クレジットカードの中でもひときわステータスをアピールできるカードといえば、プラチナカードである。充実したサービスとステータスの高さが魅力のプラチナカードだが、条件が厳しくクレジットカード会社側からの招待なしには持てないと考えている人も多いのではないだろうか。

一昔前までは限られた人しか持つことが許されなかったプラチナカードだが、実は徐々に入会条件の間口も広がり種類も豊富になっているのが現状だ。

プラチナカードとは

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(画像=Rawpixel.com / Shutterstock.com)

プラチナカードとはクレジットカードのグレードの1つであり、一般カードやゴールドカードよりも上のランクに位置する。ゴールドカードよりもグレードが高いので、カードによっては最高グレードに値する場合もある。ただプラチナの上にブラックカードと一般に呼ばれる最高位のカードを設定しているところもある。

プラチナカードはステータスの高いカードではあるが、カード会社によってもサービスやランク順位にも多少の違いはある。

プラチナカードの年会費

プラチナカードの年会費も、発行元のクレジットカード会社によってさまざまだ。ただし年会費無料~年会費数千円程度のプラチナカードは存在しない。プラチナカードの年会費の相場は、およそ2万円~5万円以上だ。

一般カードやゴールドカードと比較すると、年会費は高めの設定だが、その分、付帯するサービスが充実しているのが特徴だ。

プラチナカードの利用限度額

一般カードの場合、限度額は数十万円というものが多いだろう。しかしプラチナカードの場合には、最低でも限度額が200万円以上になるものが多い。プラチナカードは年会費が高くなる分、利用限度額も一般カードやゴールドカードに比べて高く設定されている。

プラチナカードの申し込み条件と審査難易度

一昔前まで、プラチナカードといえば、一定以上の年収がある一部の富裕層を対象としたカードというイメージがあった。現在もそのイメージ通りのプラチナカードも存在するが、全体的にはじわじわと申し込み条件や審査難易度が優しくなっている印象がある。

プラチナカードを申し込むためには、ゴールドカードなどから優良な取引実績を積み重ねた上でクレジットカード会社側から送られてくるインビテーション(招待状)が必要なところもある。一方で自分から申し込みが可能なプラチナカードも存在する。

年会費やサービスを比較してもわかるように、同じプラチナカードといっても発行しているクレジットカード会社によって審査難易度にはバラつきがあるのだ。一般的には、ゴールドカードよりも審査基準が高めであると考えておけばよいだろう。

プラチナカードに付帯している主なサービス

一般カードやゴールドカードには付帯していない、または付帯しているが他のカードよりもサービスが優遇されているプラチナカードならではのサービスには以下のようなものがある。

  • コンシェルジュサービス
  • プライオリティパスや空港ラウンジの無料利用
  • 国内・海外旅行傷害保険
  • その他の付帯保険
  • レストランでの優待
  • ホテルでの優待
  • 飛行機のアップグレード

秘書の役割を果たしてくれるコンシェルジュサービス

プラチナカードの代表的なサービスにコンシェルジュサービスがある。年会費が比較的安いプラチナカードには付帯していない場合もあるが、招待制のプラチナカードには必ず付帯している無料の秘書サービスのようなものである。

たとえば新幹線や航空券の手配、レストランやホテルの予約などを依頼でき、ちょっとした調べ物などの代行もしてくれるのだ。このようなサービスは忙しいビジネスマンや経営者にとっても非常に人気のあるサービスとなっている。

国内・海外旅行傷害保険

一般カードやゴールドカードなどにも付帯していることの多い国内・海外旅行傷害保険だが、プラチナカードの場合には、補償額が高額である。

たとえば、一般カードである三井住友VISAクラシックカードに付帯している海外旅行傷害保険の最高補償額が2000万円なのに対し、三井住友VISAプラチナカードの最高補償額は最高1億円となっている。また補償の幅も一般カードよりも広い傾向があるのだ。

その他の付帯保険

旅行傷害保険以外にもプラチナカードにはさまざまな手厚い保険が付帯している場合が多い。たとえばショッピング補償は、カード決済をして購入した商品が破損したり盗難にあったりした場合に補償してくれる保険である。一般カードやゴールドカードにも付帯している保険だが、旅行傷害保険同様補償額が他のカードよりも高い傾向がある。

また、基本的に一般カードには付帯していない航空機遅延保険などが付帯している場合もある。この保険は、万が一登場予定の飛行機が遅延した場合などの宿泊費などを補償してくれる保険である。

レストランでの優待

クレジットカードが提携しているレストランを割引価格で利用できたり、プラチナカードを所持している人のみが利用できたりするレストランサービスが付帯している。2人でレストランに行った場合、1人分の食事代が無料になるサービスを行なっているところもあるのだ。

ホテルでの優待

クレジットカードが提携しているホテルでの優待が受けられるサービスで、割引価格で宿泊できたり無料でアップグレードしてもらえたりするサービスなどがある。

飛行機のアップグレード

クレジットカードが提携している航空会社を利用することで、クラスのアップグレードができるサービスがある。エコノミーからビジネスへ、ビジネスクラスからファーストクラスへのアップグレードなど、プラチナカードによってもサービスは異なる。

プラチナカードを選ぶ上での注意点

プラチナカードを選ぶ上での注意点として、考えなければならないのが年会費と利用限度額の費用対効果だ。年会費が高くても毎月限度額相当まで利用する予定があるとか、頻繁に利用するサービスがある場合には、多少の年会費の高さは気にならないだろう。

しかし、メインカードではないのであまり利用しないという場合や、サービスを特に利用せずステータスをアピールするためだけに保有するのであれば、年会費が安めのゴールドカードなどでも十分だといえる。

同じプラチナカードでも限度額や利用できるサービスには色々な種類があるので、年会費以上に自分が利用できるサービスが揃っているものを選ぶとよいだろう。

年会費を抑えてプラチナカードを持ちたいなら――セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカード

サービス以前にステータスとしてプラチナカードを持ちたいという人や、プラチナカードを持ちたいが年会費は抑えたいという人が検討したいのがセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードだ。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレスカードは、プラチナカード中では年会費が安めの20000円となっているが、年間200万円以上のショッピングカード利用で年会費が10000円になるのが魅力である。申込条件も学生・未成年を除く連絡のつく人というもので、年収などのステータス的な条件がなく、自ら申し込みできるのも特徴だ。

ただし、プラチナカードの特徴ともいえるコンシェルジュサービスには対応していない

手頃な年会費で一通りのプラチナカードサービスが受けたいなら――JCBプラチナ

年会費はできるだけ抑えたいが、一通りのプラチナカードサービスは受けたいというのであれば、JCBプラチナがおすすめだ。JCBといえば国内唯一の国際ブランドであり、その国際ブランドが発行しているカードということで、ステータスも十分にアピールできる。

年会費は25000円とプラチナカードの中では比較的安めの設定になっているが、コンシェルジュサービスやプライオリティパスなど、プラチナカードの特徴となるサービスが一通り利用できる。

年齢25歳以上で安定した収入があれば、申込可能なプラチナカードなので、一通りのプラチナサービスを利用したい人のための1枚目のプラチナカードとしてもおすすめだ。

家族やパートナーと有効的に利用できる――三井住友プラチナカード

家族やパートナーとの買い物や旅行先でのクレジットカード利用が多くなる人におすすめなのが三井住友プラチナカードだ。年会費は5万円(税抜)で、上で紹介した2つのプラチナカードよりも高めの年会費設定になっているが、枚数制限なしで家族カードが作れるのが魅力である。たとえば、配偶者に1枚と両親に計2枚の家族カードを発行した場合、合計4枚のプラチナカードを年会費12500円で利用できることになり、家族カードの発行枚数によってはコストパフォーマンスにも優れている。

また、国内主要空港のラウンジが同伴者1名まで無料で利用できるほか、USJや宝塚歌劇団観覧などのエンターテイメント系サービスの優待も充実しており、家族やパートナーと便利に利用できるプラチナカードだといえる。

満30歳以上で安定した収入があれば、こちらも招待状なしで自分から申し込みができるプラチナカードだ。

ステータスの高さを追求する人におすすめのプラチナカードも

3種類のプレミアムカードを紹介したが、これまでのカードは基本的に招待状不要で、自分で申し込みができるプレミアムカードだ。

しかし、中にはクレジットカード会社側からの招待状がなければ入会できないプレミアムカードも存在する。アメリカン・エキスプレス・プラチナカードやダイナースクラブプレミアムカードなどがこれに当たるが、基本的に具体的なサービスが入会者にしか公開されていないのも特徴だ。

それぞれのブランドの発行するゴールドカードなどで実績をつくることによって、招待状を得ることができるが、ステータス系プロパーカードの中のプラチナカードというだけあり、上の3枚のプレミアムカードよりも優遇が受けられることが予測できる。

プラチナカードの中でも最上級のラグジュアリー感を求めるのであれば、この2枚のカードのいずれかになるだろう。自分がプラチナカードに求めているものを正確に分析した上で、どのようなタイプのプラチナカードを選ぶのかを考えてみることが重要である。(ZUU online編集部)