2018年1月より開始のつみたてNISA。これまでのNISAとは違い、積み立てという点を重要視した新制度である。同制度の対象となる金融商品は2017年12月26日現在で135本が金融庁により発表されている。これらの金融商品の中心は投資信託であるが、実はETFについても一部対象となっている。今回はつみたてNISAに対応しているETFについて解説していく。

目次

  1. そもそも投資信託とETFはどう違うの?
  2. ETFのメリットとは?
  3. つみたてNISAで取扱いのETF
  4. 最も身近な指標?日経225に連動――「ダイワ上場投信-日経225」
  5. TOPIXに連動――「ダイワ上場投信-トピックス」
  6. 400銘柄で構成されるJPX日経400に連動--「ダイワ上場投信-JPX日経400」
  7. なぜETFが少ないのか?
  8. ETF買付手数料のメリットが失われた
  9. 信託報酬のメリットが失われた
  10. 金融庁によるETFの厳しい要件
  11. つみたてNISAの主要証券会社比較を確認する
  12. 実際に株式投資を始めてみる

そもそも投資信託とETFはどう違うの?

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(画像=Thinkstock/Getty Images)

投資信託は銀行や証券会社等の金融機関で販売されていることもあり、多くの方になじみがある一方、ETFはあまりよくわからないという方もいるのではないだろうか。つみたてNISA対応のETFを紹介する前にETFについて解説しよう。

ETFとはExchange Traded Fundの頭文字をとったもので、日本語に直すと上場投資信託と呼ばれる。つまり金融機関で一般的に販売されている投資信託に対し、ETFは証券取引所に上場している投資信託という事だ。

投資信託の中で上場しているものはETF、上場していないものは一般的な投資信託と、違いは上場しているか否かということだが、この違いによってETFに様々なメリットが生まれるのである。

ETFのメリットとは?

ETFのメリットについて4つ紹介しよう。1つ目のメリットは売買手数料が安く抑えられる点である。一般的な投資信託の場合、銀行や証券会社で購入する際には買付手数料が発生する。商品によっても異なり、手数料が低水準の投資信託も存在するが、一般的には買付手数料は買付金額に対し3%程度のものが多い。買付手数料3%の投資信託を100万円分購入する場合には単純計算で3万円の手数料が必要となるのだ。

一方でETFの場合は上場している取引所へ直接注文を出す為、買付手数料は株式取引と同じ手数料となる。同じように100万円分のETFを購入する場合は、ネット証券の場合だと数百円程度で購入可能だ(国内ETFの場合)。対面系証券の場合でも高くて数百円~数千円程度で購入できる。

一般の投資信託が3万円程度の買付手数料が必要な一方、ETFで購入する場合は数百円程度で済み、手数料の差が大きなメリットとして挙げられる。

2つ目のメリットはETFの場合だとリアルタイムで購入が可能という点だ。一般的な投資信託は1日1回等といった基準価格でのみ売買が可能となっている。朝に注文を出した場合でも、昼に注文を出した場合でも、投資信託のその日の唯一の基準価格でしか売買が出来ない。

一方ETFの場合は株式と同様に取引所で売買されるので、取引所の売買可能時間であれば朝の注文は朝の価格で、昼の注文は昼の価格でと市場の時価によって売買が可能だ。又、株式と同様に指値注文や成行注文なども可能であり、市場の動向を睨みながら自分のタイミング、価格で売買ができることもありがたい。

3つ目のメリットはETFの保有コストが低水準であるという点だ。一般的な投資信託では信託報酬という保有コストが発生する。信託報酬は、投資信託を販売した金融機関や実際に投資信託の運用を行なう信託銀行等に支払われるものである。

投資信託協会が発表している投資信託の信託報酬の平均は2017年9月末のデータで1.09%となっている。仮に1%としても100万円の投資信託を保有している場合単純計算で年1万円もの信託報酬を支払わなければならないのだ。

一方ETFの場合は、一般的な投資信託同様に信託報酬は発生するが、低水準に抑えられているのが特徴だ。ETFの場合、信託報酬を購入した証券会社に支払う必要が無い。実際にETFを運用している信託銀行等にのみ支払う必要がある。実際のETFの信託報酬は商品によって異なるが、例えば日経225連動型上場投資信託 <1321> の場合であれば、信託報酬は年0.22%(税抜き)とかなりの低水準となっている。

4つ目のメリットは投資信託と同様少ない金額から分散投資が可能という事だ。株式投資の場合は個別銘柄に投資する為、単元株を購入できるだけの金額が必要となる。分散投資の為多くの銘柄を購入しようとした場合にはその分だけ投資資金が必要となる。仮に日経平均採用銘柄225社の株を分散投資で購入しようとした場合、個別銘柄ごとに購入していく必要がある為、莫大な金額が必要となってしまう。

一方のETFでは例えば前述した日経225連動型上場投資信託などに投資することによって、最低2万数千円程度から分散投資することができる。銘柄によっては1,000円以下から始められるETFもあるのでありがたい。これは投資信託でも分散投資という同じメリットがあるが、ETFの場合はさらに手数料が安いというメリットがある。

つみたてNISAで取扱いのETF

それでは新制度であるつみたてNISAで購入可能なETFについて紹介していこう。つみたてNISA対応のETFは2017年12月26日現在で3本となっている。いずれのETFも大和証券投資信託委託が運用会社である。つみたてNISAの対象金融商品135本中132本は投資信託となっており、ETFはわずか3本ということで、数がとても少ないのは残念だ。

現在つみたてNISA対象として採用されているETF3本は以下の通りだ。

「ダイワ上場投信-日経225」
「ダイワ上場投信-JPX日経400」
「ダイワ上場投信-トピックス」

それでは各ETFについて詳しくみていこう。

最も身近な指標?日経225に連動――「ダイワ上場投信-日経225」

まず紹介するのはダイワ上場投信-日経225だ。このETFは日経平均株価を構成する銘柄すべての株式を組み入れることを原則とし、日々のETFの変動率と日経平均株価の変動率とを一致させることを目指すインデックス投信である。

日経平均株価はご存知の通り日本の経済を代表する指数だ。東証1部上場企業の中から各セクターを代表する銘柄を225社抽出し、それらの銘柄の株価を平均したもの(実際には単純平均ではなく株式分割の補正等も行われる)が日経平均株価となっている。

東証1部上場の企業の中からさらに225銘柄に絞り込まれた指標という事で、当然のことながら採用銘柄は日本を代表するような大手企業が名を連ねている。そのため中小型株を含む日本経済全体の動きというよりは、業界大手企業の業績が色濃く反映されるという特徴がある。

同ETFでは、日経平均採用銘柄225社の株式を全銘柄組み込むことを原則としている。そのためETFを購入することによって、日本を代表する企業225銘柄すべてに分散投資している事と同様の効果を得ることができる。日経平均という分かりやすい指数に連動するETFであり、今後日経平均の上昇に期待をする方にはこちらのETFがおすすめだ。

【名称】ダイワ上場投信-日経225
【証券コード】 <1320>
【基準価格】2万3,490円(2017年12月26日終値)
【基準価格の表示単位】1口
【売買単位】1口
【商品分類】追加型投信/国内/株式/ETF/インデックス型
【信託報酬】年率0.1728%(税込)以内

TOPIXに連動――「ダイワ上場投信-トピックス」

次に紹介するのはダイワ上場投信-トピックスだ。このETFではTOPIXを構成する全銘柄の株式の時価総額構成比率95%以上を構成する銘柄の株式を組み入れることを原則とし、TOPIXの変動率に一致させることを目指すインデックス投信だ。

TOPIXは東証1部上場の銘柄全ての時価総額の合計を全銘柄で割って割り出される指標だ。1968年1月4日を「100」として、現在東証1部ではどれだけの時価総額であるかが簡単にわかる指標となっている。

日経平均は日本を代表するわずか225社の株価の平均を表す指標だが、TOPIXは東証1部の全銘柄が対象となっている。現在東証1部上場企業の数は2018年1月4日現在で2,065社であり、日経平均株価の225社に比べてより日本経済や市場全体の影響を受けやすいと言える。

同ETFではTOPIXを構成する全銘柄の株式の時価総額構成比率95%以上を構成する銘柄の株式を組み入れることを原則としており、TOPIXと変動率が一致することを目指しているため、同ETFに投資を行なうことによって、2,000社を超える東証1部の銘柄に分散投資を行なうのと同様の効果を得ることができる。日経平均の225社に比べ、さらに多くの2,000社を超える採用銘柄があるTOPIX、より多くの国内株へ分散投資を希望する方にはこちらのETFがおすすめだ。

【名称】ダイワ上場投信-トピックス
【証券コード】 <1305>
【基準価格】1,908円(2017年12月26日終値)
【基準価格の表示単位】10口
【売買単位】10口
【商品分類】追加型投信/国内/株式/ETF/インデックス型
【信託報酬】年率0.1188%(税込)以内

400銘柄で構成されるJPX日経400に連動--「ダイワ上場投信-JPX日経400」

次に紹介するETFはダイワ上場投信-JPX日経400だ。このETFは東証1部、2部、マザーズまたはJASDAQに上場する400銘柄で構成されるJPX日経400の変動率に一致させることを目指すインデックス投信である。

日経平均やTOPIXといった指数に比べてJPX400という指数はあまりなじみのない方も多いのではないだろうか。この指標では東証1部上場企業だけでなく、2部、マザーズ、JASDAQ上場の銘柄の中から400銘柄が指数採用銘柄として選ばれている。

具体的な基準として対象となる市場に上場している銘柄の中からまず上場後3年未満、過去3期いずれかの期で債務超過、過去3期すべての期で営業赤字、過去3期すべての期で最終赤字の企業を除外する。

その後直近3年間の売買代金や選定基準日時点における時価総額を勘案し上位1,000銘柄を選定する。選ばれた1,000銘柄の中から3年平均ROE(株主資本利益率)や3年累積営業利益、時価総額(選定基準日時点)により点数を付け、独立社外取締役の選任、IFRS採用、英文資料の開示などの加点を行ない最終的にスコアが高い400銘柄が選定される。

日経平均の様に東証1部上場企業という枠にこだわらず、幅広い市場を対象に優良企業のみを採用銘柄としている点が注目される部分だ。TOPIXの場合であれば債務超過の企業や慢性的な赤字企業などが含まれるが、JPX400ではそれらが排除される仕組みとなっているため、対象となる市場の優良銘柄のみを集めた指標となっている。

同ETFに投資を行なうことで前述の通り、幅広い指標から選別された優良銘柄400銘柄に分散投資することが可能となっている。日経平均やTOPIXへの投資だけでなく、同ETFへの投資も検討の余地がある商品だ。

【名称】ダイワ上場投信-JPX日経400
【証券コード】 <1599>
【基準価格】1万6,450円(2017年12月26日終値)
【基準価格の表示単位】10口
【売買単位】1口
【商品分類】追加型投信/国内/株式/ETF/インデックス型
【信託報酬】年率0.1944%(税込)以内

なぜETFが少ないのか?

これまで紹介してきたように魅力がたくさんのETFだが、残念ながらつみたてNISAでは対象となっているETFがわずか3本と極めて少ない状況だ。ETFではない一般の投資信託が132本という事を考えると、ますますその少なさが際立つ。

一般の投資信託に比べて多くのメリットがあるはずのETFは、もっとつみたてNISAの対象になっても良いと考えられるが、このETFの対象商品の少なさは実はつみたてNISA特有の理由も影響している。ここからは、なぜつみたてNISAの対象となっているETFがなぜ少ないかを考察してみよう。

ETF買付手数料のメリットが失われた

つみたてNISAでは残念ながらETFの魅力の一つであった買付手数料の安さというメリットが相対的に失われている。同制度では実は一般の投資信託の買付手数料をゼロにしなければならないという決まりがある。その結果一般の投資信託をこれまで買付するために必要だった買付手数料が一切必要なくなったのだ。

一方でETFは販売手数料がもともと低水準だったこともあり、同制度では1.25%以下にするようにと定められている。株式の売買手数料と同様の低水準な手数料体系が売りであったETFだが、同制度の対象となる一般の投資信託が全て買付手数料ゼロとなったことにより、相対的にETFの方が取扱い金融機関によっては買付手数料が高くなる場合があるのだ。

一般の投資信託が買付手数料無しに購入可能な同制度で、わざわざETFを選ぶ方は少ないとの予想から同制度では各社ETFにはあまり力を注がず、一般の投資信託を充実させる方向へと動いていると考えられる。

信託報酬のメリットが失われた

これまで一般の投資信託は信託報酬が高く、ETFは信託報酬が安いといったイメージがあった。しかしつみたてNISAでは国の基準により一般の投資信託の信託報酬についても低水準にすることが定められている。具体的な信託報酬の水準は指定以下の通りだ。(数値は全て税抜き)

投資信託の信託報酬の基準
・指定インデックス投信
国内資産を対象とする投信 0.5%以下
海外資産を対象とする投信 0.75%以下

・指定インデックス投信以外の投資信託
国内資産を対象とする投信 1%以下
海外資産を対象とする投信 1.5%以下

このような基準を国が発表し、各社が対応を行った結果、基準をさらに下回る低水準な信託報酬の投資信託が同制度の対象商品に数多く追加された。このような各社の努力によりこれまで大きな差があったETFと一般の投資信託との信託報酬の差が縮まり、ETFのメリットが相対的に減少する結果となった。

金融庁によるETFの厳しい要件

その他にもETFがつみたてNISAに少ない理由がある。国が同制度の対象となるETFについて基準を定めている。主な基準は以下の通りだ。

・信託契約期間が無期限又は20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

以上の3点が守られる他、以下の要件についても全てを満たす必要がある。

・指定されたインデックスに連動していること
・ 投資の対象資産が株式であること
・ 最低取引単位が1,000円以下
・ 販売手数料:1.25%以下
・ 受益者ごとの信託報酬等の概算値が通知されること
・ 金融庁へ届出がされていること

その他にも海外取引所に上場しているETFの場合は資産残高1兆円以上が必要といった要件もある。

このように同制度の対象となるETFには厳しい基準が定められている。特に一般の方が気軽に積み立てが可能なようにと開始される同制度では、売買がしやすいようにETFは最低単位が1,000以下となっている。現在国内取引所に上場しているETFは数多く存在するが、最低取引単位が1,000以下のETFとなると数が限られてくる。

また、前述の様に買付手数料や信託報酬といったETFが持つメリットが相対的に減少した結果、わざわざ同制度のためにETFを用意しなくとも一般の投資信託で十分であるという考えで数が少ない可能性もある。

また、ETFの場合は取引所に上場することが大前提となる。上場コスト等を考えて、割に合わないと判断した可能性もある。

つみたてNISAには対象ETFとして日経平均、TOPIX、JPX400を対象としたインデックス投信が用意されている。一方で同制度の対象に一般の投資信託からも同じく日経平均、TOPIX、JPX400を対象としたインデックス投信が用意されている。

これまでの常識ではETFで購入した場合の方がお得と言われていたが、つみたてNISAの場合は必ずしもそうではない可能性がある。

つみたてNISAでETFを検討している方は、ETFだから絶対にお得といった先入観に問わられることなく、冷静に他の対象商品と比べて投資を行なっていただきたい。(右田創一朗、元証券マンのフリーライター)

つみたてNISAの主要証券会社比較を確認する

新制度の開始は証券会社にとって新規顧客の獲得チャンスともなるため中には対応にかなりの力を注いでいる企業もある。そこで主要証券会社のつみたてNISAの対応状況を比較していく。同制度を今後利用しようと検討している方はぜひ参考にしていただきたい。

>>「つみたてNISA」主要証券会社比較はこちら

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