日本の住宅流通市場に占める中古物件の割合は14.7%に過ぎないというデータがあります(2013年、国土交通省他)。新築に比べ中古マンションの市場は狭いといえ、その理由として下記のような3つのデメリットがあります。しかし、これらのデメリットも逆に利用することで、高利回り物件を運用できる可能性があるのです。

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(写真=farland2456/Shutterstock.com)

融資がおりにくい

中古マンションは新築と比べて融資がおりにくく、おりても期間が短くなりがちです。金融機関によって審査基準は変わりますが、一般的にマンション投資で利用するローンの融資可能額は、物件の担保価値をもとに算定されます。中古の場合は経年劣化や設備の老朽化などの部分で新築よりも劣るので、新築よりも不利になるのです。ただし、融資を受けられる額は個人の収入や金融資産によっても変わるため、医師や高収入サラリーマンの方などは築年数に関係なくローンを組めることがあります。

融資期間は法定耐用年数以内という条件がつくことがあります。このような審査基準の金融機関では、築40年のRCマンションも、築15年の木造アパートも、7年間しか融資を受けられません。返済期間の短さは、キャッシュフローの悪化に直結します。

これを良いほうに解釈すると、融資を受けて買う中古マンションは、厳しい審査を通過した優良物件である可能性が高いということです。収益性や資産価値の劣る物件を買ってしまうという失敗が起こりにくいのです。特に初心者にとって、審査の厳しさはむしろ心強い味方といえます。

修繕リスクが大きい

古い建物には、どこかに不具合が生じているかもしれません。表面上はきれいに見えても、シロアリの被害にあっていたり、壁内の鉄骨が錆びていたりすることもあります。耐震強度のように検査自体が難しいこともあるため、すべてを明らかにすることはできず、将来的な修繕リスクを背負うことになります。

購入後に不具合が発覚した場合、売買自体をなかったことにするか、売り主に損害賠償を請求することができます。いわゆる瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)です。住宅品質確保法※によって、新築住宅の場合は買い主が不具合を知ったときから10年間責任を追求することができます。中古物件の場合は、契約によってこの期間を変えることができ、免責(追求できない)の場合もあります。売り主が個人であることが多いので、損害賠償を請求したとしても、払えるお金があるとは限りません。こういった理由からも、中古物件は新築より修繕費が発生するリスクが高いのです。

ただし、修繕リスクの大きさは中古マンションの価格が安い理由の一つでもあります。収益性を高めたい人や、自力で修繕ができる人にとっては選択肢の一つになるでしょう。それに加えて、中古は新築に比べて家賃が下がりにくいため、高利回りが持続しやすいこともメリットとして挙げられます。

中古マンションには、新築マンションと比べて見た目にはわからないような不具合があるリスクが大きく、売り主に修繕などの責任を追求できる期間も短いのがデメリットです。その反面、価格が安く利回りが高いというメリットもあります。

※住宅の品質確保の促進等に関する法律。住宅購入者の利益を保護することなどを目的に制定された。住宅の性能に関する表示の適正化のためにルールや瑕疵担保責任の特例などについて定める。

税制優遇が受けられないことがある

不動産取得税と固定資産税は、マンション投資で納める税金の代表格です。

不動産取得税は、土地や建物を購入してから半年程度のちに都道府県税事務所から送られる通知書にもとづいて支払います。固定資産税と違って払うのは1回きりです。税額は固定資産税評価額(市区町村役場の職員が算定する不動産の価値)に一定の税率(2018年3月31日までに購入したものは3%)を掛けて計算します。新築の場合、床面積40平方メートル以上の賃貸マンションを買ったときに、評価額から200万円を差し引くことができます。評価額200万円以上の区分マンションを買った場合、税率が3%であれば6万円得するということです。

また、固定資産税と都市計画税の税率は都道府県によって異なりますが、固定資産税評価額に対しておおむねそれぞれ1.4%、0~0.3%です。新築住宅の場合は3~5年(構造によって異なる)の間、税額が半分になります。

中古住宅の場合でも、耐震改修工事に伴う固定資産税の減額や、バリアフリーリフォームによる所得税および固定資産税の優遇のような税制優遇がありますが、新築の場合は床面積などの要件をクリアすれば基本的にどの物件でも優遇を受けられるのが強みです。

税金は単純な支出なので優遇を受けられるに越したことはありません。中古マンションが税制上有利となりうるところは、減価償却費を短期で計上できるため、当初の税金をおさえることができるという点です。同じ1億円のRCマンションでも、新築なら1年目に償却できる金額は約213万円(法定耐用年数を47年として計算)ですが、築30年なら約500万円(残存期間20年として計算)です。

※税制は改正が多く、状況によっても変わります。物件購入の前に専門家に相談することをおすすめします。

中古マンションにはメリットもある

中古マンションは新築と比べて資産価値が低く評価されるため、融資審査における物件の評価は厳しくなります。また、どこかに不具合があるかもしれず、修繕リスクが伴います。しかしこれらのリスクを乗り越えれば、高利回り物件として運用できる可能性があります。新築のほうが不動産取得税や固定資産税などの税制優遇が受けやすいのですが、中古は減価償却期間が短く、当初の税引き後利回りが高くなりやすいメリットもあります。これらをふまえて、マンション投資を検討する必要があります。 (提供:Nowstate