流行語大賞の候補が発表され、年の瀬の様相を示していく11月。
この時期には保険会社から封筒が送られてきて、年末調整のために
会社に持参する必要がでてくる。一方で年が明けると、自営業者の人は慌ただしく税務署に向かう準備がはじまる。

この手続き、どちらも自分自身の報酬に関連するようなのだが、いったい何が違うか答えられるだろうか。まず、言葉の違いから。年末までに進める手続きを「年末調整」。一方で年が明けてから3月までに行う手続きを「確定申告」という。それぞれ、どのような手続きなのかをまず見ていこう。

1. 年末調整とは?

年末調整,確定申告
(写真=PIXTA)

――納付した税金の「過不足」を調整する手続き

年末調整は会社(事業所)勤めの会社員に必要な手続きだ。毎月の労働の対価として受け取る給料には、所得税と住民税という税金がかかる。これらの税金は毎月「概算」で算出し、納付する。一方で個々の会社員には様々な環境の変化がある。家族数の変化による扶養環境の変更、控除対象となる生命保険保険料や社会保険料の最新状況など。そのため年末のタイミングで最新事情の報告とすることで、納付税額の「再計算」をする流れだ。

とはいえ、年末調整は会社員にとってそれほど大変な作業ではない。

  • 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」
  • 「給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」

会社からこれらの書類を受け取り、必要条項を記入のうえ、総務人事部に提出する。保険会社から届いた書類は、この時に申告する保険料の支払額を証明する書類だ。対象となる生命保険に加入していると、請求することなく自宅に届く。

年末調整の手続きを完了した会社員は、翌年の確定申告手続きが不要だ。つまり、年末調整は確定申告の代わりに行うもの、という位置づけだ。

会社に勤めていると、基本的にはこの年末調整の対象となる。ただ、年収2000万円を超過している人などは対象外となるため、総務人事部に問い合わせてみよう。また、年度内で「転職」をした人は、現在勤めている会社が年末調整の窓口となる。

2. 確定申告とは?

――会社勤め関係なく、所得のあるすべての人が行う手続き

一方の確定申告は毎年2月中旬から3月中旬にかけて、直接税務署に行っておこなう手続きだ。当然税務署の担当は1年間の報酬を知らないため、所定の書類に必要書類をすべて記載して税務署に赴くこととなる(郵送やインターネットを活用した手続きも可能だ)。

自営業や会社の役員が主な対象だが、前項の「年末調整の対象とならなかった人」も確定申告を行う必要がある。また、住宅ローン控除の対象の方も購入初年度の確定申告に限り手続きが必要だ。

確定申告は簡素な「白色申告」と、複雑な「青色申告」がある。後者の青色申告を選ぶと、いくつかの特典が得られる。事業が専業の場合は所得(給与ではない)が38万円以下、会社員の副業のような副次的収入の場合は20万円以下は確定申告の必要がない。それ以外の方は対象になると考えていいだろう。

3. 自分は年末調整の対象か、確定申告の対象かを考える

ここまでお伝えしたように、自分自身がどちらの対象か確認することが大切だ。年末調整と確定申告は手続きの時期も違えば負担感も大きく異なる。

会社員の方はまず、年末調整の対象かどうかを確認するところから始めよう。年末調整の対象ではない場合は確定申告の必要が生じるが、経費入力など煩雑な手続きも多い。かつ準備期間が年末年始といった忙しい時期のため、早めに自分自身の状況を把握しておくことが大切だ。

最近はインターネットを活用した会計サービス(クラウド型会計)がサービス各社から発売され、確定申告の準備も著しく短縮化された。また確定申告をすることによって自分の周囲での「お金の流れ」「税金納付までの流れ」を理解できることにも繋るため、確定申告を経験することは貴重な学習機会ともいえる。実際、年末調整の対象でも確定申告を行う人もいるくらいだ。

確定申告の結果、税額再算定により追加で納付義務が生じることがある。申告時に直接支払うことも、後日振込にて支払うことも可能だ。また税額を多く納めていた場合は、お金が戻ってくる「還付」という手続きがある。概ね1か月から2か月後に指定した振込口座に入金される。

年末調整は還付のケースが多い。還付金は12月の給料日に追加する形で会社員に戻されるところが多い。そのように、年末調整は確定申告の手続きを会社員当人の代わりに勤務先が「代行」することにより、手続きが進む。そのような性格を持つといえる。

いずれにしろ、年末調整と確定申告の準備を進めることは、その時点までの1年間の頑張りをしっかりと認識して、新たな1年の準備を整える。納税手続きの「年越し」であるともいえるのではないだろうか。

FP-MYS代表取締役社長CEO
FP-MYS: http://fp-mys.com/
ファイナンシャルプランニング(FP)を通じ、Fintech領域のリテラシーを向上させたい個人や、FP領域を活用してFintechビジネスを検討する法人のアドバイザーやプロダクト支援に携わる。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居。執筆実績多数。

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