誰かに任せるのではなく、自ら責任をもって行動する。そのような発想は資産運用においても欠かせません。特に現代では、年金や社会保障制度に対する不安も相まって、老後のお金は自分で用意するべきとの考えが広がっています。もはや、誰かに任せているだけでは不十分と言えるでしょう。

公益財団法人生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査(平成28年度)」によると、自らの老後生活に対して「不安感あり」と回答しているのは全体の85.7%となっています。つまり、9割近くの人が老後生活に対して何らかの不安を抱えているのが実情なのです。

不安の内容を見ると、「公的年金だけでは不十分」が80.9%と最も多く、次いで「日常生活に支障が出る」も57.2%も高い水準を示しています。このことからも、国の制度に任せているだけでなく、何かしなければならないという危機感の一端を垣間見ることができるでしょう。

ただし、投資や資産運用の知識がなければ、適切な行動をとることはできません。また、損をしたくないからと、貯金をはじめとする元本保証の投資ばかりに偏ってしまうのも考えものです。元のお金が減らないということは、得られるリターンも限定的となってしまいます。

ここであらためて、リスクとリターンという観点から、元本保証と資産運用の関係性について詳しく学んでいきましょう。

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(写真=nuwatphoto/Shutterstock.com)

手堅さとはつまり「元本保証」である

元本保証とは、あらかじめ投資したお金が保証されるタイプの投資です。「貯金」や「定期預金」などが最もわかりやすい例でしょう。これらの投資手法では、元本を失うことがほぼありません。それこそ、金融機関が潰れない限り資産は守られることになるのです。

一方、株や投資信託はどうでしょうか。実際に投資をしている方はお分かりのように、株や投資信託の場合には、投資する段階でリスクについての説明があります。つまり、元本割れをするリスクについて理解した上で、投資をしているということです。元本保証がないため、当然ながら元手が減る可能性もあります。

そもそも投資の旨味は“お金を働かせる”ことにあります。保有している資金をそのまま放置しておくのではなく、お金に働いてもらうことによって資金が増えていく。それが投資の醍醐味です。そう考えると、たとえわずかずつしか増えなかったとしても、元本保証がある投資に惹かれるのは自然なことかもしれません。

元本保証の投資効果は限定的

ただし、一般的な貯金や定期預金では、相当な元手がなければお金は増えません。事実、銀行金利にはゼロが並んでいます。そのため、いくら元本保証だからと言ってそのままにしておくと、元手がほとんど増えないまま、時間だけが過ぎていくということになりかねないのです。

またその他の元本保証がある投資として、「債券(国債、社債)」や「貯蓄型の保険」などもありますが、いずれにしても償還までの期間が長く、また金利もそれほど高くないのが特徴です。手堅い手法ではありますが、投資する金額が多くないのであれば効果は限られているということを、あらかじめ理解しておいた方がいいでしょう。

元本保証のリスクとは

さらに、元本保証型の投資にはリスクもあります。たとえば社会情勢がインフレに向かった場合です。インフレ時には物価が高くなります。物価が高くなるということはつまり、お金の価値が下がるということです(日本の場合は円の価値)。このように、インフレになった場合を考えれば、現金を保有しているだけでは不十分であると分かるでしょう。

加えて、とくに日本の将来を考えてみると、少子高齢化が進むことは間違いありません。そうなると、年金制度や社会保障制度に無理が生じ、やがては個々人が自らの老後資金を用意しなければならないときがくるかもしれません。そうなると、元本保証があるローリスクの投資だけでは対応できないことも考えられます。

たしかに元本保証は手堅いのですが、必ずしも将来の安心を得られるとは限りません。「生活保障に関する調査(平成28年度)」では、ゆとりある老後生活費(「老後の最低日常生活費」と「老後のゆとりのための上乗せ額」を合計した額)は、月額平均34.9万円。これだけの資金を捻出するとなると、ある程度はリスクのある投資が欠かせません。

少なくとも、何も行動しないことの方がリスクであることは間違いないのです。(提供:マンション経営online

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