新しい老後資金の確保を目的として作られた確定拠出年金(iDeCo)は、メリット・デメリットがあるものの、税制の優遇などがあり、年々始める人が増えている。

しかし、2017年10月31日時点での企業型確定拠出年金の加入者数は631万6000人。個人型確定拠出年金の第1号加入者は10万6621人とまだまだ少ない。確定拠出年金をこれから始めようと考えている人も多いだろう。最大手であるSBI証券で確定拠出年金を始める手順や方法について検討してみよう。

10年を超える運営実績が魅力 SBI証券とは

SBI証券はオンライン証券会社の最大手。2017年3月決算での口座数は383万9883件となっており、シェア37.89%と圧倒的な人気を誇る。投資信託の取り扱い本数は2500本以上、2016年のIPO取り扱い実績数は76社と、こちらもネット証券でトップクラスだ。

確定拠出年金に関しても10年の運営実績を誇り、商品ラインアップも豊富であることから人気を集めている。手数料はすべて無料で、運用商品のコストも低いのが魅力的だ。

確定拠出年金とは

確定拠出年金とは、国民年金、厚生年金保険・国民年金基金、確定給付企業年金のいわゆる「3階建て」年金に加えて、個人で積み立てを行う年金として登場した制度だ。確定拠出年金は、企業や加入者が毎月一定の掛け金を拠出し、自分で運用する。支払った掛け金は自分の口座に積み立てられ、運用して得られた給付金を、将来年金として受け取ることができる。運用の結果次第で、受け取れる年金の額は変わるため、どの証券会社でどの金融商品を選ぶかが重要なポイントとなる。

確定拠出年金には、企業型と個人型がある。違いは誰が掛け金を負担するかだ。企業型は、企業が決まったルールに基づいて、掛け金を負担する(従業員が一部掛け金を負担する場合もある)。その場合、運用を行う証券会社は企業が選定するため、個人に選べるのは金融商品だけになる。

それに対し、個人型は加入者自身が掛け金を負担する。そのため、商品だけでなく運用を行う証券会社を自分で選定することが可能だ。確定拠出年金の税制上のメリットは、どの証券会社を選んだとしても変わらない。しかし、運用商品である投資信託の信託報酬や、商品ラインアップには証券会社によって違いがある。運用期間が長期に渡る確定拠出年金では、信託報酬の維持費が運用成績に与える影響が大きくなる。そのため、どの証券会社を選ぶかは大きなポイントとなるのだ。

確定拠出年金(iDeCo)の3つの税制メリット

確定拠出年金には、税制上のメリットが3つある。それぞれをチェックしておこう。

(1) 毎月の掛け金が全額所得税から控除される

個人型確定拠出年金は、掛け金を加入者自身が負担する。その場合、毎月の掛け金が全額、所得税控除の対象となるため、所得税と住民税が軽減されるというのが第一のメリットだ。例えば、個人型確定拠出年金の毎月の掛け金の上限は、自営業者は6万8000円、会社員は2万3000円だ。年収600万円の会社員の場合、上限の月額2万3000円を確定拠出年金に拠出し、所得税控除を受けると、所得税と住民税を合わせて約8万2800円減税される計算となる。

(2)受け取るまでの期間に出た運用益は全額非課税

個人型確定拠出年金は、60歳になるまで引き出すことはできない。しかし、60歳までの期間に出た利息や配当金、売却益などの運用益は、全額非課税となる。通常、株式投資などで得た配当金や売却益には、税金がかかる。売却益と配当金には税率20.315%の税金が課せられる。投資信託も同じく20.315%の税金が課せられる。10万円の売却益が出た場合、課せられる税額は2万315円だ。

しかし、個人型確定拠出年金ではこれらの税金はすべて非課税だ。そのため、運用益をすべて次の運用資金として活用することが可能となる。

(3)受け取る際にも所得税が軽減される

個人型確定拠出年金は、年金として受け取る方法と一時金として受け取る方法の2つの受け取り方法から選ぶことができる。年金として受け取る場合は公的年金等控除の対象となり、一時金で受け取る場合は退職所得控除の対象となるため、どちらも所得税の控除を受けられる。

この3つの税制優遇があることが確定拠出年金の大きなメリットだ。特に同じく税制優遇があるNISAは、拠出時には優遇措置はないことを考えると、所得税控除は大きなメリットといえる。

SBI証券の確定拠出年金(iDeCo)の概要

ネット証券会社最大手であるSBI証券では、確定拠出年金の運用実績が10年を超える。投資期間が長期に渡る確定拠出年金において、運用実績の長さは安心材料のひとつだ。

また運用商品のラインアップも充実している。低コストのインデックスファンドをはじめ、アクティブファンドも充実しており、自分の投資スタイルによって選択することが可能だ。投資対象も、国内株式、海外株式、国内債券、海外債券といったラインアップに加え、新興国海外株式も入っているなど選択肢が多い。現在、SBI証券では60本を超える金融商品が用意されている。

いくつかおすすめの金融商品を紹介しておこう。まずはレオス・キャピタルワークス株式会社が提供している「ひふみ年金」。これはアクティブファンドの中でも比較的低いコストで運用できることから人気のひふみ投信の確定拠出年金向け商品だ。

アクティブファンドは一般的に信託報酬が年1%を超えるものが多い中、ひふみ年金は信託報酬が年0.8208%と手数料が低いのが魅力となる。ひふみ年金をとり扱う証券会社は少なく、これを目的にSBI証券を選ぶ投資家も多い。SBI証券でも人気の金融商品だ。

「DCニッセイ外国株式インデックス」も人気が高い金融商品。こちらは日本を除く主要先進国の株式に投資する。信託報酬水準が年0.2268%と低いことから、年金運用にふさわしい。

信託報酬率の低さで選ぶなら「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」もおすすめできる。東京証券取引所第1部に上場している株式に投資を行う商品で、信託報酬は0.1728%と低いのが魅力だ。

元本割れが不安なら、元本確保型の商品もある。大きな運用利益は得られないが、元本割れのリスクはないため安心感は高い。SBI証券には「あおぞらDC定期」をはじめ4種類の元本確保型商品がある。

SBI証券にはこれらの商品をはじめ、さまざまな確定拠出年金向けの商品が揃っている。どれを選ぶかにより、運用利益や手数料が変わる。自分に合った金融商品を選ぶことが大切だ。

どの商品を選べばいいのか分からないなら「iDeCoロボ」

確定拠出年金では、どの金融商品を選ぶかによって将来受け取ることができる年金の額が変わってしまう。そのため、金融商品選びは、とても重要だ。ネット証券では自分である程度金融商品について調べたうえで、どれを選べばいいのかを判断しなくてはならない。しかし、投資初心者にとって、金融商品選びはとても難しいものでもある。そんな人に向けて、ネット証券各社ではセミナーや電話などで金融商品選びをサポートしてくれるサービスがさまざま用意されている。

SBI証券ではセミナーやカスタマーサービスセンターでの電話相談に加え、「SBI-iDeCoロボ」というサービスを提供している。これは、投資経験や資産運用へのこだわりポイントを入力することで、その人のニーズに合った商品を提案してくれるロボアドサービス。誰でも無料で診断を受けることが可能だ。商品選定は、投資信託評価機関であるモーニングスター社の最新評価データをもとに選定されるため、信頼度も高い。

iDeCoロボで紹介されるのは、SBI証券で取り扱っている60本以上のファンドの中で、運用実績が設定から3年以上経過しており、モーニングスター社に高評価を受けているファンド約30本。その中から、投資経験や好みに合わせてニーズに合う商品を1~3本ほど提案する。

質問は年齢、投資経験、投資への関心度など4問に回答するだけ。難しく考えることなく、気軽に答えることができる。すると、モーニングスター社のリスクメジャーをもとに選定した、6パターンのロボに分類される。

リスクメジャーとは、iDeCo対象商品の値動きの大きさ(標準偏差)が、全商品の中でどの水準に位置するのかを6段階で表示したもの。0から5までの6段階のうち、0になるにつれて標準偏差が小さくリスクが少ない。標準偏差が「0」なら元本確保型、「5」なら積極型に分類され、それに合わせた金融商品がセレクトされる。1年前にその商品に100万円投資していた場合の運用実績なども表示され、金融商品選びの参考となる。

診断は1分で終了するため気軽にできるのもポイントだ。確定拠出年金に興味を持ったら、まずは診断してみたい。

SBI証券の確定拠出年金にかかる手数料とは

確定拠出年金には、さまざまな手数料が必要となる。手数料を頭に入れたうえで運用益を計算しておかなければ、思っていた利益を確保することができないため注意が必要だ。SBI証券では、「SBI証券受取分手数料みんな無料」をうたっている。これはどういうことなのかをまずは解説していこう。

確定拠出年金にかかる手数料には5種類ある。加入時・移換時手数料、口座管理手数料、信用報酬、給付事務手数料、還付事務手数料だ。このうち、給付事務手数料と還付事務手数料は給付金を受け取る際に必要な手数料で、どの金融機関を選んだとしても一律だ。

しかし、加入時・移換時手数料、口座管理手数料、信用報酬は運営管理会社となる金融機関によって異なり、運用益にも影響するため事前に確認しておかなくてはならない。

まず、確定拠出年金に加入する際や、企業型確定拠出年金から個人型確定拠出年金に移る(移換)場合にかかるのが加入時・移換時手数料だ。国民年金基金連合会に支払う2777円に、運営管理会社となる金融機関に支払う手数料が上乗せされた金額を支払う必要がある。これは加入または移換した際1度だけ支払うものとなる。

次に口座管理手数料だ。確定拠出年金に加入するには、専用口座を作る必要がある。この専用口座を維持するために支払わなくてはならないのが口座管理手数料となる。口座管理手数料は、事務手数料として国民年金基金連合会に年間1236円、資産管理手数料として信託銀行に年間768円の合計2004円を支払う。それに加えて運営管理機関である金融機関が運営管理手数料を上乗せした金額が、毎月の掛け金より控除される。

国民年金基金連合会と信託銀行に支払う手数料は、どの金融機関を選んでも一律だ。しかし、金融機関が上乗せする手数料については、それぞれの金融機関によって異なる。

SBI証券では、加入時・移換時手数料と口座管理手数料にはSBIが受け取る分の手数料はかからない。国民年金基金連合会と信託銀行に支払う2777円と2004円の最低限の金額のみだ。

他の金融機関と比較してみよう。加入時・移換時手数料については、ほとんどの金融機関が金融機関が上乗せする分の手数料は取っておらず、最低限の2777円であることが多い。しかし、口座管理手数料は最低ラインの月額167円(年2004円)から、500円代まで幅がある。ネット証券各社は金融機関受取分の手数料を無料にしているが、銀行系は200円から300円の手数料を上乗せする傾向だ。

SBI証券は、最低額となる月額167円。銀行の中でも口座管理手数料が高い宮崎銀行や山口銀行では月額599円。年間では7188円となり、SBI銀行との差額は年間で5184円になる。30歳から60歳まで確定拠出年金を積み立てた場合、その差は15万5520円と見逃せない額だ。口座管理手数料は、掛け金から毎月差し引かれる。

つまりそれだけ運用できる金額が少なくなるということ。30年間で15万5520円運用できる金額が違うとなれば、その運用益も大きく差がでることとなるのだ。

もうひとつ、注意が必要な手数料が信用報酬だ。信用報酬とは投資信託を行った際に資産運用にかかるコストを手数料として負担するもので、資産残高に比例してかかる。運用商品によって料率が変わるため、金融機関だけでなく金融商品選びの際にも考慮が必要だ。信託報酬の差は、運用期間が長くなり、資産残高が多くなるほど、その差が大きくなる。長期運用が前提の確定拠出年金では、事前にきちんと織り込んでおかなくてはならないものだ。

例えば月1万円の掛け金で信託報酬が0.15%の場合と1.62%の場合で考えてみる。

1年後にかかる信託報酬の差は0.15%の場合は1万4440円、1.62%の場合は1万9440円で差額は5000円だ。しかし10年後、資産残高が150万円になっていた場合、0.15%では18万円なのに対して1.62%の場合は24万3000円だ。運用期間が長期に渡り、資産残高が多くなるほどその差は見逃せないものとなる。

SBI証券には60以上の確定拠出年金向け商品がある。信用報酬は、低めの物から高めのものまで幅が大きい。運用成績だけでなく、信託報酬も考えたうえで商品を選択することが可能だ。

インデックスファンドは信託報酬が低い水準の物が多く、最も低い「三菱UFJ 国内債券インデックスファンド」で年0.1296%だ。それに対しアクティブファンドは信託報酬が高めで、年1%を超えるものが多い。しかし、「ひふみ年金」はアクティブファンドでありながら、信託報酬が年0.8208%と低いため、高い運用成績を低コストで目指したい投資家におすすめだ。

SBI証券で確定拠出年金をする場合の申し込みの流れ

(1) 資料を請求する

SBI証券のサイト上で資料請求を行い、加入申込書類一式を請求する。

(2) 申込書類を提出し口座を開設する

確定拠出年金を始めるには、管理口座を開設する必要がある。資料請求を行い送られてきた申込書類に必要事項を記入して返送すると、口座を開設することができる。

(3) 加入審査と新規加入手続きを行う

送付した書類に基づいて、国民年金基金連合会で加入資格などの確認が行われる。確認や手続きが終了すれば、各種通知書が郵送されてくる。必要な書類が多いので、きちんと保管しておくこと。

(4) 掛金を拠出する

掛金額は拠出限度額の範囲までで、1000円単位で任意に決めることができる。拠出額の下限は5000円だ。掛金額は年1回のみしか変更できないため、慎重に決定すること。拠出限度額はその人の属性によって異なる。第一号被保険者(自営業者)は68000円、第二号被保険者で企業年金・企業型確定拠出年金のいずれにも加入していない場合は23000円、第二号被保険者で企業型確定拠出年金に加入している場合は20000円、第二号被保険者で企業年金に加入している・または共済組合員の場合は12000円、第三号被保険者の場合は23000円だ。

(5) 掛金を運用する

SBI証券では、運用商品の選択をインターネット上で行う。毎月の掛け金で運用する商品の配分を変えたり、売却したりして別の商品を購入することも可能だ。掛け金の拠出時に購入する運用商品の選択は、1%単位で配分することも可能。きめこまやかな選択が可能なのも魅力だ。運用成績や金融情勢をチェックしながら、運用を行おう。

(6) 給付金の受け取り

個人型確定拠出年金で運用した資産は、原則60歳から受け取ることができる。受け取り方法は年金として分割して受け取るか、一時金として受け取るかを選択することができる。受け取り方法の選択は、受け取る権利を取得した時なので、どのように受け取るかについても老後資金の設計を考えながら決めて行こう。

他の金融機関で確定拠出年金を行っている人がSBI証券に移す方法は?

確定拠出年金の運営管理機関である金融機関は、一人一社に限定される。

しかし、途中で変更は可能だ。口座管理手数料や信託報酬などの手数料の低さや運用できる金融商品のラインアップなど、SBI証券に魅力を感じた場合はぜひ金融機関の変更を検討したい。

他の金融機関で確定拠出年金を行っている人がSBI証券で確定拠出年金を行いたい場合はどうすればいいのだろうか。

方法はとても簡単だ。まず、SBI証券に「確定拠出年金を移管したい」と伝えて必要書類を送付してもらう。送られてきた「運営管理機関変更届」と「配分指定書」を記入してSBI証券に返送すれば、あとはSBI証券ともともとの金融機関との間で移管手続きを行ってくれる。

ただし、今までの積立資金を現金化した上でSBI証券に現金が移されたのち、新たな運用資産を購入するという手続きを踏む必要がある。そのため、変更届を提出してからSBI証券で運用が開始されるには、2~3カ月の期間がかかる。移管にかかる手数料は無料だ。

確定拠出年金をSBI証券に移管するメリット・デメリット

確定拠出年金をSBI証券に移管するメリットは、現在理由している金融機関の手数料や商品ラインアップによって大きくなる。特に、口座管理手数料が高い金融機関を利用している場合、運用できる金額に差が出る。

SBI証券は業界最低額である金融機関受取分無料のため、SBI証券よりも手数料が安い金融機関はない。現在、口座管理手数料に167円以上支払っているのであれば、SBI証券に移管するメリットがある。

また、金融商品のラインアップに不満がある場合も移管するメリットが生じる。特にひふみ年金はSBI証券以外で販売している金融機関がイオン銀行、百五銀行、福岡銀行、北陸銀行の4行のみ。その他にもさまざまな商品をとり扱っているため、投資の幅が広がり運用益も期待できる。

SBI証券に移管するデメリットは移管手続きの間に市場が大きく上昇するリスクがあることだ。移管手続きには2~3カ月かかり、一度資産を現金化し、買いなおす必要がある。この移管手続きの間に市場が大きく上昇すれば、安く売って高く買うことになり、損をしてしまう。しかし、逆に金融市場が下落すれば、得することもあるため必ずしもデメリットになるわけではない。

SBI証券は確定拠出年金の運用機関として圧倒的に強さを見せている。口座管理手数料なども無料で、信託報酬も低い水準の物をそろえており、とても魅力的だ。確定拠出年金を今後始めたい人はもちろん、現在別の金融機関で確定拠出年金を運用している人も一度検討してみてもいいかもしれない。(ZUU online編集部)

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