株式投資の中にIPO投資というものがあるのはご存じだろうか。一般的に値上がりするイメージが強く、もうかりやすいと言われている。今回はIPOの基本から、実際に利益は上げられるのか、どう申し込めばいいのかなどIPO投資の基本的な事柄について解説していこう。

目次

  1. そもそもIPOって何?
  2. IPOのメリット
  3. IPOのデメリット
  4. IPOの抽選に当選しやすくするには
  5. 必ずしも平等な抽選ではない
  6. IPOの取り扱いは証券会社によってかなり違う
  7. IPO投資の仕方
  8. IPO銘柄の見極め方
  9. 実際にIPO投資を始めてみる
    1. IPOについてより、知識をつけたい方はこちらの記事をチェック
    2. IPO投資をすぐ始めたい方はこちら

そもそもIPOって何?

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(画像=miya227/Shutterstock.com)

そもそもIPOとは英語の「Initial Public Offering」の頭文字をとった言葉だ。日本語では新規公開株や株式公開、新規上場株式とも言われる。具体的には株式市場に新しく上場することが決まっている未上場企業の株式を指す。

新規上場時の公募価格は、売れ残りの出ないように企業と証券会社が協議し、多くの場合は割安に設定され、投資家に売却される。そのため、上場後は値が上がりやすくなる。これを利用し、割安に購入できる上場前の公募価格でIPO株を購入し、上場後すぐに売却することで利益を上げる投資家がいる。こうした投資方法をIPO投資と呼ぶ。

IPO投資では人気が集まり株価が値上がりしやすいと言われる上場時の初値で売却し、利益を得られるように、上場前の公募価格でIPO株を購入することが基本となる。

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IPOのメリット

IPOのメリットは、何と言っても大きな値上がり期待ではないだろうか。一般的にIPO株は値上がりしやすく有利と言われているが、果たして本当にそうなのか、過去のデータから確かめてみよう。

まずは直近の2017年のデータから紹介しよう。2017年は新規上場企業数が89件だった。89銘柄中公募価格を初値が上回った銘柄が81件と約91.0%の高い勝率を記録している。勝率90%超えはなかなかな記録ではないだろうか。

2016年を見てみると83銘柄が新規上場を果たし、その内約80.7%の銘柄が公募価格を初値が上回った。2017年に比べると低い水準だが、十分な勝率だ。2015年は92銘柄の新規上場に対して、約89.1%が公募価格を初値が上回った。2014年は76銘柄に対し約76.3%が公募価格を初値が上回っている。

過去4年間を平均しても勝率8割超えという結果を見れば、多くの投資家が「IPO投資はもうかる」と認識することにも納得できるのではないだろうか。

さらにIPO投資では、大幅に値を上げて初値を付ける場合もある。2017年のIPOについて初値が公募価格に対して何倍を付けたかを表す初値倍率では、平均約2.13倍を記録している。これは1000円のIPO株を公募価格で購入できた場合、初値ですぐに2130円まで値上がりしているということと同義だ。

公募価格で購入し、初値で売却するだけで2017年は平均勝率約91%、平均初値倍率約2.13倍となればIPO投資が値上がりしやすいと言われるのも大いに納得だ。ちなみに2016年の平均初値倍率は約1.71倍、2015年は約1.87倍、2014年は約1.92倍となっている。

IPOのメリットは値上がりしやすいことだけではない。IPO株を公募価格で購入する場合、実は手数料が必要ないのだ。通常の株式取引においては株を購入する場合、売買手数料を証券会社に支払う必要がある。しかしIPO株の公募の際の購入に関しては売買手数料が不要となる。つまり公募価格さえ支払えばコストをかけずにIPO株を手に入れることができるのだ。ただしIPO株を手に入れた後、売却する際は通常通りの売買手数料が発生するので注意していただきたい。

IPO株では購入時の売買手数料が無料なだけでなく、公募価格自体が割安に設定されている場合も実は多い。上場する企業にとって新規上場は、ほとんど場合は1度きりの一大イベントだ。証券取引所ではセレモニーも催されるほどだ。そのため、可能な限り初値が高く寄り付くことをどの企業も願っている。上場初日に初値で高値が付いた場合はその企業の上場は成功だったと言えよう。高値で寄り付くことは企業のイメージ向上にもつながり、その後の株価にも大きな影響を与えるのである。

一方初値が公募価格を下回る、いわゆる公募価格割れとなる企業もある。そのような企業は単に公募割れの初値を付けたという事実以外にも、企業にとってマイナスのイメージを背負うこととなる。投資家によっては公募割れした企業に対し、市場で資金を集められない不人気というレッテルを貼る可能性もある。

こうした初値の公募割れによるマイナスイメージを避けるためにも、企業はあらかじめ公募価格を割安に設定することが多々あるのだ。割安に設定することによって初値の公募価格割れをなるべく防ぎ、満を持して上場初日を迎えるのである。

銘柄によっては暴騰と言えるほどの値上がりが起こり、初値が付くこともある。例えば2017年で言えば11月29日にJASDAQスタンダードに上場を果たしたトレードワークス <3997> だ。同社は公募価格2200円に対し、初値が1万3600円と約6.18倍の値を付け話題となった。公募価格で100株を2200円で購入し、初値の1万3600円で売却した場合、単純計算で114万円の利益が出たことになる。

このようにIPO株では公募価格が初値を大きく上回ることも少なくないため、一般的には利益が出やすい投資、もうかりやすい投資と言われているのだ。

IPOのデメリット

メリットが多くあるIPO投資だが、その一方でデメリットもある。値上がりしやすいと言われるIPO投資だが、公募価格に対し初値が割り込むこともある。2017年は勝率約91%と先ほど紹介したが、約9%は値上がりしなかったまたは値下がりしたということになる。

また、リーマンショック後の2008年は勝率39%、日経平均株価が低迷した民主党政権期の2009年、2010年、2011年はそれぞれ68%、45%、52%と、市場環境次第では勝率も低くなるので注意が必要だ。投資には絶対はないので、IPO投資であっても値下がりリスクがあるという点は覚えておいていただきたい。

新規上場する企業の中には新興企業や小規模の企業が多く含まれている点にも注意が必要だ。IPO株は基本的にこれまで上場していなかった企業が初めて証券取引所に上場する。特に成長過程にある新興企業や小規模の企業が多い傾向がある。新興企業が企業自体の情報も既に上場している企業と比べると乏しくなる。また新興企業や小規模の企業などは、上場後の業績が必ずしも安定するとも限らない。これらの点についても注意が必要だ。

そしてIPO投資最大のデメリットは、人気がある企業は株の購入が抽選になってしまう点だ。2017年のIPO株は初値が公募価格を上回った銘柄が約91%、初値倍率は平均約2.13倍と、かなりの確率で値上がりし、平均2倍以上の初値を付けている。このデータからももうけが出やすい投資というのが理解できるが、それゆえにIPO株は大人気となっており、なかなか購入することが難しい。

通常、株式市場で株を購入する場合は需要と供給によって株価が決まる。人気のある銘柄であれば株価が高騰するが、通常は誰でも買うことができる。しかしIPOの場合は人気のある株であっても公募価格でのみしか販売が行われない。そのため余計に購入者が殺到し、ほとんどの場合が抽選による販売となる。

この抽選がIPOのデメリットとなっている。IPO株を購入したくともなかなか抽選に当選することができないのだ。何度も何度もIPO株を購入するために抽選に申し込んでいるが、なかなか当選しないという話は投資を行っている方の中ではよく聞く話だ。

ただし、抽選で購入できなかったといっても損失を被るわけではないので考え方次第ではデメリットと認識する必要はない。

IPOの抽選に当選しやすくするには

IPO投資は抽選に当選することが難しい。しかし実際には当選している人もたくさんいる。そこで少しでもIPO投資に当選しやすくなる方法をいくつか紹介しよう。

まず代表的な方法としてより多くの証券会社からIPO抽選に参加することが挙げられる。実はIPOは証券会社ごとに抽選に参加が可能だ。仮に3社の証券会社へIPOの抽選申し込みをすると、3回抽選に参加できるわけだ。普段利用している証券会社1社だけで申し込みを終わらせてしまうより、より多くの証券会社に口座を開設して複数の証券会社からIPOの抽選に参加した方が当選確率が何倍にも上がるのだ。

ただしIPO株の証券会社への割り当てはどこの証券会社でもあるというわけではない。IPOの銘柄ごとにIPO株の割り当てのある証券会社が決まっているため、欲しいIPO株の取り扱いがある証券会社から申し込む必要がある。

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必ずしも平等な抽選ではない

ネット証券の多くが完全平等なIPOの抽選を実施しているが、証券会社の営業員などと相談しながら取引をする対面証券会社では完全平等抽選を実施していない場合もある。どういうことかというと、対面証券では得意先の顧客に対して優先的にIPO株を提供している場合があるのだ。

IPO株は初値が高くなりやすいため、普段お世話になっている顧客に優先的に配分するということを、従来からの対面型の証券会社では行っている。つまり、対面証券会社を普段から頻繁に利用するような方は、ネット証券からIPOに申し込むよりも普段利用している対面証券会社の営業員に直接IPOの申し込みをする方法をとった方がIPO株を購入できる可能性が上がる場合もあるのだ。

対面系証券だけでなく、ネット証券にも一部では完全平等抽選を実施していない証券会社も存在する。例えばSBI証券だ。同社はIPOの完全平等抽選も実施しつつ、一部ではポイント利用によって当選確率をアップさせる制度を実施している。同制度ではIPO抽選にはずれた場合にポイントが付与される。はずれの回数が多くなればなるほどポイントが増えていく。貯まったポイントをIPO抽選の申込時に利用すると、当選確率がアップするという仕組みだ。はずれの回数が多い方への救済策としての制度ともいえる。このような利用することでも当選確率を上げることができる。

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IPOの取り扱いは証券会社によってかなり違う

証券会社によってIPO株の取り扱う銘柄数や株数は大きく違う。IPO投資で重要なのはIPO株の割り当てが多い証券会社で申し込みを行うことだ。その中でもIPOの取り扱いで中心となるのが主幹事証券となる証券会社だ。

IPOにおいて売り出しを行なう際、サポートを務める証券会社の事を幹事という。その中でも中心的役割を果たす証券会社は主幹事と呼ばれ、この主幹事証券はIPOにおいても配分される株式の数がかなり多くなる。売り出される株の8割~9割が割り当てられる事も決して珍しくない。ほとんどの株数が主幹事証券での取り扱いとなり、その他の幹事証券や幹事証券から販売を委託される委託幹事証券等は主幹事に比べるとわずかな株数となる。

IPOに当選をするうえでより多くの証券会社に口座を作り、IPOに申し込むのももちろん大切だが、主幹事証券を務める証券会社から申し込みを行うことも当選確率を上げる方法としてはとても重要となる。

IPOでは2015年に上場した郵政グループ3社のような超大型上場となるとIPO株の枚数も膨大な量となる。このような場合は主幹事証券を複数の証券会社が務めることもある。しかし通常の規模のIPOの場合では主幹事証券1社がIPO株のほとんどを引き受けてしまうことが多いため、主幹事証券から申し込むということは当選するためにはとても大切なことなのだ。

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IPO投資の仕方

IPOについてこれまで解説してきたが、実際にIPOに申し込むためにはどうしたらよいのだろうか。

最初に行うことは証券会社へ口座を開設することである。先ほども説明したとおり、IPOの取り扱いがある証券会社であれば証券会社ごとに抽選に参加することが可能だ。そのためより多くの証券会社に口座を開設して当選確率を増やすことをおすすめする。その際に主幹事証券をよく務める証券会社への口座開設もぜひ行いたいところだ。

証券会社では、一般的な「総合取引口座」と呼ばれるものを開設するだけでIPOへの申し込みが可能となる。信用取引口座や外国株取引口座などの特殊な口座は、無理に開設しなくともIPOへの申し込みは可能だ。

証券会社に口座を開設したら次はいよいよIPOへの申し込みだ。ネット証券の場合はパソコンやスマートフォン上の取引画面から簡単に申し込みが可能だ。対面証券の場合は担当の営業員に申し込むこともできる。

ネットと対面型のどちらも、大部分の証券会社でIPOへの申し込みの際に、実際にIPO株が当選した場合に購入に必要となる買い付け金額を口座に買付余力として持っておく必要がある。口座の買付余力がない場合は新たにその金額だけ入金する必要があるので注意が必要だ。

実際に申込の際には、IPO株の購入希望価格・数量を決定する必要がある。IPO株には事前に公募価格を何円~何円までにすると仮条件が提示されている。例えば仮条件900円から1000円といった具合だ。この値幅の中でいくらであれば購入するのかという需要申告を行なう必要がある。ただし実際にはIPOは人気が集まる為、ほとんどの場合で仮条件の上限で公募価格が決定する。そのため、需要申告の場面では仮条件の価格の上限を提示するとよいだろう。また対面系証券会社の場合は、仮条件は上限で決まるものとして、買い付け希望数量の確認しかされないことも多い。その場合でも、条件決定後に営業担当者から連絡が来るので心配は不要だ。

需要申告が終われば、後日正式な公募価格と抽選結果が公表となる。ネット証券の場合は取引画面から確認が可能だ。対面系証券会社の場合は営業員の方から抽選結果の連絡がくる場合が多い。

抽選結果は当選と落選とがあるが、中には補欠当選というものもある。この補欠当選とはIPO株に当選した方の中でもし購入自体者がいた場合に補欠当選の方が繰り上げ当選するという制度だ。補欠当選しただけではIPO株を購入できず、その後繰り上げ当選になるまでは購入できないのでぬか喜びは禁物だ。

見事IPO抽選に当選や繰り上げ当選となった場合、次は購入手続きをしなければならない。当選した場合でも購入手続きを忘れてしまうと、購入できない場合があるので注意していただきたい。購入手続きはネット証券の場合は取引画面から行うことができる。対面系証券の場合は営業員の方に購入の意思を連絡していただきたい。

IPO株を無事に手に入れることができれば、あとは上場日を待つだけだ。IPO投資を行う多くの方が上場日に初値で売却するが、必ずしもそうしなければならないわけではない。将来性のある銘柄であると判断した場合は長期保有してももちろん大丈夫だ。

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IPO銘柄の見極め方

それでは最後に初値で値上がりしやすいIPO株と値下がりしやすいIPO株の見分け方について説明しよう。実際には相場環境や需要と供給の状況次第で初値は大きく変わってくるのであくまで参考程度にしたほうがいいだろう。

2017年は約91%のIPO株の初値が公募価格を上回ったが、残念ながら約9%の銘柄は値を上げなかった。そうした銘柄を避けるためにチェックするポイントとしては、まず当然のことながらIPO株の業績が挙げられる。赤字の銘柄の場合は初値が安くなりやすい傾向がある。

次に仮条件の価格の上限で公募価格が決まったかどうかだ。仮条件の価格の上限で公募価格が決定しなかった場合、需要に対して供給が多すぎる可能性がある。その場合も初値は値下がりしやすい。

つまり業績見通しが良好で、人気のある銘柄は値上がりしやすく、業績見通しが悪く人気の無い銘柄は値下がりしやすいという訳だ。これはIPO株だけでなく、通常の上場株式にも言える当たり前のことだ。いくらIPOが値上がりしやすいとされているからと言って、銘柄の事業内容、業績見通し、需給などのチェックを怠ると、上場後すぐに値下がりしてしまうような銘柄を掴んでしまう可能性もある。

IPO投資に関しても基本は普通の株取引と同じように、業績が良く人気のある会社に投資するのが望ましいのだ。(右田創一朗、元証券マンのフリーライター)

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