まずは自分の投資スタイルを照らし合わせて、証券会社を選んでみることをおすすめする。

証券口座を複数持つという道も

投資家のなかには、複数の証券会社で口座を開設している人は珍しくない。

これは手数料を比較するというより、それぞれのネット証券にはその会社なりの特徴、強みがあるからだ。たとえばSBI証券はIPOの取り扱い数が多いことや夜間にもリアルタイムで取引ができるPTS(Properietary Trading System)があり、朝8時20分から、また夕方5時から夜23時59分まで取引ができる。

また楽天証券はパソコン用のトレーディングツール「マーケットスピード」が高い評価を受けている。これは株価や日経平均、外国為替、米国株式市場の動向などを自動更新、リアルタイムで見ることができる。分析チャートも豊富なほか、日経テレコン、四季報なども配信するなど情報も充実している。さらに楽天といえばスーパーポイントをイメージされる人も多いだろうが、取引によってこの楽天スーパーポイントが付与されるので、ポイントをためている人には魅力だろう。

マーケットスピード画面(画像=楽天証券Webサイトより)
マーケットスピード画面(画像=楽天証券Webサイトより)

ほかにも、昨今人気が高まっているIPO(Initial Public Offering)投資を考えているなら、複数の証券会社に口座を持つことで当選の確率を高められるかもしれない。IPOやPO(公募増資・売り出し)は公募・売り出しされる株式数が決まっているため、購入したい投資家を募るが、人気銘柄への応募は多く、抽選で決まることが多い。それでもIPO投資では、上場直後の初値が公募価格(売り出し価格)を上回ることがあるため(もちろん下回ることもあるが)、人気の投資手法であり続けるだろう。

どこの証券会社にするかを考えるとき、必ずしも1社に絞り込む必要はない。最初につくる口座は一つかもしれないが、その後キャンペーンの時期などを利用しながら、新たな会社に口座を持つことを検討してみてもいいだろう。(ZUU online編集部)
>>IPO株取り扱い多数のSBI証券で口座開設する
>>楽天証券で無料口座開設してポイントをためる

SBI証券と楽天証券について詳しく知る

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