2018年に大きく跳躍しそうな米国発のスタートアップ7社を紹介しよう。

フィットネスデバイスに利便性とファッション性を上手く融合させたモティーヴ、世界初のドローン医療配達ジップライン、AI(人工知能)に株式相場を予測させるヌメライなど、テクノロジーの活用で新しい事業モデルを築く自由な発想をもった企業ばかりだ。

モティーヴ——「未来のフィットネス」指輪型トラッカー

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(画像=モティーヴWebサイト)

指輪型フィットネストラッカー「モティーヴリング」の開発で話題を呼んでいるモティーヴ (Motiv)。シスコシステムズのネットワーク装置開発に携わった技術者カート・ヴォン・バディスキー氏な どが2013年、サンフランシスコで立ち上げた。

機能性だけではなくファッション性もますます進化しているウェアラブルデバイスだが、「いかにも装備しています」といった雰囲気は健在だ。あらゆる機能をひとつの指輪に詰め込んだ超小型でシンプルなモティーヴリングは、「ごくさり気なくフィットネストラッカーを身につけたい」という消費者にはぴったりだ。

一見普通のスタイリッシュな指輪のようだが、水深50メートル対応、歩数・移動距離・消費カロリーなどの運動データから、睡眠時間や心拍数も測定してくれる優れものだ。充電が3〜5日に一度でいい点も嬉しい。

チェリー・ツリー・インベストメンツやテュケー・パートナーズなどから総額1637万ドル を調達した、まさに「未来のフィットネスを作る」スタートアップである。

スポーク ——元AIで業務を効率化 ボットが組織内部の質問に回答

スポーク(Spoke)はマッキンゼー・アンド・カンパニーでプロダクト・マネージャーを務めたジェイ・スリニバサン氏などが2016年にサンフランシスコで立ち上げたAI職場管理ソリューション・スタートアップ。

例えば人事部への有給休暇の問い合わせ、ヘルプデスクチケットの発行など、簡単な業務をAI(人工知能)が自動対応する—スポークが実現させた新たな組織システムだ。組織内部の問い合わせにはボットが回答。ボットが回答できないと判断した場合、最適な部署へつなげてくれる。

アクセル・パートナーズやフェリシス・ベンチャーズなどから、総額2800万ドル を獲得している。

クアディウム——元CIAのアナリスト率いるサイバーセキュリティ・スタートアップ

2012年、元CIAのアナリスト、ティム・ジュニオ氏とDARPA(米国防高等研究計画局)のメンバーが、サンフランシスコで設立したサイバーセキュリティ・スタートアップ、クアディウム(Qadium)。

顧客企業のセキュリティーシステムの安全対策として、インターネットに接続されたサーバーやルーター、防犯カメラ、発電所の制御システムなどの動作状況を監視し、サイバー攻撃の被害に合いそうな脆弱性を発見する。

ファンダーズ・ファンド、IVP(インスティテューショナル・ベンチャー・パートナーズ)などから総額6597万ドルの調達に成功している。

ジップライン—— 世界初のドローン医療・血液配達 受注から発送まで30分未満

2011年サンフランシスコで設立された医療スタートアップ、ジップライン(Zipline)。「ドローンで血液や医薬品を運ぶ」という画期的な発想で、ヴィジョネア・ベンチャーズ、セコイア・キャピタル、AMEクラウド・ベンチャーズ、モンド・ベンチャーズなどから総額4111万ドルを獲得。

2016年にルワンダでサービスを開始し、2018年にはタンザニアに第2の配送センターを開設するという。「受注から発送まで30分未満、時速100キロ、1日500件」を目標に掲げる、世界中の医療機関や政府の注目を集める期待の新星だ。

オートFi ——自動車融資でフォードモーターなどから総額3億ドル獲得

サンフランシスコ発のオンライン自動車融資スタートアップ。オートFi(AutoFi)。自動車選びから融資申込まで単一のプラットフォームで提供し、自動車融資のわずらわしさから消費者を開放してくれる。昨年JPモルガン・チェースが、オンライン自動車ディーラー、トゥルー・カーと共同で開始した「チェース・オート・ダイレクト」と発想は同じだ。 フォードモーター・カンパニーや500スタートアップス、ゼンストア・ベンチャー・キャピタルなどから、総額2.9億ドルを調達した大物スタートアップだ。設立は2015年。

ヌメライ ——AIヘッジファンド 過去データから株式市場の動きを予想

データ科学者が開発したAIヘッジファンド、ヌメライ(Numerai)。過去のデータから機械学習モデルを構築し、株式市場の動きを予想する。株式市場における効率性を大幅に改善する目的で、2015年、カリフォルニアで設立された。

コインベースのフレッド・エサンCEOやエンジェル・リストのナヴァル・ラヴィカント氏が個人的に投資しているほか、プレイフェア・キャピタルなどから総額750万ドルを調達している。

クルー ——非オフィスワーカー版「スラック」?

サンフランシスコで2015年に設立されたクルー(Crew)は、レストランのマネージャーや看護師、消防士など、主にオフィスのデスク以外の場所で働く労働者向けに開発されたコミュニケーションツールだ。ビジネス向けチャット「スラック」の非オフィスワーカー版といったところだろうか。

グレイロック・パートナーズやセコイア・キャピタルなどから、総額2490万ドル を獲得した。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)