いよいよ2018年1月から新しい少額投資非課税制度「つみたてNISA」がスタートする。新制度の開始は証券会社にとって新規顧客の獲得チャンスともなるため中には対応にかなりの力を注いでいる企業もある。そこで今回は2017年12月現在の主要証券会社のつみたてNISAの対応状況を比較していく。同制度を今後利用しようと検討している方はぜひ参考にしていただきたい(掲載情報は2017年12月18日現在の情報を基に作成)。

目次

  1. つみたてNISAとは
  2. 野村證券 厳選された4本の投信を準備
    1. 野村つみたて日本株投信 愛称:つみたて日本株
    2. 野村つみたて外国株投信 愛称:つみたて外国株
    3. 野村6資産均等バランス 愛称:つみたて6資産
    4. つみたて8資産均等バランス 愛称:つみたて8資産
  3. 大和証券 アクティブファンドやETFも準備
    1. ダイワ上場投信―トピックス <1305>
    2. ダイワ上場投信―日経225 <1320>
    3. ダイワ上場投信JPX日経400 <1599>
  4. SMBC日興証券 未対応(三井住友銀行にて対応)
  5. SBI証券 135本の圧倒的な数
  6. 楽天証券 楽天スーパーポイントで積み立ても
  7. マネックス証券 104本と投信を豊富に用意
  8. 松井証券 70本の投信を用意
  9. カブドットコム証券
  10. 主要証券会社比較表
  11. 実際に株式投資を始めてみる

つみたてNISAとは

つみたてNISA,積立投資
(画像=PIXTA)

新制度であるつみたてNISAは残念ながらまだまだ認知度も低い。そこで各証券会社の対応状況を見ていく前に同制度について少し解説しよう。つみたてNISAとは現行のNISAと同じく税制優遇が受けられる少額非課税投資制度の一種だ。

NISAの場合は年間120万円、最長5年間の投資に関わる配当金・売却益等が非課税となった。つみたてNISAの場合は年間40万円と年間投資金額は少なくなるが最長20年間の投資が可能となり、40万×20年で最大800万円の投資に関わる配当金・売却益等が非課税となる。

投資対象となる金融商品についても違いがある。NISAの場合は上場株式、ETF、投資信託などが投資対象であった。

一方つみたてNISAの場合は長期の積み立て・分散投資に適した一定の投資信託のみが投資対象である。その為、つみたてNISAで投資できる金融商品はNISAより少なく、証券会社によっても大きく取扱商品数が異なる場合がある。つみたてNISA対応の投資信託を数多く取り扱う予定の証券会社もあれば、本数が非常に少ない証券会社もあるのだ。

つみたてNISAでは、その名の通り積み立てに適した投資信託という基準の下で厳選された商品のみが対象商品。これらを購入する際の販売手数料についてはETFを除いて無料だ。すべての投資信託は販売手数料無料のノーロード投信の為、販売手数料を心配する必要がなく、安心して取引が可能だ。

厳選された投資信託を販売手数料無料で購入でき、その上非課税になるという素晴らしい制度であるつみたてNISAだが、1点注意が必要だ。それは1人つき1口座しか同制度の口座を作れないという事である。つまり同制度の口座を作る証券会社も1社に絞らなければならないということだ。

証券会社によって同制度の対応状況に差がある為、各自でしっかりとチェックしていただきたい。それでは対面系証券、ネット証券の中から主要証券会社各社のつみたてNISAの対応状況をみていこう。

野村證券 厳選された4本の投信を準備

国内最大手証券会社である野村証券では、つみたてNISA対象商品として4本の厳選された投資信託を用意。対象は6商品だが、うち2商品は「ひふみプラス」と「コモンズ30ファンド」。自前では数多くの商品をそろえるというより、厳選した4本を用意している。

野村つみたて日本株投信 愛称:つみたて日本株

知名度が高く親しみのある日経平均株価(日経225)に採用されている銘柄に投資し、日経平均株価と連動する投資成果を目指して運用を行なう。 購入時手数料:なし 運用管理費用:年0.1836%(税込) 信託財産留保額:なし

野村つみたて外国株投信 愛称:つみたて外国株

日本を除く先進国と新興国の株式全体に投資する。中長期的な世界の株価の動きをとらえた投資成果を目指す。原則として為替ヘッジなし。 購入時手数料:なし 運用管理費用:年0.2052%(税込) 信託財産留保額:なし

野村6資産均等バランス 愛称:つみたて6資産

国内および外国の「債券」「株式」「REIT」6つの資産にバランスよく分散投資する。原則として毎月、リバランスを行う。原則として為替ヘッジなし。 購入時手数料:なし 運用管理費用:年0.2376%(税込) 信託財産留保額:なし

つみたて8資産均等バランス 愛称:つみたて8資産

国内および外国の「債券」「株式」「REIT」を投資対象とする。先進国だけでなく新興国の「債券」「株式」にも投資することで、より幅広い資産に分散投資が可能になる。原則として為替ヘッジなし。 購入時手数料:なし 運用管理費用:年0.2376%(税込) 信託財産留保額:なし

4本の投資信託は国内株式への投資が主なものが1本、外国株への投資が主なものが1本、それに加え、分散投資型が2本と、インデックス投信が4本という内訳になっている。同社では現在Webサイト上で2つの質問に答えるだけでどの投資信託がおすすめなのかを診断してくれるコーナーも開設中だ。

大和証券 アクティブファンドやETFも準備

大和証券ではインデックスファンド11本、アクティブファンド1本、ETF3本の合計15本もの投資信託をつみたてNISA対象商品として用意している。

株式型のインデックスファンドでは日本や先進国、アメリカ、新興国の株式に投資する投資信託がそれぞれ準備されている。それ以外にも様々な資産に分散投資するバランス型の投資信託も用意されており、バランスのとれたラインアップといえる。

大和証券では同制度の対象商品としてETFを3本用意しているが、2017年12月18日現在で国が認めたつみたてNISA対象のETFは3本しかない。つまり大和証券ではつみたてNISA対象商品の全ETFが取扱いされているという事だ。ETF3本は以下の通りだ。

ダイワ上場投信―トピックス <1305>

TOPIXを構成する全銘柄の株式の時価総額構成比率の95%以上を構成する銘柄の株式を組入れることを原則とし、TOPIXの変動率に一致させることを目指すインデックス投信だ。

ダイワ上場投信―日経225 <1320>

日経平均株価を構成する全銘柄の株式を組入れることを原則とし、日経平均株価の変動率に一致させることを目指すインデックス投信である。

ダイワ上場投信JPX日経400 <1599>

東証一部、二部、マザーズまたはJASDAQに上場する400銘柄で構成されるJPX日経400の変動率に一致させることを目指すインデックス投信である。

大和証券は他の証券会社にはなかなかないETFの取り扱いが特徴的だ。ETFへの投資を考えている方は大和証券を要チェックだ。又、買い付け頻度も毎月や隔月、3カ月毎、4カ月毎、6カ月毎と選べるようになっている。ボーナスのみで積み立てをしたい場合は6カ月毎を選ぶのがおすすめだ。

SMBC日興証券 未対応(三井住友銀行にて対応)

SMBC日興証券はつみたてNISAに消極的なのだろうか。公式サイトに情報はなく、利用希望者は三井住友銀行での対応となるようだ。ちなみに三井住友銀行ではつみたてNISA対応商品としては3本の投資信託が用意されている。

3本の内訳は日本株に投資するインデックスファンドが1本、外国株に投資するインデックスファンドが1本、株や債券などに投資するバランス型のインデックスファンドが1本となっている。

SBI証券 135本の圧倒的な数

SBI証券ではインデックスファンド110本、その他アクティブ運用ファンドを11本の計135本をつみたてNISA用に用意している。金融庁が発表している全証券会社のつみたてNISA対象商品の数が135本であることから考えても、つみたてNISA対象商品の大部分を同社はカバーしていることになる。

インデックスファンドの充実ぶりも素晴らしいが、アクティブファンドは全15本中11本が用意されているので、つみたてNISAといえど積極的にリターンを狙っていきたいならおすすめかもしれない。

金融商品が多くそろえられているだけではなく、同社では他にも様々な面でつみたてNISAに力を入れている。たとえば積み立て方式だ。同社では毎月の積み立ての他に毎週や毎日等の積み立て方式が選択可能だ。毎日コツコツ積み立てることで、少額を少しずつ積み立てることが出来るだけなく、時間分散投資が可能となるのでより買い付け平均金額も安定しやすそうだ。

その他にも同社では「カートつみたて」機能を準備している。この機能は数多くのつみたてNISA対象商品のラインナップがある同社ならではの機能で、投資したい投資信託を1つ1つ設定しなくとも、ネットショッピングのようにカートに投資したい投資信託を入れることで、一括して複数銘柄の投資信託の積み立て設定が可能となる機能である。数多くの投資信託に分散投資したい人にはこの機能はおすすめだ。

楽天証券 楽天スーパーポイントで積み立ても

楽天証券ではインデックスファンド、アクティブファンド合わせて120もの投資信託がつみたてNISA対象商品として用意されている。今回紹介した証券会社の中ではSBIの135本に次ぐ第2位の取り扱い本数だ。

120本の投資信託の中には国内株式、先進国株式、新興国株式、債券等に投資するファンドの他、それらを組み合わせた分散投資・バランスを重視した商品など様々な種類がラインアップとして用意されている。

同社では取扱商品数だけではなく、積み立ての行ないやすさ自体にもとても力を入れている。同社でのつみたてNISAは最低100円から対応しており、積み立ての時期も毎日可能だ。また積み立てる資金の引き落としも証券口座・楽天銀行・楽天カード・その他金融機関などから選ぶことができる。楽天銀行だけでなく楽天カードにまで対応しているのは楽天証券ならではだ。つみたてNISAでは販売手数料は無料となっているので毎日コツコツ100円ずつ積み立てた場合でも販売手数料無しの効率の良い積み立てが可能だ。

さらに同社では現金以外にもポイントを利用してつみたてNISAで積み立てが可能だ。楽天グループの様々なサービスを利用すると楽天スーパーポイントを受取ることができる。楽天グループは楽天市場や楽天トラベル、楽天ブックス、楽天カード、楽天GORA等様々なサービスを展開している。例えば楽天市場でお取り寄せスイーツを注文した際や楽天トラベルを利用し温泉旅館に宿泊した際、楽天GORAでゴルフ場を利用した際等サービスを利用するたびに楽天スーパーポイントが付与される。

同社では付与されたポイントを利用しつみたてNISAの積み立てに利用することができる。前述の通り同社では100円から積み立てが可能となっているので少額のポイントでも無駄にすることなく積み立てに利用できる。もちろん楽天証券のサービスを利用して株や投資信託を売買する際にも楽天スーパーポイントが付与される。(一部手数料コースを除く)

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マネックス証券 104本と投信を豊富に用意

マネックス証券ではつみたてNISA対応の投資信託を104本用意している。同社も楽天証券SBI証券に次いで豊富にそろえている企業だ。ただし公式WebサイトではつみたてNISAについての情報が2017年9月時点で判明していることしか掲載されておらず、マネックス証券独自のつみたてNISAに対するサービスの提供などの情報もまだ掲載されていない。

ただしつみたてNISAを見据えてか、2017年7月10日から投資信託の通常購入において100円から購入可能に変更しているため、つみたてNISAに関しても100円から積み立てができるようになるかもしれない。マネックス証券に関しては今後の同制度に対するサービス展開の情報を待ちたい。

松井証券 70本の投信を用意

松井証券ではつみたてNISA対象商品として70本の投資信託を用意している。現在のところ同社ではETFは取り扱わないと発表があったが、マネックス証券同様に同制度のみの特別なサービスなどの提供は現在のところ発表されていない。

マネックス証券同様に同社では6月10日より従来は500円から投資信託の購入が可能だったのが100円からに引き下げられた。この対応もおそらくはつみたてNISAに対応するためだと思われ、同制度でも100円から積み立てができるようになるかもしれない。

カブドットコム証券

カブドットコム証券に関しては残念ながら現在のところ公式WebサイトにはつみたてNISAに関する情報がほとんど掲載されておらず対象商品の数も不明だ。今後の続報を待ちたい。

主要証券会社比較表

現時点(2017年12月18日)で判明しているつみたてNISAへの主要証券各社の対応状況は以下の通りだ。

証券会社取扱商品数特徴
野村證券4本シンプルな商品構成
大和証券15本ETFの取り扱い有
SMBC日興証券――(三井住友銀行にて3本取扱い)
SBI証券135本毎日の積み立て、一括設定に対応
楽天証券120本毎日の積み立て、一括設定に対応、
楽天スーパーポイントによる積み立ても可能
マネックス証券104本(投信を100円から買えるようにしたばかり)
松井証券70本(投信を100円から買えるようにしたばかり)
カブドットコム証券――サイトに情報なし

対面系証券会社では大和証券がある程度の本数を用意し、他証券会社では珍しいETFの取り扱いも行なうなど意欲的につみたてNISAへの対応をおこなっている。SMBC日興証券に関しては同制度の希望者を三井住友銀行にて対応するなどしているが、意欲的な対応は見て取れなかった。野村も4本の対応商品を用意しているが、ネット証券と比べると対応に差がある。

残念ながらつみたてNISAに関しては販売手数料無料のノーロード投信のみ(ETFを除く)しか販売が許可されておらず、対面系証券会社にとっては同制度を積極的に活用したからといって利益が大きく上がることは考えにくい。その為大手対面系証券会社では積極的なサービスの展開を控えているのが実情のようだ。

一方でネット証券大手は考え方が違うようだ。SBI証券楽天証券マネックス証券では100本を超える対象商品を用意している。さらにSBI証券楽天証券では毎日積み立て可能や楽天スーパーポイントで積み立て可能といった独自のサービスも実施予定だ。

つみたてNISAをどれだけ販売しても販売手数料は入ってこないが、新規顧客獲得のきっかけや、新規資金の導入につながるとみて大手ネット証券は積極的に動いているようだ。

大手の対面証券会社はそもそも株の売買手数料がネット証券に比べ高い水準にある為、つみたてNISAにはあまり手を出したがらない傾向があるのかもしれない。それに比べてネット証券ではもともとの手数料が低水準であり、同じように薄利でも積極的なのだろうか。

ただしネット証券の中でもつみたてNISAに特化したシステムや制度を証券会社独自で作り上げるには多額の費用も掛かる為、大手以外のネット証券はあまり同制度には積極的ではないようだ。

主要証券会社の対応に差はあれ、制度としてはまちがいなくつみたてNISAは税制面でお得である。今回の主要証券会社の対応状況と今後の対応を判断し、投資家にとって利用しやすい証券会社でつみたてNISA口座を開設して活用するといいだろう。(右田創一朗、元証券マンのフリーライター)

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